「んう?」
朝日が目を照らした。
眩しさを避けて体を起こし時計を見ると7時を指している。
「しまっ…!…あ……」
「そうだった……もう…」
昨日のことを思い出す。
もういいんだったと安心と落胆が共に振りかかった。
ガクンとうなだれていると視界の端っこに誰かの手で見えた。
隣にイギリスさんが寝ていたのだ。
「朝食でも作ろうかな…」
「だめです」
ベッドから出ようとすると引っ張り戻された。
抱き締められ動けなくなる。
「今は私の支配下なんですよ?」
「ご、ごめんなさい💦」
「でも、貴方の朝食食べてみたいです」
「!」
「もちろん!」
なんだか目的を得たようで嬉しかった。
「わあ……」
「どうぞ」
「和食は初めて食べます」
一汁三菜とはこういうものかと思った。
東洋を学ぶのも悪くないかもしれない。
箸の使い方は以前教えてもらったことがあるので難なく掴めた。
「どうですか?」
「すごく美味しいです」
「良かったぁ」
満面の笑みでとても満足そうだ。
そう。その笑顔が見たいんです。
「ご馳走さまでした」
「はい」
「食器は私が洗っておきますね」
「ありがとうございます」
「その後は部屋の掃除でもしましょうか?」
「はい?」
「え?」
「貴方も私と職場に行くんですよ? 」
ポカンとフリーズしていた。
以前パソコンがフリーズして口を開け放しにしていたイタリアが脳裏を過る。
「でも、もう私は…」
「私の秘書として働くんです」
「なるほど…」
「それに貴方の情報を共有しないと」
「そうですね」
お互いスーツを来て家を出る準備をしたがどうも私は彼のスーツが気に入らない。
おそらくアメリカやフランスの匂いが着いているからだろう。
そんなことを私が許すとでも?
「日本さん」
「はい」
「スーツの新調をしましょう」
「え?まだ着れますよ?」
「私の知り合いに頼むので行きましょう」
否応なしに強引に進めた。
私にとって気にくわない材料は一つ一つ取っていく。
完全に彼を私のものにするんですからね♡
「おわぁ」
「ここです」
「すごく立派な建物ですね」
「何十年も前からの老舗ですから」
物珍しさに辺りを見回す貴方は目を光らせている。
その眼差しを私に向けてほしい…
「どうも」
「こんにちわ、どのようなご要件で?」
「彼のスーツを作ってほしいんです 」
「こんにちわ」
「イギリスさんのお知り合いですか?」
「無駄な詮索は無用ですよ? 」
「おっと……失礼…」
「なら早速…」
私が希望したデザインをベースにしてもらい滞りなく進めた。
「似合いますか?」
「ええ……とっても…」
「イギリスさんのデザインはこの方にピッタリでした」
「それを見越してです」
「さすがです」
「あの…お会計は、 」
「ええっと150万です」
ひどく驚いていた。
確かにスーツにお金をかけたことはなさそうだったが、まさかこんなかかるとは思わなかったらしい。
「だ、だめですよ!こんな良いスーツ!」
「私が望んだことです」
「私から支払っておきますね」
「ありがとうございます」
「またの起こしを」
「💦(ペコリ)」
歩いていてもまだスーツを気にしている。
汚したくないらしい。
「大丈夫です」
「傷つけたくないんです」
そんなことを言っている内に国連本部へと着いた。
「(良かった…まだ他の方々はいない…)」
回りを見回している隙に手を繋ぐとすぐにこちらを見た。
「どうしました?」
「手を繋ぐ位良いでしょ?」
次に日本が言葉を発しようとした時、邪魔なのが来た。
まあ、既に勝敗は見えてますが♪
「よお!!日本……」
明るかった表情はすぐに曇天に変わった。
「なんで親父と手を繋いでる?」
「いや…これは……」
「私が彼を買収したんですよ♪」
「は?」
「日本さんは債務で首が回らなくなってたんです」
「そこで私が引き受けたんですよ♪」
「誰の許可をもらった?」
「もちろん国連さんからです」
「………」
ああ……ふふふ♪そう、その絶望した表情を見たかったんですよ。
これまで私をコケにしてくれましたよね。
今度は私があなたをコケにする番ですよ。
「…………」
「ア、アメリカさん……」
「待ってろ日本」
「え?」
「すぐ独立させてやる」
そう言い残し足早にどこかへ向かった。
「さ、私たちも向かいましょうか♪」
「はい…」
私の勝ちだ。息子よ。
コメント
7件
なんていい作品なんだ、、、 私の趣味にどストライクッッッッ!!
⁉️ネタ被りみたいになってしまった、すいません🙏😭ちらほら垣間見えるブリテソの独占欲が好きすぎます…