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孫兵:「三郎次くん、最近よもぎさんとよく話してるよね?」 (毒虫を観察しながら、ふと話しかける)
三郎次:「……別に、幼馴染だしな。」 (腕を組みながら、そっけなく返す)
孫兵:「ふーん。でも、前はそんなに話してなかったのに?」 (ニヤニヤしながら探るように聞く)
三郎次:「……うるせぇ。気にすんな。」 (少しムッとしながら視線をそらす)
孫兵:「気にしてるのは三郎次くんの方じゃない?」 (軽く笑いながら突っ込む)
三郎次:「なっ!?……そんなことねぇし!」 (顔を赤くしながら慌てて否定)
孫兵は三郎次の反応を見て、ただクスクスと笑う。
孫兵:「まあ、よもぎさんは優しいからね。大事にしないと、誰かに取られちゃうかもよ?」 (わざと挑発するように言う)
三郎次:「………誰にだよ。」 (ちょっと睨みながら聞き返す)
孫兵は意味深な表情を浮かべながら、毒虫をじっと観察していた——。
三郎次:「……誰にだよ。」 (少しムッとした顔で聞き返す)
孫兵は意味深な笑みを浮かべながら、指で小さく何かを示すように動かす。
孫兵:「さぁね。でも、よもぎさんは優しいし、気づいたら誰かの隣にいるかもよ?」 (いたずらっぽく言いながら、じっと三郎次の反応を見る)
三郎次:「……ふん。そんなこと、あるわけねぇし。」 (腕を組んでそっぽを向きながら、でもどこか落ち着かない)
孫兵はそんな三郎次の様子を見て、クスッと笑う。
孫兵:「まぁ、俺は毒虫のことなら何でも答えられるけど、恋愛は専門外だからね。」 (軽い口調で言いながら、毒虫の入った箱をゆっくり閉じる)
三郎次:「はぁ!?何の話だよ!!」 (突然大きな声を出して、慌てる)
孫兵はその反応を楽しみながら立ち上がり、「じゃあ、またね!」と手を軽く振って去っていった。
三郎次はその場に一人残り、無意識に屋根の上でのよもぎとの会話を思い返していた—。
孫兵が軽く手を振って去ろうとしたその時——
伊作:「……何か面白い話をしていたみたいだね。」 (静かに歩み寄りながら、優しく微笑む)
三郎次は驚いたように顔を上げる。
三郎次:「!?……伊作先輩……いつからそこに?」 (少し焦った様子で聞く)
伊作:「ふふっ……別に盗み聞きしてたわけじゃないよ。ただ、なんだか楽しそうだったからね。」 (穏やかな笑みを浮かべる)
孫兵はニヤッと笑いながら言う。
孫兵:「おや、伊作先輩も気になる話題でしたか?」
伊作は軽く首をかしげる。
伊作:「気になるというより……三郎次くんが、少し気にしているように見えたんだ。」 (穏やかな表情で三郎次を見る)
三郎次は少しむっとしながら、そっぽを向く。
三郎次:「別に……なんでもねぇよ。」
伊作:「……そうかな?でも、気づいているなら言っておくよ。よもぎは、優しい子だからね。」 (穏やかな口調で言いながら、見上げる)
三郎次はその言葉に少し動揺しながら、ふと孫兵の方を見る。孫兵はただ面白そうに笑っていた。
風が静かに吹き抜ける中、三郎次は伊作の言葉を胸の奥で反芻していた——。
保健委員会室で、よもぎは一人薬草の整理をしていた。静かな時間が流れる中——
コンコン
扉が軽く叩かれる音がした。よもぎが顔を上げると、見慣れない少年が立っていた。彼の手は土にまみれ、小さなマメができている。
???:「あー、ここって保健委員会室?」 (ひょうひょうとした口調で)
よもぎ:「そうだけど……?」 (きょとんとしながら答える)
???:「ああ、よかった。僕、ずっと穴掘りしてたんだけどさ……気づいたら手にマメができてたんだよねぇ。」 (のんびりした様子で手を見せる)
よもぎ:「……手袋は?」 (少し驚いた様子で聞く)
???:「ん?ああ、僕はいつもしないよ。素手の方が掘りやすいし。」 (あっさりした口調で答える)
よもぎ:「……そうなの?」 (少し呆れつつも、手当の準備を始める)
よもぎは静かに薬を塗りながら、ふと彼をじっと見つめた。
よもぎ:「あなたの名前は?」
少年はマイペースな顔つきで答えた。
綾部喜八郎:「僕? 綾部喜八郎。」
初めて交わされた名前。その瞬間から、二人の物語が動き始めた。
綾部喜八郎の名前を聞いたよもぎは、手当を続けながらふと彼の顔をじっと見た。
よもぎ:「……穴掘りって、そんなに素手でやるものなの?」 (不思議そうに問いかける)
綾部喜八郎:「んー、まぁ僕はいつもこうやってるしねぇ。道具を使うのも悪くはないけど、地面の感触を直接確かめる方が楽しいんだよ。」 (ひょうひょうとした口調で言いながら、軽く肩をすくめる)
よもぎは薬を塗り終え、手当てを丁寧に仕上げると、じっと綾部を見つめた。
よもぎ:「楽しい……?」 (少し驚いた様子で)
綾部喜八郎:「うん、楽しいよ。地面ってさ、思ってるよりずっと面白いんだよ?」 (のんびりと笑いながら話す)
よもぎはその言葉に少し戸惑いながらも、どこか興味深そうに綾部の手を見る。
よもぎ:「……不思議な人だね、綾部くん。」 (ふと口にしてしまう)
綾部はその言葉にクスクスと笑いながら、手をゆっくり開いた。
綾部喜八郎:「よく言われるよ。」 (ひょうひょうとした口調で答える)
よもぎは準備していた薬を手に取り、慎重に綾部喜八郎の手のひらに塗り始めた。
よもぎ:「ちょっとしみるかもしれないけど、すぐに落ち着くよ。」 (優しく塗りながら声をかける)
綾部はその様子をじっと眺めていた。
綾部喜八郎:「ふーん、こうやって薬を塗るんだねぇ。」 (ひょうひょうとした口調で)
よもぎ:「うん。保健委員だから、こういう手当は慣れてるよ。」 (淡々としながらも、丁寧に処置を進める)
薬を塗り終えたよもぎは、包帯を取り出して綾部の手に巻いていく。
よもぎ:「しばらくはあまり力を入れないようにね。マメが潰れちゃうと痛くなるから。」
綾部喜八郎:「ふむふむ、了解。でも僕はすぐにまた掘ると思うけどねぇ。」 (のんびり笑いながら言う)
よもぎ:「……せめてもう少し休んでからにしてね。」 (少し苦笑しながら答える)
手当を終えたよもぎは綾部の手を軽く押さえて、様子を確認する。
よもぎ:「これで大丈夫。あとは自然に治るのを待つだけ。」
綾部は自分の包帯巻きの手を眺めながら、ふっと微笑んだ。
綾部喜八郎:「へぇ……ありがとね。」
初めてのやりとり。でも、どこか心地よい空気が二人の間に流れていた。
綾部喜八郎は手当てを終えた自分の手をじっと眺めながら、ふとよもぎの方を見た。
綾部喜八郎:「そういえばさ、君の名前は?」 (ひょうひょうとした口調で尋ねる)
よもぎは少し驚いた表情を浮かべる。
よもぎ:「……私? 善法寺 蓬(ぜんぽうじ よもぎ)。」 (落ち着いた声で答える)
綾部はその名前を口の中で転がすように繰り返す。
綾部喜八郎:「へぇ、蓬(よもぎ)かぁ……いい名前だねぇ。」
よもぎ:「そう? ありがとう。」 (少し照れながら微笑む)
綾部はふと何かを思い出したように、少し首を傾げる。
綾部喜八郎:「善法寺……って、もしかして6年生の善法寺伊作先輩と関係ある?」
よもぎは静かに頷いた。
よもぎ:「うん、言ってなかったね。伊作の妹だよ。」
綾部は少し驚きながらも、特に焦る様子もなく、ひょうひょうと笑った。
綾部喜八郎:「へぇ〜なるほどねぇ。兄妹かぁ……なんだか面白いね。」 (特に深く考えている様子はなく。)
よもぎはその反応を見て、ちょっと不思議そうに微笑んだ。
綾部喜八郎は包帯の巻かれた手をじっと眺めながら、ふっと微笑んだ。
綾部喜八郎:「ふーん……なんか、不思議だねぇ。」 (ひょうひょうとした口調で)
よもぎ:「……何が?」 (少し首をかしげながら聞く)
綾部は軽く肩をすくめながら、のんびりとした口調で答えた。
綾部喜八郎:「僕ねぇ、大体の人とはあんまり話にのらないんだけど……君とは、なんとなく心地よく話せそうな気がするんだよねぇ。」
よもぎはその言葉に少し驚きながらも、穏やかに微笑んだ。
よもぎ:「そうなの?」
綾部はその問いには特に深く考えることもなく、ただゆったりとした笑みを浮かべた。
綾部喜八郎:「うん、なんかねぇ。」 (特別な意味は込めず、ただ気楽な感じで言う)
よもぎは彼のマイペースな言葉を聞きながら、どこか不思議な気持ちになる。初対面のはずなのに、確かにどこか違和感なく会話できている。
綾部喜八郎:「じゃあ、僕はもう行くよ。」 (ひょうひょうとした口調で、特に未練もなく軽く手を振る)
よもぎは彼が去っていくのを静かに見送った。そして、棚に手を伸ばして薬草の在庫を確認すると——
よもぎ:「……あれ?足りない?」
必要な薬草が思ったより減っていることに気づいた。少し考えた後、よもぎは小さく頷いた。
よもぎ:「摘みに行かないと。」
すぐに支度を整え、忍術学園の裏の森へ向かうことにした。風が穏やかに吹く夜の森——よもぎは薬草を探しながら、ふと綾部喜八郎との会話を思い出していた。
よもぎ:「……心地よく話せそう、か。」
その言葉を反芻しながら、小さな笑みを浮かべる。森の中の薬草が月明かりに照らされ、静かに揺れていた——。
穴に落ちたよもぎは、驚いたもののすぐに冷静に状況を確認した。すると、上からのんびりとした声が降ってくる。
綾部喜八郎:「あれぇ〜また会ったね。今日は君が落ちちゃったのか〜。」
よもぎは穴の中から見上げると、木の上で寝転んでいる綾部喜八郎の姿があった。手には鋤を持っている。
よもぎ:「貴方がほったたこつぼなの?」 (怒ることもなく、落ち着いた口調で)
綾部喜八郎:「だぁ~いせいかーい。」 (のんびりと笑いながら答える)
綾部喜八郎:「でも、よくたこつぼって分かったね。でも、ただのたこつぼじゃないよ。たこつぼのター衛門2号だよ。」
よもぎは綾部の言葉を聞きながら、ふっと微笑んだ。
よもぎ:「うん。ター衛門くんは可愛いね。」 (柔らかく言いながら、穴から出ようとする)
その言葉に、綾部は少し驚いたような顔をした。今まで誰もそんなことを言ったことがなかったからだ。しかし、次の瞬間、彼の口元にはほんの少し嬉しそうな笑みが浮かんでいた。
よもぎは土を払いながら、静かに言葉を続ける。
よもぎ:「今、編入してきたばっかりで、友達を増やしてるんです。友達になりませんか?」 (穏やかな笑顔で綾部を見上げる)
綾部は木の上で寝転がったまま、しばらく考えるように空を眺めた。
綾部喜八郎:「……ふーん、友達ねぇ。」 (のんびりと呟きながら、空に手を伸ばす)
そして、彼はゆっくりと体を起こし、よもぎをじっと見た。
綾部喜八郎:「まぁ……君となら、悪くないかもねぇ。」
その言葉に、よもぎは少し微笑んだ。こうして、ひょうひょうとした少年と穏やかな少女の間に、静かだけれど確かな友情が芽生え始めた。
つづく