わんくっしょん
・御本人様には一切関係ありません
・📢×🍍
・📢🍍同棲時空
・🍍が結構ガチ目にヘラってます
・🍍、📢のキャラ崩壊、解釈違い等あるかもしれません
side紫
ガシャン!!
突然聞こえた物音に驚いて、作業していたパソコンから視線を外す。
……なつの部屋から?
時折不安にかられるらしく、可愛く俺に縋り付いてくるなつはその不安からたまに変な行動に出たりする。またその類いなのかとなつの部屋まで歩いて向かう。
「なつ?大丈夫か?」
「っ、いるまぁ…」
ノックしてからそう声をかけると、涙声でなつからそう帰ってくる。所謂“やんへら”に近いらしいなつは普段リスナーは勿論、知り合いにも見せてる姿とは打って変わってすぐ泣くし情緒不安定になって可愛くヘラる。多分今回もその類だろう。
「なーつ。入ってもいい?」
「っ、っんっ、」
なつの言葉を待ってからドアを開けると、床に座り込んで、その前にちょっとした山になるくらいに薬が積み上がって、その周りには絆創膏やらガーゼ、包帯なんかの手当道具もとっちらかっていた。
部屋のタンスが開いているから、多分薬か手当道具を取りだしたときに落としたんだろう。
「なぁつ、大丈夫?」
「っ、…い、るまぁ…」
堪えてたであろう涙をぶわっと溢しながら顔を覆ってしゃくりあげるなつに、薬の山を乱雑に退けてなつの前にしゃがむ。
「なつ、大丈夫?」
「っ、ごめっ、…ごめんっ…」
「気にすんなって。それより怪我してないか?薬は?」
しゃくりあげながら謝るなつをあやすよりも先になつの身の物理的な安全を確認しないと、とそう聞く。一応、ざっと見た感じだと怪我も、薬の空のシートも無いから大丈夫そうだけど。
「っ、っ、……、ま、だっ、…やっ、てないっ、…」
「ん、偉いな」
「っち、ちがっ、…っ」
こくこくと頷いて、泣きながら途切れ途切れに言葉を絞り出すなつに1回安堵する。とりあえず聞けて良かったと褒めると、なつは首を横に振って否定した。
「なんで?…とりあえず床だと冷たいだろ?」
「っ、…ん、っ、」
長くなりそうだと思って立ち上がり、なつも立つように手を差し出す。ぼろぼろと泣きながら俺の手を掴んで立ち上がるなつの手を引いて、いつもと同じようにリビングのソファまで歩く。
「ほらなつ」
「ん、」
すっかりなつがヘラった時の定位置になりつつある膝の上になつを乗せて、ぎゅうっと抱きしめる。身長がほぼ同じくらいのなつを乗せるのが簡単とは言わないが、困らないくらいには日々運動して鍛えている。
「なーつ、なんかあった?」
「っ、んんっ、なんもっ、なんもねぇっ」
おずおずと俺の背に手を回してきたなつにそう聞くと、俺の肩に顔を埋めたままぐすぐすと涙声で否定が返ってくる。まぁそりゃそうか。なんだかんだそれなりの数ヘラってる気はするけど、明確にこれの所為で!みたいな話はほぼ無い気がする。
どうしたらいいか、なんて考えながら、ずっと声を押し殺して泣くなつの背中を擦る。
「っ、っごめ、ん…っ、」
落ち着いたのか、顔を上げたなつがそう口にしたものの、口にしてる最中に、また瞳に涙が浮かんでくる。
「めぇっ、わくっ…ッ、かけるつもり、っなかった…ッ」
「迷惑じゃねぇって、いつもいってるだろ?」
綺麗な赤い瞳からまたぽろぽろ涙を溢しはじめたなつをまた抱きしめながら、なつをあやすように言葉をかける。
「っ、いるま…ッ、すてないでっ……」
「捨てねぇよ」
───捨てられたら生きていけないのは俺の方。
なんて自覚してないお前に言うつもりはないけど。
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