【実話】

紫陽花の雨に、君を思う

雨の午後、紫陽花畑で鼻歌を歌う少女・美咲に心を奪われた璃子。やがて二人は惹かれ合い、放課後を共に過ごす日々が始まる。だが美咲の抱える秘密を知ったとき、璃子の胸に芽生えた想いは、言葉にならないまま揺れ続ける。降り続く雨の中、璃子が最後に選んだのは――切なくも美しい、儚い恋の記憶。

忘れられない君へ

十年ぶりに幼なじみの美羽と再会した直哉。
だが美羽は「知らない」と首を振る。
忘れてしまったのは彼女だと信じる直哉は、必死に思い出を語り続ける。
けれど真実は逆――記憶を失っていたのは直哉自身だった。
十年前の夏、川で命を落とした直哉。
「ありがとう。俺を忘れずにいてくれて」
夕暮れに溶けた笑顔は、儚くも確かな存在を刻んでいた。

無に咲く花束を ＿＿＿ .

夢見がち