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翌日、泉くんと公園で待ち合わせて歩くこと約二十分。日下部家へと辿り着いた。
小さな洋館みたいなお洒落な一軒家。庭にはアンティーク調の動物の置物やベンチがあり、玄関までの道のりには手入れされた花のアーチと石畳が道を作っている。
「水沢さん」
泉くんが私の顔を覗き込む。
「心の準備は大丈夫?」
そう言われると少し身構えてしまうけど……もう引くわけにはいかない。
「うん」
「少し水沢さんにとっては驚くことかもしれないけど、あまり動揺を見せないようにね」
私が頷いたのを確認すると、泉くんはインターフォンを押す。
家の中にきっと歩くんはいて、学校にこない理由がここにあるんだ。玄関のドアが開き、中から水色のフリルのついたワンピースを着ている女の子が顔をだした。
「……こんにちは」
薄茶色のふわふわとした艶やかな長い髪。
そして、潤んだ大きな瞳は歩くんによく似ている。
「久しぶり、みちよちゃん。退院おめでとう」
「ありがとうございます。ましろさん」
天使のような綺麗な微笑みに思わずドキッとする。
けれど、その微笑みはすぐに陰ってしまった。
「……今日は……その」
「みちよ。状況を見てもらった方が早いんじゃないかな」
泉くんの言葉にみちよちゃんが頷き、小さなため息を吐く。
「そう、だよね」
私の目をじっと見つめると、深々と頭を下げた。
「ましろさん……お兄ちゃんのこと助けてください」
#ファンタジー
#ざまあ
設楽理沙