___来た。
何度も来た、この東京に。
俺たちは今日、とある場所で待ち合わせをしていた。
日常組の将来のために。
俺は3人から指定された場所をスマホで調べながら、東京を歩いた。
(…ここ、かな)
待ち合わせ場所はビジホだった。
(…なんでビジホ……?)
訝しむが、とりあえず受付の人に緊張しながら話しかけた。
しにがみがとってくれた部屋番号を教えてもらい、俺はエレベーターに乗る。
(……ホテルまでとるって、どんだけ話し合いするつもりだろ、)
何時間も話し合ってギスギスする俺たちを想像し、ちょっと嫌気がさす。
そんな考えを振り払い、俺は部屋まで歩き、息を吸ってからドアを開けた。
……すると。
パァン!と一際目立つ破裂音が聞こえた。
「うわぁっっっ!?!?」と、こちらも負けないでかい声が出る。
それと同時に、俺の頭にキラキラとした物が沢山降ってきた。
そして……。
「…せーのっ」
「「「日常組13周年、おめでとう!!!!」」」
「……」
「はぁあああああっ!?!?」
げんきな声と共に、見慣れた3人組が飛んできた。
「は…ちょっ、何これ!?」
「いやぁ、ちょっとしたドッキリをね!」
「ドッキリというかバックンバックンだよ!!!」
俺は3人に導かれ部屋に入る。
ホテルの部屋は、見とれるほど豪華に飾り付けして合った。
「許可は取ってますんで!」と笑うしにがみたちに、開いた口が塞がらない。
「え……日常組解散って…嘘ってこと……?」
「そうだよ、びっくりさせてごめんね」
クロノアさんが言った。
「まあ、せっかく考えてた夢シリーズだって完結させたいしね」
と、トラゾー。
「僕らで、ちょっとドッキリするサプライズを考えてみました!」
屈託ない笑顔で言い切るしにがみ。
……びっくりしていた。
日常組が終わるかもしれないと考えていたのに、そんなこと無かったという安心感。
俺は気づけば泣いていた。
「……もうちょっと、もうちょっといい祝い方あっただろ…」
「えっ泣いてるっ!?ご、ごめんなさい!怒った…?」
「っびっくりしただけだし、」
「ほんとかぁ?笑」
俺は滲む視界を気にせず、持ってきた鞄の中かばパソコンを取り出した。
「…お前らが、びっくりするようなサプライズを準備してた時に、」
「俺も、びっくりするようなサプライズ、用意してたからっ」
「えっ、なになに!?」
「まさか解散……?」
「このムードで!?笑」
俺はそれぞれリアクションする3人に見守られながら、少しドキドキしてパソコンを開いた。
そのまま、とある動画を再生する。
「「「……っ!」」」
爽やかな音楽が流れ始めた。
「……これ、曲…?」
クロノアさんがぼそっと呟いた。
そう。俺からのサプライズは『曲』だ。
イントロが爽やかに始まり、俺の歌声がメロディを爽やかになぞる。
終始爽やかなこの音楽は、俺の知り合いに頼んで一緒に作ってもらった周年曲だ。
数分間、4人とも黙って曲を聴き、そのまま爽やかな余韻を残し、曲が終わった。
「……すごい、」
「こ、これぺいんとが作ったの!?」
「感動した、」
拍手をしながら賞賛する3人に、今更ながら恥ずかしくなった。
「…ずっと前から作ってたんだ、これを、皆にプレゼントしたくて、」
「そりゃ、こんな超大作作ってたのに急に解散なんて言われたらショックだわ」
「だろ?まあ、解散する前に聴いて、って言うつもりだったけどね」
そんなことをいっていると、ふとトラゾーが言った。
「これ、皆で録って投稿したりしないの?このままでも充分いいけど」
「あー…たしかに、?」
俺はみんなに喜んで貰えればそれで良かったのだが、それもいい気がする。
「いいんじゃないですか?めっちゃいい曲だし!」
「もう周年日は今日だから間に合わないけど、後日出すのもいいかもね」
「…そこまてで言うなら決まり!」
俺はみんなの意見を聞いて、じゃぁとと頷いた。
「ちなみに、この曲の名前って何?」
しにかみかがきいた。
俺は言った。
「『39を込めた日常を』、だよ」
39 for leading.
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