テラーノベル
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※大幅にリメイクしました。
⚠️WW2後のアジア中心の話です。
⚠️旧国注意!
⚠️日本と日帝は別々に出てきます。
⚠️日本語がおかしいです。
⚠️史実を無視してることが多いです
⚠️カンヒュでは国として捉えてしまわれがちですが、実際は人が動かしているため、その国の全ての人が善、悪であるという解釈は避けるようお願いします。
それでもよろしければ⤵︎
結局、2人の計画は失敗に終わり、世界大戦も幕を閉じた。
しかも最悪な形で計画が終わってしまったのだ。ほぼ全世界から、嫌われてしまったのだ。もちろん、その中には東南アジアの国らも含まれていた。
そこで、日本軍も撤退を余儀なくされ、ほとんどの日本軍は東南アジアから撤退していた。
しかし、日帝の方はまだ東南アジアに残っていたのだ。
日本から独立を約束したから、その約束くらい果たしてやってほしい。
と言われたのだ。
私にも戦後処理で色々とやる事があったが、それらを全て後回しにして向かった。
私には後悔があったのだ。
なぜ自分で、東南アジアの世話をしなかったのだろうか。少なくとも、足を運んでおけば良かった。原住民の方とも、もっと積極的に話しておけばよかった。
後悔先に立たず。
嫌われてしまったのは私の責任だ。自分で起こしてしまったことは、自分の手でなんとかしようと、日本の願いに深く頷いた。
「おい、お前。」
慣れない日本語で話しかけてきたのは東南アジアの国である元オランダ領東インドだった。
半袖半ズボンで、全身が泥だらけだ。まだ未来がある青年のような顔立ちに対して、その瞳はまるで暗闇の中を見ているかのようだった。
その瞳で、彼はこちらを睨んでいる。
『どうも…』
急に話しかけられたせいか、初めに出た言葉がこれだった。
「お前、日本軍だろ」
彼は私との身長差を埋めるために背伸びをしながら顔を近づけてきた。
『あ、嗚呼…そうだ。」
「何故、ここにいるんだ?」
少し発音はおぼつかないが、日本語がすらすらと出てくる彼に驚いた。
『オランダと独立戦争をすると聞き、
応援に来た。』
「…だが、お前らは俺らに、俺らに屈辱と裏切りを与えただろう?それなのに、何故今更…… 」
『…それに関しては本当に謝りたい。もっと向き合えばよかったと思ってる。
本当に申し訳なかった。』
普段帽子を外さない自分も、この時は帽子を外し、頭を深く下げた。
自分はもっと東南アジアに何か出来ただろうに、何故あの時もっと向き合わなかったのか
と後悔しながら。
少しの間沈黙が続く。
「 おい、頭上げろよ。
別に、こっちは謝罪を求めてる訳じゃねーの。こっちの気持ちが分かってくれればいい。応援しにきたんならさ、なんか食い物くれよ。」
『 ……あ、嗚呼。
食い物か、それならこのカンパンはどうだ? 』
元々応援にしに来たのだから物資等は持っていた。
「 お、ありがとう 」
そういうと彼はよほどお腹が空いていたのか、無心に缶に入ってるカンパンを食べ始めた。
「 お前と似たようなやつ見たことあるぞ 」
そう、カンパンを食べる手を止めて話した。
インドネシア語だったが、なんとなく聞き取れた。
「 そいつは『独立を約束します。少し不器用な方で送りますが仲良くして下さいね。私と顔の模様が似てるのですぐに分かりますよ。』って言ってたがお前のことか? 」
きっと日本が言ったのだろう。
少し不器用…そうなのか、私はそんなふうに見られていたんだな。
少し笑ってしまった。
『 ああ、多分な 』
「 お前インドネシア語も話せるのか!? 」
『 いや、話せない。なんと言えばいいのか分からないのだが…まあ、意思疎通ができるだけだ。 』
国や軍は言語の壁を越え、不自由なく話せるように相手に言葉伝えることができる。
しかし、それは言語を話している訳ではなく、相手の脳が相手の言語に変換してくれるだけだ。
「 という事は、お前国なのか? 」
『 いや、軍だ 』
「 名前は? 」
『 大日本帝国陸軍だ。 』
「 長くないか? 」
『 そうだな、だから皆略して日帝と呼ぶ。 』
「 なるほどな、日帝か。よろしくな。 」
『 嗚呼、よろしくな。 』
そういって彼と握手をした。
「 そうか、ここに来た軍のやつは優しいやつもいたが…どちらかというと、あまり良いイメージがなくてな。
なんというかその…」
そこまでいうと、先程までの険しい顔とはかけ離れた優しい表情でこちらに微笑んだ。
「 お前のような優しいやつ、久しぶりにあったよ。」
『 優しい?……私がか? 』
「 嗚呼、こんな物までくれたんだ。
それに、俺の話にもしっかりと向き合ってくれた。ありがとう。 」
少し照れくさそうに笑う彼を見て泣きそうになった。私は、戦争を始めてから人々の笑顔を見ることがなかった。
私が戦争を始めた最初の、最初のきっかけは、人々の笑顔を見たい。そんな思いからだったことを、ふと思い出した。
ーなぜ、そんな大切なことを私は、忘れていたのだろうか。ー
それかは数日後、独立戦争が始まった。
食料や武器を彼らに渡しながら、
オランダ軍との戦いに直接参加をしたりもした。彼と過ごす日々はとても楽しいものだった。さらに、彼と親しくなるうちに彼の友人や地域の人との交流の輪も広がった。
意外にも、人々は私を温かく受け入れてくれた。そして、私たち日本軍にも笑顔が増えたような気がした。
戦争の結果は、インドネシア側が勝った。
まるで、自分の事のように嬉しかった。
『 おめでとうな。 』
「 ありがとう。
だが、お前のおかげでもある。お前が協力してくれたから、俺らもここまでこれたんだ。
ありがとうな。 」
日本語はまだ慣れないのか、発音に訛りがあったが、そんなことは気にせずとも嬉しかった。
『 私は国にもどる。
後は私の祖国に任せておけ。 』
「そうか…ありがとう。最後に一ついいか?」
『 嗚呼。 』
「 国に帰ったら、お前はどうなるんだ? 」
『 そうだな…。
どうなるんだろうか、私にもわからない。 』
「 じゃあ帰んなよ。俺が発展するまで俺の国で色々手伝ってくれよ。 」
『 私は戻ってくるよう言われている。 』
「 お前……、今帰ったら消されるかもしんなんだぞ。そんなの、自分から死にに行ってるようなもんだろ…。 」
『 ……君は私に優しいといったよな。
しかし、私は全く優しくなんかない。この手は汚れているし、この目で多くの涙を見てきた。
だから、その罪は償わなければならないんだ。 』
「 お前はそれで本当にいいのか? 」
『 嗚呼。
少なくとも、最後に楽しい思い出ができた。君や、君たちのことは忘れない。
それに、事が全て済んだらきっと、またここに帰ってくる。 』
「 じゃあ、約束しようぜ。
俺が発展して、日本もオランダもあっと驚かせるようになったら、またここに来いよな! 』
『 分かった、約束だ。 』
「 ほら、 」
そういうと彼は私に小指を出してきた。
「 なんだっけか。これ、お前のところの約束の印だろ。 」
『 そうだな。 』
私の小指と彼の小指を絡めて彼と約束をした。
「 またな、日帝! 」
初めて彼に名前を呼ばれた。
『 またな! 』
そういうと、彼は作り笑顔ではない、本来の笑顔で私に大きく手を振った。
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