TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

嘘、私が月城先輩のお店で美容師をするってこと?

そんな夢みたいな話……

一緒に住むだけでもこんなに戸惑ってるのに、次から次へと気持ちが追いつかない。



「月城先輩のお店なんて……私が務まるわけないです。私は、美容師として全然まだまだ未熟で……」



「だからうちで修行すればいいんだ。腕のいいスタッフがたくさんいるから毎日練習できるし、努力すれば必ず最高の美容師になれる。それは俺が保証する。俺ももちろん店には顔を出す。そしたら……穂乃果に会える」



有り得ないような話、でも……有り難い話でもあった。だって、1人前に成長したい気持ちは本当だから。先輩の店でなら、今の環境よりももっともっと自分の腕を磨けるのは確かだろう。いろいろな新しい刺激を受けられる気がする。



挑戦してみたい――



後ろ向きだった私の気持ちが、1歩前に向かって動き出した。



「決まりだな。穂乃果の店には俺が挨拶に行く。俺のフィアンセになったことにすれば、納得してくれるだろ?   実際、いつかそうなることに間違いはないんだから」



「あの、先輩。私、まだ告白のことも、一緒に住むことも、美容院を変わることも、何一つ返事してないと思うんですけど。ましてや、フィアンセになるなんて……」



とうとう言ってしまった。



「そうだった?」



先輩は、意地悪な笑みを浮かべて、私の髪に触れた。



「とにかく、穂乃果の気持ちはこれから俺が変える。そう言っただろ?   まずは俺のところに来い。悪いようには絶対にしないから。俺は、言ったこと、したことに必ず責任を持つ。今夜のこともだ。わかった?」



今夜のことも……

さっきの出来事が頭の中に浮かんだ。

激しく絡み合った姿を思い出すと、自然に体が熱くなる。



「先輩、すごく強引です……」



「そんなに強引だと思うなら、そうなのかもな。穂乃果には……つい強引になる」



私だけに強引だって言いたいの?

本気なのか、こういうことを平気で言える人なのか、正直、出会ったばかりで本心はわからない。



でも、お互いの体を重ねたことだけは動かしようもない事実。それを、私はこれから自分の中でどう考えて処理していけばいいんだろう。難しくて、今は何も整理できなかった。



だけど、気がついたら、先輩との同居も、店を変わることも、全部OKしてしまってた。

生活……ううん、人生が一変するような大きな大切な決断なのに、こんなにすぐに結論を出して良かったのか?   それをゆっくり考える間もなく、月城先輩の強引さに、完全に引きづられてしまった自分がいた。

始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

11

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚