テラーノベル
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勇斗のマンションの一室。夜遅く、リハーサルと撮影を終えた二人は、ようやく二人きりになれた。
ソファに並んで座り、勇斗がスマホを手に取る。画面には、あのドラマのキスシーンの台本がPDFで開かれている。
「ねえ、仁人」
勇斗がにやっと笑いながら、仁人の肩に寄りかかる。
「台本通りにやってみよっか?」
「、は?」
仁人は一瞬固まったが、勇斗の目は本気だ。悪戯っぽく、でもどこか熱を孕んで。
「ほら、予告見て嫉妬してたじゃん。だったら、俺がちゃんと仁人の前で再現してあげるよ。もちろん、台本通りまでだけど?」
最後の言葉に、明らかに含みがある。
仁人はごくりと唾を飲み込んだ。胸の奥がざわつく。
「……いいけど」
その一言で、勇斗のスイッチが入った。
勇斗はゆっくり仁人の隣に正座するように体を向け、台本を読み上げるような声で。
「シーン47。夜の部屋で、想いが通じ合った二人。『好きだよ』って言って、キス」
勇斗は台本を脇に置くと、仁人の頬にそっと手を添えた。まるで撮影現場のように、真剣な目で。
「好きだよ、仁人」
低い声で囁かれ、仁人の心臓が跳ねる。
そして、ゆっくりと唇が近づく。
最初は本当に台本通り──軽く触れるだけの、優しいキス。
でも、勇斗の唇が離れる寸前で、仁人が無意識に追いかけてしまった。
「……っ」
その反応を見て、勇斗がくすっと笑う。
「台本はここまでだよ? キスして、フェードアウト」
「…………」
仁人は黙ったまま、勇斗を見つめる。瞳が少し潤んでいる。
勇斗はもう我慢できなくなったように、仁人の首に腕を回して深くキスをした。
「んっ……!」
今度は台本なんて関係ない。舌を絡めて、激しく奪い合うキス。
勇斗は仁人をソファに押し倒し、上から覆い被さる。
「でもさ、続きは…好きにしていいよね?」
息を乱しながら囁く勇斗に、仁人は小さく頷いた。
「うん。台本より、こっちがいい」
その言葉を合図に、勇斗の手が仁人のシャツのボタンを外していく。一つ、また一つ。
肌が露わになるたび、勇斗の唇が首筋、鎖骨、胸へと降りていく。
「ここ、触るとすぐ感じるんだよな」
勇斗の舌が仁人の乳首を捉えると、仁人は背を反らせて喘いだ。
「あっ、勇斗そこ…っ」
「声、我慢しなくていいよ。家だし、誰もいない」
勇斗は笑いながら、仁人のズボンを脱がせていく。下着越しに熱を確かめて、ゆっくりと手を滑り込ませる。
「もうこんなになってる……」
優しく、でも確実に扱かれて、仁人は勇斗の肩に爪を立てた。
「はぁ……っ、勇斗……もっと……」
「欲しい?」
「……欲しい」
勇斗は自分の服も脱ぎ捨てて、仁人の脚を広げた。ローションを手に取り、丁寧に準備を始める。
一本、二本、三本……指が動くたび、仁人の声が甘く高くなる。
「勇斗、もう、いい…来て」
「うん、入れるよ」
勇斗はゆっくりと腰を進め、仁人の中へ。
「んあっ……!」
熱と満ち足りた感覚に、仁人は勇斗の背中にぎゅっとしがみついた。
勇斗は最初は優しく、徐々に激しく動き始める。
「大好きっ…」
「俺も、好き…っ!」
二人の息と肌がぶつかる音が、部屋に響く。
台本のキスシーンなんて、比べ物にならないくらい熱くて、深くて、本物。
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二人はソファの上で、まだ繋がったまま息を整えていた。
勇斗がゆっくり腰を引くと、仁人は小さく「んっ……」と声を漏らして体を震わせる。中から熱が零れて、太ももを伝う感覚に、仁人は恥ずかしさで顔を背けた。
「まだ出てる…勇斗の、あつ…」
勇斗は優しく仁人の髪を撫でながら、耳元で囁いた。
「一回じゃ足りないでしょ?」
その言葉に、仁人の体がびくりと反応する。まだ敏感なはずなのに、下半身がまた疼き始める。
「…うん」
小さな肯定に、勇斗の目が妖しく細まった。
「じゃあ、場所変えようか。ベッドで、もっとゆっくりしよう」
勇斗は仁人を軽く抱き上げて、寝室へ運ぶ。仁人は首に腕を回して、されるがままに身を任せた。
ベッドに下ろされると、勇斗はすぐに覆い被さってきた。シーツの上で、仁人の手首を軽く押さえつける。
「今度は、俺が上から全部見たい」
仁人は頬を赤く染めながら、勇斗の首にキスを返した。
「見せてあげる。俺の全部」
勇斗はローションをもう一度手に取り、仁人の後ろに指を滑り込ませる。先ほどより緩んだ中は、すぐに指を受け入れて、ぬるぬると音を立てた。
「はぁっ、もうすぐ入るのに焦らすなよ…」
「焦らしたい」
勇斗は意地悪く笑って、三本指で奥を抉るように動かす。仁人は腰を浮かせて、甘い声を連発する。
「あっ、そこだめ、すぐイっちゃうから…!」
「イってもいいよ。でも、まだ本番前だから」
勇斗は指を引き抜くと、今度は自分の熱を仁人の入り口に押し当てた。
「二回目入れるよ。もっと深くまで」
ゆっくり、でも確実に腰を沈める。仁人は勇斗の背中に爪を立てて、受け止めた。
「んあぁっ勇斗、奥まで…来てる…♡」
勇斗は根元まで埋めると、動きを止めて仁人に深くキスをする。舌を絡めながら、腰を小刻みに揺らして刺激を与える。
「仁人の中、俺のこと離さない…最高」
「動いて、もっと欲しい……」
その懇願に、勇斗はようやく本格的に腰を振り始めた。
最初はゆっくり、奥を突くたびに仁人の体が跳ねる。だんだん速くなって、ベッドが軋む音が響く。
「あっ、あっ、あぁっ!?」
「仁人の声、もっと聞かせて。俺だけに」
勇斗は仁人の脚を広げて深く突き上げ、片手で仁人の熱を扱き始める。
上下からの刺激に、仁人はすぐに限界を迎えた。
「だめ、もう…イく、イくっ!」
「一緒に…っ!」
勇斗の動きが激しくなり、二人は同時に達した。
仁人は体を弓なりに反らせて、勇斗の中にまた熱を吐き出す。勇斗も奥深くで脈打たせて、仁人を満たした。
息を荒げながら、勇斗は仁人の額にキスを繰り返す。
「まだ、できる?」
仁人は潤んだ目で勇斗を見上げて、弱々しく笑った。
「できる。勇斗となら、何回でも」
勇斗はその言葉に目を細めて、再び唇を重ねる。
「じゃあ、三回目は仁人が上ね」
今度は仁人が勇斗に跨り、ゆっくりと腰を沈めた。
「んっ、熱い…」
「仁人、動いて」
仁人は恥ずかしがりながらも、腰を前後に振り始める。勇斗の手が仁人の腰を掴んで、サポートする。
「はぁ…勇斗、見てる…?」
「全部見てるよ。かわいい」
二人は夜が明けるまで、何度も何度も求め合った。
台本なんて、とっくに忘れていた。
これはもう、二人のための本当のラブシーン。
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