テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
あ
16
823
「ほら、いるま。何黙ってんだよ。俺たちの名前、ちゃんと呼んでみろよ」
翔太が俺の顎をグイッと持ち上げ、意地悪く笑う。
手首を蓮に固定されたまま、俺は5人の幼なじみたちに完全に取り囲まれていた。奴らの名前を呼ぶなんて、それだけで虫唾が走る。
でも、拒めばシクフォニのみんなに火の粉が飛ぶ。
俺は屈辱に震えながら、乾いた唇をゆっくりと開いた。
「……蓮、拓海、大和、陸、……翔太」
屈辱で消え入りそうな声で、5人の名前を呼び捨てにした。
その瞬間、それまで冷酷だった奴らの顔が、一斉にパッと明るくなった。まるで新しいおもちゃを完全に手に入れた子供のような、歪んだ喜びの笑みが個室に広がる。
「あはは! 最高! ちゃんと名前で呼べんじゃん、いるま!」
陸が嬉しそうに声を上げ、俺の頭をこれでもかと乱暴に、だけどどこか愛おしむようにガシガシと撫回した。
「よくできました。やっぱりお前、あいつらといる時より俺たちの犬になってる方がお似合いだよ」
大和が満足げに目を細め、俺の濡れた目元を指先で優しく拭う。
「ご褒美、やんねーとな」
そう言ってニヤリと笑った拓海が、俺の頬を両手で挟み込み、そのまま遠慮なく唇を押し当ててきた。
「ん……むぐっ……!?」
抵抗しようにも、手首を掴む蓮の力は緩まない。それどころか、蓮自身も俺の耳元に顔を寄せ、嬉しそうに鼻で笑った。
「可愛いよ、いるま。俺たちの名前呼ぶだけで、こんなに色々されてさ……。でも、お前が大人しく俺たちのものになれば、シクフォニの奴らは一生安全だもんなぁ?」
「……っ、ふ、う……」
最後に残った翔太が、俺の首筋に容赦なく唇を押し付け、わざと大きな吸い音を立てる。
「あいつらを守るために、俺たち5人にめちゃくちゃにされる気分はどう? 嬉しくて泣いてんの?」
名前を呼んだだけで、5人が一斉に狂ったように嬉しがり、ご褒美と称したキスや愛撫が降り注ぐ。
気に入られているからこそ、逃げられない。
俺は5人の幼なじみたちの歪んだ執着の中で、ただみんなの未来のために、終わらない屈辱を受け入れ続けるしかなかった。
コメント
1件
うわ……読んでて息が苦しくなった。名前を呼んだ瞬間の、あの空気が一変する感じがすごく生々しくて。翔太の顎クイとか、蓮の「可愛いよ」の含み笑いとか、ひとつひとつの仕草に"好きでやってる"歪みが滲んでて、ゾッとするのに目が離せなかった。気に入られてるから逃げられない、って一文がもう、いるまの絶望を全部物語ってるね……。