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翌々考えてみれば…、あの二人が怪我するまで俺は何してたら良いんだ?
京夜「他に患者もいないし…」
と言ってる傍から担架を二人総出で患者が運ばれてきた。
患者「お前研修か…」
いつもと違和感を感じた様子だった。
答え合わせをするかのように虚ろな目で研修中のマークを見る。
京夜「いや…、研修中っていうか体験中ですよ」
正式な部隊と勘違いされては困るので研修中ではないが、これしか服がなかったらしく。
そう聞くと態度がガラッと変わり、患者が飛び起きた。
患者「ざけんなッ医療部隊に変わりやがッ”ゴホッゴホッ!!」
叫んだ衝撃で傷が悪化する可能性だってある。なのにそこまでして講義した理由…。
京夜「…叫ばないで下さい、怪我悪化しちゃいますよ。」
患者「チッ”…」
最後に舌打ちし、反対の方向へ向いてしまった。
そう、 この患者は当然の反応だった、 そりゃそうだろう。
自分が死ぬかも知れない大怪我をして。 治してもらうのが体験中の生徒?
向こうからしたら治せるかも定かでは無い子が自分の運命を握ってるなんてたまったもんじゃないだろう。
でもそれくらい鬼は人手不足で、鬼機関からしたら人材を教師に当てるのも惜しいぐらいだ。なら、体験という形で役に立って、技術も学んでこれ以上に一石二鳥な話は無い。
でも、戦闘部隊がそれをどう思うのかはまた別の話だ。
京夜「すみません…、最前尽くしますんで」
患者「当たり前だろ」
流石にこれ以上大声を出すのは危険と感じたのか小さい声でぶっきらぼうに答えた。
京夜「…」
…ぷつ、
俺は何も言えず、 自分の腕に輸血パックの針を刺して準備をした。
「なぁ、そんな言い方ねぇんじゃねぇのか、オッサンよぉ」
そう後ろから聞き慣れた声がした。 まさか、と思いそちらを振り向きそこにいたのは……
京夜「まっすー…」
正直、安心した。
一人で医療部隊に立って、急に言われた実践に不安を抱えながら治療して。挙句には怪我して治そうとしていた戦闘部隊に責められて。
その最中に仲間が来てくれて。
真澄「よぉ、京夜ぁ」
「なんだぁ、泣いてんのか?」
京夜「な、泣いてないって」
ゴシゴシ、と拭く俺を見て柔らかい表情を見せながらポンポンと頭を撫でた。
でも周りから見たら表情は変わってないんだろうなぁ。
京夜「まt」
ありがとう。そう言葉にしようと口を開くと同時に
真澄「ッ”…ぃ”」
あんなけ表情を崩さないまっすーが急に痛み出したのだ。
京夜「…ぁ、」
俺は仲間が来た事と慰められた安心感で何も見れてなかった。壁に手を付いてやっと立てている状態だった。
そうじゃん、まっすーはなんでここに来たのかまず考えるべきだったんだ。
真澄は足が切れ銃などで穴が空いていた。
立ってるのにも限界が来たのか力無く片手で頭を支えてしゃがむ。
京夜「まっすー!?」
そんな状況の中、戦闘部隊の先輩としてのプライドがゆるさなかったのか、まだ突っかかってきた。
患者「黙れガキが!おいお前、俺の治療が先なはずだろ!!ゴホッゴフッ」
確かに先に来たのは先輩だ。
でも、まっすーが…ッ!
患者「早くしろ!」
…そうだ、先輩だって治療が必要だから来たのだ。
京夜「…すみまs」
しかし、
この地獄の空気を崩したのは真澄だった。
真澄「はっ…自己中だな」
患者「はァ”?」