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オーバートップ

第22話 - 第24話　雨の後の決意

2025年08月19日

#公道レース

#カーレース

#首都高

狩野進也

第24話「雨の後の決意」

オープニング：カイトの病室

都内の病院、カイトの病室。藤原カイトは意識を取り戻し、ベッドで静かに目を覚ます。舞衣がそばに座り、「お兄ちゃん…よかった」と涙を拭う。カイトは体中が痛む中、かすれた声で「舞衣…俺、負けたんだな」と呟く。舞衣が「マコトのせいだよ。あいつの走りは冷酷すぎる」と悔しさを滲ませると、カイトは「いや、俺が未熟だっただけだ。トオルに…頼んだんだろ？」と微笑む。舞衣は頷き、「うん。トオルならやってくれるって信じてる」と答える。

トオルの決意

場面はトオルの自宅ガレージへ。トオルは180SXのボンネットを開け、エンジンを点検しながら舞衣からの電話を思い出す。「カイトのためにも、マコトに勝つ…絶対に」と呟く。そこへユウジがシルビアでやって来て、「カイト、意識戻ったってよ。舞衣から連絡あった」と報告。トオルが「よかった…でも、マコトとの勝負、俺がやらなきゃいけない」と決意を固めると、ユウジが「俺も手伝うよ。C1でマコトに勝つには、もっと車を仕上げなきゃな」と提案。トオルは「後藤さんに相談しよう」と頷く。

後藤との相談

トオルとユウジは後藤の自転車屋へ。後藤が「カイトの事故、ニュースで見た。」と渋い顔で言うと、トオルが「はい。俺がマコトに勝って、ケンジさんのパーツを取り戻します」と宣言。後藤は「マコトのR34はケンジのパーツで強化されてる。直線もコーナーも隙がねえ」と分析し、「お前の180SXもまだ伸びしろがある。次のステップはLSD（リミテッド・スリップ・デフ）の強化と、タイヤだな」とアドバイス。トオルが「LSDって…？」と聞くと、後藤が「コーナリングでパワーを効率よく伝えるパーツだ。マコトの4WDに対抗するには必須だ」と説明。ユウジが「俺のシルビアも調整するよ。トオル一人じゃねえからな」と笑う。

舞衣との再会

その夜、トオルは舞衣とC1のパーキングエリアで会う。舞衣が「お兄ちゃん、意識は戻ったけど…走れるようになるにはまだ時間がかかるって」と報告。トオルが「カイトの分まで俺が戦う。マコトに勝つよ」と言うと、舞衣は「ありがとう、トオル。でも…マコトは強いよ。あの雨の夜の走り、まるで人間じゃなかった」と震える。トオルは「俺だって負けない。ケンジさんの車が俺を導いてくれる」と180SXを指さす。舞衣は「私も手伝うよ。S2000でマコトの走りを観察してきたデータ、渡す」と申し出。トオルは「頼りにしてる」と握手を交わす。

マコトの動向

場面はマコトのガレージへ。R34 GTRのボンネットを開け、マコトは黙々と調整を行う。「カイトが事故ったくらいで俺を止められると思うなよ」と呟き、ケンジのパーツが組み込まれたエンジンを撫でる。そこへ松本タケシからの電話が。「マコト、トオルが本気になってるぞ。ケンジの車が復活する日が近いな」と言うと、マコトは「初代が何を言おうと、俺が帝王だ。トオルが来るなら、叩き潰すだけだ」と冷たく返す。R34のテールランプが暗闇で赤く光り、帝王の威圧感が漂う。

C1での試走と新たな試練

トオルは後藤のアドバイスを受け、LSDを強化した180SXでC1を試走。ユウジのシルビアが並走し、「コーナリングが全然違うぞ！これならマコトにも勝てるかもな」と興奮。だが、トンネルを出たところで、黒いBMW M3（E46）が突然現れ、トオルを挑発するようにパッシング。ドライバーは20代後半の男で、「お前がトオルだろ？マコトに挑む前に、俺が相手してやるよ」と言う。トオルが「誰だ！？」と返すと、男は「俺はシンジ。C1の新顔だ」と名乗り、勝負を仕掛けてくる。トオルは「今はマコトに集中したいけど…受けてやる」と応じる。

エンディング：新たなライバル

トオルとシンジのバトルが始まる。180SXとM3がトンネル内で火花を散らし、ユウジが「新顔か…C1もまだまだ熱いな」と呟く。舞衣はパーキングでS2000から見守り、「トオル、負けないで」と祈る。マコトはガレージでR34のエンジンを始動させ、「シンジがトオルを試してるか…面白い」と笑う。C1の夜景が、新たな戦いの幕開けを照らす。