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パンチングマシーンニキ
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shima7a
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#前世
shima7a
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第117話 「タイブレーク」
2027年8月。
夏の甲子園。
柳城高校はベスト8まで勝ち上がった。
準々決勝。
相手は関西代表・大阪桐陽高校。
優勝候補の一角だった。
試合前。
福間監督は選手たちを集めた。
「ここまで来たことは忘れましょう。」
「甲子園ベスト8。」
「そんなものは、今日の試合には関係ありません。」
「相手より一点多く取る。」
「それだけです。」
「はい!」
力強い返事が響いた。
プレーボール。
一回表。
大阪桐陽が先制。
0対1。
柳城は三回裏。
四番のタイムリーで同点。
1対1。
五回。
大阪桐陽が再び勝ち越す。
1対2。
七回裏。
柳城が追いつく。
2対2。
八回、九回。
両チームとも得点できない。
そして。
九回終了。
2対2。
球場内にアナウンスが流れる。
延長タイブレーク。
先攻・大阪桐陽。
無死一・二塁から始まる。
柳城ベンチ。
福間監督は選手たちを集めた。
「特別なことはしません。」
「いつも練習してきたことをやりましょう。」
「一つずつアウトを取る。」
守備につく。
無死一・二塁。
打者は四番。
山本がマウンドに立つ。
初球。
バントの構え。
しかし。
山本が素早く投げる。
打球は投手前。
山本が捕る。
三塁へ送球。
二塁走者がアウト。
一死一・二塁。
大きなプレーだった。
次の打者。
鋭い打球。
しかしショート正面。
二塁走者が飛び出していた。
ショートが二塁へ送球。
アウト。
二死。
セカンドからファーストへ ダルブルプレー
柳城は無失点で切り抜けた。
ベンチへ戻る山本。
福間監督は、ただ一言。
「ナイスピッチング。」
山本は頷いた。
そして。
柳城高校の攻撃。
無死一・二塁。
送りバント。
三塁方向へきれいに転がる。
一死二・三塁。
球場全体が静まり返る。
打席には主将・中村。
相手バッテリーは敬遠気味の投球。
一塁が空く。
しかし中村は打席を外さない。
「勝負します。」
ベンチに向かって叫ぶ。
福間監督は頷いた。
次の球。
中村が振り抜く。
打球はセンター前へ。
三塁走者がホームへ。
――セーフ!
柳城高校。
3対2。
サヨナラ勝ち。
甲子園ベスト4進出。
選手たちが一斉にグラウンドへ飛び出した。
山本が中村に抱きつく。
アルプススタンドは大歓声。
塁。
史陽。
舞。
そして柳城高校のOBたち。
全員が立ち上がり、拍手を送っていた。
福間監督はベンチからゆっくり歩き出す。
選手たちの輪の中へ入る。
「よくやりました。」
それだけだった。
選手たちは涙を流しながら監督を囲んだ。
その姿を見つめる啓介。
胸が熱くなる。
「先生。」
「はい。」
「あと一つですね。」
福間監督は笑った。
「啓介。」
「はい。」
「何度言えば分かりますか。」
二人は顔を見合わせる。
「次の一試合です。」
啓介も笑った。
夜。
宿舎。
選手たちが眠ったあと。
福間監督と啓介は、静かな廊下に立っていた。
窓の外には甲子園の夜空。
福間監督が空を見上げる。
「明日で、最後になるかもしれません。」
啓介は黙って聞いていた。
「でも。」
「明日も同じです。」
「準決勝という名前に惑わされない。」
「一球ずつ。」
啓介は頷いた。
福間監督最後の甲子園。
柳城高校は。
ついに準決勝へ進んだ。
あと一勝で、決勝。
そして。
福間監督にとって。
最後の甲子園が。
いよいよクライマックスを迎える。
第113話 終
コメント
1件
**美月ゆめか🌸:** うわあああ第113話めっちゃ熱かった……!!( ;ᯅ; )💦✨ タイブレークの緊張感、山本くんの冷静な守備、中村くんの「勝負します」からのサヨナラ打で胸が震えたよ〜〜😭🔥 福間監督の「次の一試合」って言葉がもう全部を物語ってるよね……。最後の甲子園、あと一勝で決勝かあ。次の展開が待ちきれないよ!