コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「音楽って、クリエイティブであるべきだと思うんです。でも、ミュージシャンのほとんどは自分自身になろうとせずに、他の誰かになろうとばかりしてる。幼児がヒーローの物まねをしていた頃と、何の進歩もない。俺には、さっぱり理解できないし、理解する気もないです。ヒーローと同じ服、同じ髪型、同じギター、同じ音、フレーズの一音まで……それも、ミスプレイまで! ポーズまでも同じ! それを、おかしいと思わない。そんな頭でどうして最高学府まで来れたのかが意外だし、逆に言えば最高学府に入るチェック機能に、頭脳の理解力や判断力が入っていないことが浮き彫りになるとおもいます。しかも、こんなことを俺が言っても、周りはこの通りボケッとあんぐり顔! 何か、人生に手ごたえがほしい。同じ目線で戦える何かがほしいんです」
テーブルの下の両こぶしが、小さく震えている。
米子社長は俺の言葉を最後まで聞いたあと、「君は、昔の俺に似てるな」と言った。