テラーノベル
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目を背けたくなるような、苦くて短い余生だと思った。
俺は仲間に愛され、共に戦い、脅威を排除して完璧なはずだった。
それなのに。
今の俺は、虎杖悠仁に負けている。
醜い天敵のはずなのに。惨めで弱いガキのはずなのに。
雪山に放り投げられた兎のように、必死に走り出していた。
できるだけ遠くに、虎杖悠仁に殺されないようにと考えていた。
___それも甘い妄想だったんだけどね。
ただ静かに見上げ、そっと呟かれた言葉に目を見開いた。
「 やっぱりお前は…
ぜんぶ、可愛いな。 」
「 愛してる。オマエのことは…認めたくないぐらい愛してる。 」
正気の沙汰じゃない。
こいつの前で親友や上司のような存在をもろとも殺してやった。
さらにそれを嘲笑い、あの餓鬼にダメージを与えてやったはずだった。
それが、何だよ。
今は吐瀉物を吐きそうなほどの現実になっている。
「 おうちに帰ろうな、真人。 」
赤子をあやすような甘い口調で言われ、心の底から気持ち悪いと感じた。
「 … や … や ぇ ッ … 」
ただそれだけしか出なかった。
俺の前の虎杖悠仁は、狼のように目が細まり、目の前の兎である俺を捕食しようとしている。
きっとこれが恐怖という感情。
「 暴れんなら殺すぞ 。 」
涙のようなものが流れ、いやいや首を横に振った。
必死に地面から拾った砂を投げつけたが、もうそれはただの赤子の抵抗のようなものだった。
虎杖悠仁の家の中なのだろうか。
やけに薄暗く、俺は呪力のこもった鎖で固定されていて腕が擦り切れる。
目の前の虎杖を睨みつけたが、ただのウサギの威嚇だった。
「 真人。 」
そっと近づき、両頬を掴んできた。無理やり俺に接吻をし始める。
「 ン ” ッちゅ… ひッ、 あ… 」
「 ちゅッ … は… ♡ 」
「 真人はさ、俺の事受け入れてくれるよな。 」
そっと髪を撫でられ、心の底から気持ち悪かった。
さっさと術式を使い、宿儺を突破してでもこいつの魂の形を変えてやりたいぐらい。
「 受… っ… 受け入れるわけ ねーだろ … キッショ … 」
顔面に鈍い音が響き渡り、顔面が真っ青になった。
華の様に傷口が広がっていき、初めてぼろぼろ涙を流した。
「 ごめんな。 」
それだけ告げて、何度も頬に接吻をする。
「 やめ っ … なァッ、 てば … 」
あまりの気色悪さに、胃から物が迫り上がってきた。
もう、改造人間のストックもない。吐くものなんて何もないはずなのに。
静かに、虚ろな目で口の端から胃液を垂らした。
コメント
1件
わあ……読んだ読んだ!!😭💕 タイトルの「R15ぐらい」からしてもう覚悟してたけど、ここまで重くて苦しくて美しいとは思わなかったよ…! 真人の視点だからこそ、心の奥底から溢れる恐怖と嫌悪と、それでも虎杖に弄ばれる感覚が生々しくて、正直読んでて息が詰まった😔 特におうちに帰ろうって優しく言われるシーン、愛情の形が歪みすぎててエモすぎる…虎杖の豹変っぷりがもう最高にゾクゾクする……!✨ 続きめっちゃ気になる…!!早く最新話見たいよおおお!!🔥