ノベル初なので閲覧注意です。
【ぺっとしょっぷ。 】
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毎朝ここで目が覚める。
狭い部屋に一人ぼっち。
あったことがある人は2人。
ご飯を持ってくるひと。
僕を見ては、シールを僕と外ととの境目のガラスに貼るひと。
ここはペットショップ。
ペットはペットでも人間。
僕もペットの1人に過ぎない。毎日僕をみては貼っていくあのシールは、赤い字ではっきりと見える。
「検討中」の文字。
僕は、何度お試しに出されたか分からない。
僕をお試しするのは、いつもおじさんばかり。
僕を舐め回すように見る視線が、気持ち悪くて、怖くて、お試し先でも泣いてばかりいるから、すぐゲージに戻されていた。
あんな奴に買われる位なら、ここにいた方がましだと、そう思った。
ここに来る前、切り落とされた手足。
自分の力で立つことも、食べることも出来ない。
もう慣れてしまったけど、時々、家族や友達の事を思い出して、涙が出てしまう。
黄 「もうやだよぉ、泣」
情けなく声にしたにしたその言葉さえも、誰の耳にも届かない。
今日もまた、沢山のおじさんが来る。僕をみて、シールを貼ってくんだろう。
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ちょっとした用事の帰り、車で街を走っていたら、薄気味悪い路地を見つけた。
誰から見ても、ただの暗い路地にしか見えないだろうけど、僕は少し惹かれた。
青 「ちょっと車とめて。」
使用人に車をとめてもらい、路地へと向かった。車の中から僕を止める声が聞こえたけど、無視してぐんぐん進む。
路地のちょうど真ん中辺りに、小さいけど、綺麗なペットショップがあった。
ペットなんて飼う予定さらさら無いけど、僕は吸い込まれるように中に入っていった。
中に入ると、やっぱり薄気味悪い。
じめじめしてて、照明も暗い。だけど、誰も居ない訳ではなかった。小太りのおじさんが数人。店員さんと見れる人がレジの奥に見えた。
1番驚いたのは、ガラスの向こうにいるペットは、全部人間だった。本来なら、警察に連絡すべきだろうが、僕はこの光景をみて興奮が抑えきれなかった。
なんて素晴らしいところなんだろう。
僕は商品を見て回ることにした。
みんな顔は悪くない。でも、僕がぴんと来るペットは居なかった。仕方ない、帰ろうとすると、おじさん達が、夢中で見ているガラスがあった。奥にまだあるようだ。
青 「ねぇ、僕も見たいんだけど。」
僕が群がるおじさん達に話しかけると、僕の顔を見るなりおじさん達は顔色を変えて、店からでて行った。
あんなに食い入るように見るなんて、一体どんな子なんだろう。ガラスに目を移すと、驚いた。
なんて可愛いんだろう。
その子はとても怯えていた。なるべくガラスの奥にいこうと、手足の無い身体で一生懸命這っていた。可愛い。可愛い。可愛い。
ガラスにかつんと指で触れ、指でなぞる。
下に書いてあるネームプレートには、雑な字で「黄」と書いていた。
青 「黄、、」
小さく名前を呼ぶと、びくっと身体を震わす。
あぁ可愛い。
今にも泣きそうな大きな目を見る度、検討中と書かれたシールに腹がたった。
この子は、僕の。僕だけのペット。
青 「すみませーん。」
レジ奥の店員を呼んだ。
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開店してからずっと、いつものおじさん達が僕の身体を見てくる。
ひそひそ話すその姿に、今日こそ買われるんじゃないか、と恐怖をおぼえ、今にも泣き出しそうだった。
その視線に、ひたすら耐えていると、声がした。
青「ねぇ、僕も見たいんだけど。」
おじさん達は、その声の主を見て逃げるように店から出ていった。
それから、その人は僕の事をじっくり見た。
何を考えて居るのか分からなくて、怖くなり、後ろへ後ずさりした。
すると、ガラスを指でなぞり始める貴方。
怖くて怖くて、どんどん涙目になる。
青 「黄、、 」
いきなり名前を呼ばれ、身体を震わせる。
にやにやしながら僕を見るその目が、怖かった。
暫く僕を眺めた後、貴方は僕が1番嫌いな言葉を言った。
青 「すみませーん。」
店員が走ってくる足音が聞こえる。
買われる。頭が真っ白になった。
お願い、やめて。
続
終わり方雑ですみません。
ノベル初めてなので大目に見てください🙏
コメント
6件
最高です😭