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鷹槻れん

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鷹槻れん

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#恋愛
水無月 京
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#オフィスラブ
草原草原

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「ちなみに部長の好みのタイプってどんな男ですか?」
めげずに前傾姿勢で尋ねる氷室くんを見て、部長は盛大にあきれた顔をする。
「それってさ、本当に聞きたい相手は私じゃなくて香椎さんでしょ? 遠回りしないで直球でいきなさいよ」
そう言われ、氷室くんは苦笑いをしてしばし固まっていたものの、私のほうへゆっくりと視線を移した。
部長はというと、「ごめん、はっきり言いすぎた」と氷室くんに向かって軽い調子で謝っている。
「えっと……こういうのは照れずにサラッと聞けばいいんだよな。香椎の好きなタイプは?」
笑顔を引きつらせつつも、氷室くんは照れているように見える。
顔が赤いのはお酒のせいだけではなさそうだけれど、そんな態度を取られたら私も意味なく緊張してきた。
なぜ氷室くんが私の好きなタイプに興味を示しているのかわからない。だけど答えなければいけない流れになっているので、仕方なく私は口を開いた。
「そうだなぁ……私だけを見てくれる、とか?」
「浮気しないってこと? 当然だよな」
「あとは私って重いみたいだから、それを受け止めてくれる包容力のある人」
素直に思いついたことをそのまま口にしてみたけれど、面倒くさい私を受け入れてくれる男性はなかなかいないのだろうなと考えたら、気持ちが沈んでくる。
「重いって、誰かに言われたの? 元カレか?」
氷室くんに指摘された途端、今は無意識に加那太と真逆のタイプを想像して言っただけだと気が付いた。
浮気や二股をせず、私を重いと敬遠しない男性を思い浮かべるあたり、私はまだトラウマから完全には逃れられないでいるのだろう。
「ごめん、元カレの話はしたくないや」
「いや、俺のほうこそごめん。デリカシーがなさすぎた。でも……香椎は見た目についてはなにも言わないんだな」
たしかに私はそこまで面食いではないはずだ。
今までそう思ってきたけれど、なぜだかふと社長の顔が頭に浮かんできて、本当は綺麗な顔のほうが好きかもしれないとそれまでの考えを打ち消した。
「香椎さんは美人なんだから、イケメンを狙っていこう」
しばらく隣で黙って聞いていた部長が、冗談めかしながら両手で拳を作って私を激励してくる。
「私は美人ではないですし、イケメンと言われましても……」
「そこそこのレベルじゃなく、どうせならとびきりのイケメン。神谷社長なんてどう?」
部長は鋭いから、私が社長に恋心を抱いていると勘付かれた気がして、思わずゴホゴホとむせかえしてしまった。
視界の端に見えた氷室くんはというと、ギョッとしながら「そんな提案はしなくていいです」と部長に訴えている。
社長は誰しもが認めるイケメンだけれど、だからこそ私なんかが簡単に手を伸ばすなんておこがましい。
「さすがに無謀ですよ」とつぶやくと、部長は「そうかな?」と意味深な笑みを浮かべていた。私がシンデレラになれるはずがないのに。
週が明けた月曜日、私は本店へ足を運び、ゴルフウェアのマネキンスタンドの件を吉井店長に話してみた。
今は営業中だけれど、試しに展示台の上にマネキンを乗せてみる。すると動線がかなりすっきりしたので、それでいこうということになった。
「この前、スタンドに足を引っかけそうになったんです。ここの通路は少し狭いからお客様も危ないと思って……」
「なるほどね。たしかに上のほうがいいかな」
スマートなポーズを取った女性のマネキンは、柔らかなストレッチ素材でできた白のハイネックシャツとビビットなピンクのミニスカート姿で、サンバイザーをかぶっている。
手袋やシューズはもちろんのこと、ゴルフバッグも展示されていて、アミュゾンでの全身コーディネートも可能だ。個人的にはすごくオシャレだと思う。
「あっちの展示なんだけど、ちょっと相談したくて……」
吉井店長がレインウェアのほうを指し示して私を誘導したため、私たちはこの場を離れ、移動しながら話をしていた。
内容を忘れないように、立ち止まって手帳に走り書きでメモを取っているときだった。突如店内にガシャンという大きな音が轟いた。
なにごとかと吉井店長があわてて音がしたほうへ向かったので、私もそのあとを追う。
すると、先ほど展示台の上に乗せたマネキンが倒れて下に落ちていた。
コメント
1件
うわああ第25話めっちゃ良かった…!!😭💕 飲み会のシーン、氷室くんからの直球質問にドキドキしたし、部長の「神谷社長なんてどう?」にむせ返す香椎さんが可愛すぎて最高だったよ〜!!社長への恋心が徐々に見えてくる感じがエモすぎるんだが…?🤦♀️✨ あと最後のマネキン落下、急展開すぎて続きが気になって仕方ない!!何があったのか教えてくれ〜!!😤🔥 若葉さんの丁寧な心情描写、毎回胸に刺さります…尊い…🙏💖