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「あっこら!廊下は走らない!」


ハァ  ハァ  ハァ


私は何も見てない。聞いてない。


なんでだよ実采……なんで、


「おわっ!」



……のる……実!


ガバッ


「おい、大丈夫か?!」

「……え、田水くん?なんでここに……あれ、おかしいな…笑笑」

「マジで大丈夫かよ!?ここは保健室だぞ!どうした?ぶつかったのがそんな痛かったか?!」

「え、ぶつかった…?」

「覚えてないのかよ…お前、ずっと廊下走ってたらしいじゃん。周り見えなかったのか?俺にぶつかったんだよ」

「あ、ごめん、田水くんは怪我してない?」

「俺は大丈夫だよ。で、どうしたの?」

「…………実は」


私は今までの事を全て話した。


「……それは悲しいな…」

「ごめんね…なんか迷惑かけて、同性同士の恋愛とか気持ち悪いよね、」

「…………」


沈黙が気まずい。


「俺も今、同性で好きな人がいるんだ。」

「…お互い大変だね、」

「そうだな…笑笑」

「その相手、誰だと思う?」

「…………」

「その実采に告った男子。

若山柊《わかやましゅう》なんだ。」

私たちのフリージア

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