アメロシとなります。自己満なのでキャラ崩壊など気にしてません。ご容赦ください。
アメリカ視点です。
【政治的煽動や戦争支持、歴史への冒涜等の意図はありません。】
…Iは一体何を考えているのだろうか。
相も変わらず随分と世話焼きな彼の顔を見つめながら考えた。彼はバスタオル越しに、既に乾いたこちらの頬を撫でる。そのまま体を隠すようにバスタオルを巻かれると。
「着替えて自分で拭け。」
先程とは打って変わって冷たくそう放たれる。彼は奥へとまた引っ込んでしまった。
何故だろうと一瞬考えるも、すぐにわかった。裸を見せたい奴なんざそうそういない。
配慮が出来ているな…なんて感心しながら。雨に濡らされた服を脱いで、渡されたバスタオルで体を拭く。そのまま彼が持ってきてくれた服を着て、脱いだ濡れた服をまだ使っていないタオルに包んだ。
何とか死守した上着の中に包んだスマホを取り出しては、
「着替え終わったぜー!」
彼に聞こえる声量で、そう呼びかけた。
奥から再度出てきた彼は、タオルに包まれた服とバスタオルを持っていく。
「座っておけ、茶でも探す。」
彼からそう言われ、大人しく近場の座布団へと向かう。
恐らく彼の服であろう、Iの体より一回り大きく、首元の落ち着かないタートルネックからは煙草の匂いがした。
煙草は苦手なのに、服に染み付いたその匂いは不思議と嫌悪感が湧かなかった。
…正直、煙草臭いとは思う。
それでも何か、心のどこかで落ち着くような匂いだった。
どちらかと言うと、同じように服から香る酒のような匂いの方が鼻についた。
彼が常に持ち歩くウォッカの匂いだろうか、ほんの少しだけするその匂いが、それよりも随分と強いはずの煙草の匂いを劈くように香る。
酒をあまり嗜まないからこんな匂いが気になっているのかな、なんて。
そんなことを考えている時、彼がキッチンの方から立てた物音に慌てて匂いを気にするのをやめた。急いで手元のスマホをいじる振りをしては、彼を待つ。
間もなく彼が戻ってくると、彼が持っているお盆には紅茶と、皿に乗った茶菓子があった。
気が利くな、なんて笑いながら。置かれたそれを食べ進め、出された紅茶を一口飲む。
…いつか、彼の思想も青色に塗り替えられるといいなと。支配欲を主軸にした考えを頭に描いては、呑気に彼の顔を見つめた。茶菓子の粕が顎についている。
と、すぐに彼が口を開く。
「…あまりじろじろと見るな。」
「…そこまで見ていたか?」
と、誤魔化すように笑って尋ねた。ああ、と彼は首を縦に振る。
そりゃあ見るだろう。いつかは絶対に手中へと収めたい国なのだから。
「んじゃあなんで見られたくないわけ?」
と、軽く彼に問いを投げかける。返答は単純だった。
「見られながら食べるのは気まずいだろ…」
彼の口からは至極真っ当な答えが返ってくる。察しが悪い男と思われただろうか?
それでも、質問を投げられて困惑した彼の顔は。実験用のラットのような、加虐心を煽る愛らしさがあった。
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