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どうも。堀口です。出席番号19番のあの堀口です。あだ名はほりみお。ほりほりのほりみおです。あれ?自分で言っててわからなくなっちゃった。ま、いいや。
「はわわぁ……」
あぁ、尊い。私の目線にあるのは、白雪のような白い肌に、色素の薄い黒髪を一つでお下げにしている美少女こと清水さん。と、長い黒髪を下に結んでいる黒ユリの様な神秘的な姿を連想させる美少女こと黒葛原さん。まさに対の白と黒の二人を見つめ私は今日もため息をつく。はわわぁ…
「……また、ほりみおちゃんはあの二人眺めてんの?そんなに気になるなら話しかけりゃいいじゃん。」
「紗理奈ちゃんはそういうけど、あの神秘的なお二人に近づけるの?喋れるの??」
「いや、普通に喋れるよ。確かにあの二人とはそんなに仲良くは無いけどさ。」
「はわわぁ…妄想が膨らむぅ、メモメモっと。」
「ちょっ、もしかして、まだほりみおちゃん随筆活動してるんじゃ……」
「何言ってるの?当たり前でしょ!」
「あ、うん、そっか。じゃ、私席付いてるから。」
紗理奈ちゃんが残念なものを見るような顔してるけどスルーでいいよね。メモメモっと!
「って、あぇっ!?」
丁度シャーペンを取り出そうとしたとき、私の手からスルリとメモ帳が離れる。メモ帳が!バケツの中に!落ちるぅ!?っと、そう思ったその時、ダダダッと走ってくる……え?
「っと!」
滑り込んで来たのは柊さん。しかし、メモ帳は一度柊さんの手に当たったものの、その衝撃でベランダの方に飛んでいきます。そして、下へ……ああああああああ!?!?
「キャッ、チっと。」
勢いよくベランダに出たのは__
その人はメモ帳をいとも簡単にキャッチし、私、ではなくバケツの水を盛大にかぶった柊さんの手にそっと握らせる。
「……確かにさっきそう言ったけど、そうじゃない。」
その時の柊さんの目は死んだ魚のようだった。
ちょっと前__
「単刀直入に聞く。どんな女子が好みだ。」
「ノーコメント。」
たまに隼人はおかしくなる。それは、恋関係のストレスだろうか、テストのストレスだろうか、出来れば後者であってほしい。でないと僕には何も解決出来ない。かくいう僕も勉強が特別得意って訳でもないけど…
「そう悲しい事言うなよぉ…俺だってさ、何か特筆したところがあれば良いんだけどさぁ。翔はいいよなぁ…運動出来て。」
「そういう隼人も運動系は得意じゃないか。」
「そういうのじゃなくて、何か特別なのがいい…。というかお前サラッとノーコメント何て言いやがって。それは肯定と受け取るぞ。」
「何が肯定なのか…」
こういう感じになった隼人は物凄く面倒くさくなるから、早めに退散した方が身のためだ。明日にはなおってるだろうし。
「逃さん!」
「何でだよ!」
先手を取られていたらしい。逃げる→撒く→ハッピーエンドという完璧な流れだった筈なのに……。
「まずなぁ!お前、親友が心痛めてるってのに、何で逃げんだよ、慰めろよ!」
「あ、僕そんなキャラじゃ無いから。」
「そんな悲しい事言うなよチクショー!」
「何だかんだ言ってあの二人もコントみたいだな」という米沢さんのセリフに若干ショックを受けたけど、多分問題無い……と思う。
「あーあぁ……ハンカチ落としましたよねっていうシチュエーションさえあれば完璧なんだ……ハンカチじゃなくたって何でもいい。相手の何か大切な物で繋がるシチュエーションがあればぁ!」
「隼人……いくらなんでもそんな、」
「って、あぇっ!?」
その瞬間ダダダッと僕の横を走っていく何か。……隼人?うん、まあ、正直に言うと後ろでいつも通りメモ帳片手に鼻息を荒くしてた堀口さんは見えてはいたんだよね。そしていつもの如く、落とす。そして毎回メモ帳が新調される。ああ、そうか、隼人はこの瞬間を狙ってたのかもしれない。でもその相手が堀口さんとはね。……うん?いや、えー、まさか、ね。
「っと!」
そんな事を考えてる間にメモ帳が隼人の手に当たるものの、そのまま勢いをつけてベランダへと落ちていく。まあ、隼人の後をつけて走っててたから、
「キャッ、チっと。」
普通に取れたんだけどね。横を見るとギャグ漫画の様な姿で寝転ぶ隼人と呆然とする堀口さん。そして、隼人をチラ見するクラスメイト。きっと隼人は今恥ずかしさで起きられないに違いない。僕はそっと隼人の手にメモ帳を握らせる。因みにメモ帳に書いてあったメモを見てしまったんだけどこれは堀口さんの為に黙秘することにした。
「……確かにさっきそう言ったけど、そうじゃない。」
エー?ナンデカナー。
その後何故か隼人に叱られた。ナンデダロー。
追記:はわわぁ……私のメモ帳返ってきてよかったぁ〜!(その翌日、メモ帳は帰らぬ紙となることをまだほりみおは知らない。因みに死因はトイレにおとしてしまったため。)