テラーノベル
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葛葉さん視点。
初めて血を見たのは4歳の時だった。冬の凍てつく空気の中、俺はお父様に貰った風船を持って庭を散歩していた。手に握られた青くて大きくてツヤツヤと雪の光を反射して輝く風船がなによりも特別で宝物だった。でも風が吹いて手を離した。いや離れてしまったの方が正しいかも知れない。冷たい風、離れていく青い風船、大きな音、手から落ちてくる赤い液体。 羽を伸ばしても届かなかったわずか数センチの距離、手を伸ばした先に合った薔薇が手に刺さる感覚。その全てが鮮明に記憶に焼き付いている。俺にとっては初めてのケガで痛かったのに、風船が目の前で割れてしまった、あと少しなのに届かなかった悔しさが勝ってその事に涙を流した。そんな俺を見て何を勘違いしたか分からない大人達に包帯をぐるぐる巻にされた時の事を思って笑ってしまう。俺に付き添っていたメイドが青白い顔でお父様に謝っているのが映像付きで残っていたの知ったのは最近だ。そのメイドも今ではベテランでお母様の秘書をしてるんだから人生は分からない物だな。
「んふふっ。」
『にこにこしてどうしたん?』
「ただ 人生は分かんないなってさ。」
不思議そうな顔をしている叶を見て答える。
青くて透き通っている瞳はあの日の風船よりもずっと輝いていて綺麗だ。目を触るわけにはいかないから瞼を優しく撫でてちゅっと音をたてて唇を落とす。驚いて目を見開く叶は間抜けで可愛くて愛おしい。
『ちょっと!?…えぇ///あのくーちゃんが自分から僕にキスするなんて…。』
「ほーら!良いから帰ろうぜ。」
まだ何か騒いでいる叶を置いて席をたつ。あの時、泣いていた自分に会えるなら教えてあげたい。今度はちゃんと届いたし触れることも出来ている事を。
「俺の大事な宝物。」
はい!
ここまで読んでくれてありがとうございます
今回はお題メーカーの「冬」と「風船」と「痛覚」を元に書いてみました。意味不明になったけど勿体ないから投稿します。
以上きい。でした(*‘ω‘ *)
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