話替わり主役交代
〈我々だ短編〉
今回の主役は鬱先生だ!
夜の街、都会の光が目に痛い。
「はぁ」
スーツのポケットからライターを取り出す。今日の相手はもう疲れて眠ってしまっている。
女は好きだ。黒髪だとなお良い。
だが、僕にとっては全て玩具なのだ。
ふとベッドの方へ目をやる。彼女は昨日知り合った仲だ。どうせ明日にはもうここにはいないだろう。自分でもつくづく思うが、こんなことを始めたのはいつからだったっけな。
ふぅ、と煙草の煙を口から吐き出す。煙草は僕にとって栄養剤のようなものだ。毎日吸わなければ正気を保ってはいられない。
今まで何人の女性と寝てきたのだろう。いちいち顔も覚えていないが、
「気ぃ悪いわw」
胸から込み上げてくる吐き気を飲み込み、無理やり笑顔をつくる。
「あ、ああ、やばぃわ」
いつもとは違う。
これはいつもとは違う。
だから
「ケータイどこやっけ、、あった。」
スマートフォンの電源をつけると電話アプリを選択し、ショッピとチーノに電話をかけた。
「あ、しょっぴぃ…ちょっと家きてくんね…」
電話越しの彼はどんな表情をしているかわからないが、きっと苦笑いの表情を浮かべているだろう。
「…大先生。何があったんすか?」
もう答える気力もない。僕はそのまま床に倒れこんだ、らしい。
その後目を開けると焦った表情のショッピとチーノがいた。どうやら僕は結構の間気絶していたのだろう。
「はぁぁぁ!兄さん大丈夫ですかー!」
チーノがこちらを見て涙を浮かべた。ショッピは安心したと言うように目を閉じた。
「あ、ごめんて」
「ごめんじゃ許されないですよー!兄さん女遊びはやめた方がいいって何回も!」
怒ったように早口で喋るチーノ。
「でも、でも僕のイメージが無くなっちゃうんだもん、、」
ショッピ視点
兄さんはもう疲れている。
1ヶ月に何度も何度も電話がかかってくる。
その内容は全て同じ。
助けて
というか、家きて?の方が多いかな
その度にチーノと兄さんの家へ向かう。
そして向かった後に兄さんから言われる言葉はみんな同じ。
僕のイメージが無くなる
という
もうやめたらええのに
今日も兄さんから電話がかかってくる。そしてメールアプリを開き。
チーノ今日もやで
するとすぐに既読がつく。
じゃあ兄さんの家前集合で
いつもと同じ。
たまに怖い妄想をしてしまう。
この世界は、ループしてるんじゃないかって。
なんてね
コメント
2件
初コメ失礼致します。 文章の書き方、とても好みです。