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テラーノベル(Teller Novel)
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……。……。……ん? あそこに見えるのは……まさか!?……。……。……えっ?……。……。……あれは……!……。……。……うわっ!!……痛ッ!!!……。……。……。……なんだ、今のは?……何かが、頭の中に入ってきたぞ。……何だったんだろう、今のは。……。……。……。……ふぅ。……とりあえず、これで大丈夫かな。さっきみたいにならないようにしないと。……それにしても、こんなところに来るなんて思ってなかったよ。あの人がここに来るわけないしね。……ってことはやっぱり、わたしのせいなのかなぁ。どうしよう。これじゃ、お兄ちゃんたちに顔向けできないよぉ。でも、このままだと、みんな死んじゃうかもだし……仕方ないか。ごめんなさい、お姉さん。ちょっとだけ借りますね。すぐ返しに行きますから。……よしっと。それじゃ、いってきまーす。

■ ■

「……そっか」

そう言って、彼女は小さく笑った。

「君たちは、本当に優しい子たちだよねぇ……」

そして、僕たちを抱きしめてくれた。

とても優しく、温かく……。

「ありがとう。わたしのことを想ってくれて」

僕らは何も言えなかった。

だってそれは当然のことだから。

「わたしのために泣いてくれる人がいるだけで嬉しいんだよ?」

でも、あなたがいなくなってしまうことが悲しいんです。

「これから大変だと思うけど頑張ってね。わたしの分まで幸せになってくれればそれでいいからさ。応援してるよ!」

そんなこと言わないでください。

僕はもっとあなたのそばにいたかった。

「ダメだよ。君は行かないと。君の大切な人たちを助けないと」……そうだよね。わかっているんだけど、体が動かないんだ。どうしても足が前に進まない。


「どうして? 行きたいんでしょ?」……うん。行きたくないわけじゃないよ。ただ怖いんだ。もし失敗したらと思うと怖くて堪らないんだ。失敗すればまた皆を傷つけてしまうかもしれない。それが嫌なんだ。もうあんな思いはしたくないんだよ。「大丈夫だって! 君ならできるさ!」……ありがとう。そう言ってくれるだけで勇気が出てくるよ。本当にありが―――「いい加減にしなさいっ!!」……え?

「いつまでウジウジしてんのよ! あんたがやるしかないってことくらいわかるでしょ!?」……わかっているけど、「だったら早く行きなさい!! ここで止まっていたって仕方ないでしょうが」

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