「これすごいっすね」そう言いながら楽はキャラを動かすように遠距離で彼を動かす。
「もうそろ島に着くよ〜」と私は声を出すと有月と鹿島が近づきパソコンを覗き込む。
「ラグはありませんか? 」
「ないと思う。激しい運動したら話変わるけど誤差は0.5秒と言ったところ」
そうですか、と言って鹿島は楽に近づく。
2次試験の内容はしっぽ取りゲーム。
チームに別れ相手のしっぽ取る、 至って簡単なゲーム。しっぽを取られた人はその時点で死亡扱い。楽が負けるとは思わないがほんとに相手を死亡させてるような人だからなーと考えながら楽を眺める。
開始数分で楽は3人殺した。
試験官にバレていないのが不幸中の幸いだ。
「楽、いい子は居たかい?」
と有月が問いかける。
「今からっすよ」
楽はそう言いながら推薦組の虎丸ちゃんを殴る。 その奥に見覚えのある姿があった。
「な、有月〜あれお前らが欲しがってたエスパーじゃない?」
「彼も欲しいが今回の目的は違うよ」と言って再び楽の方を見る。それにつられて私も楽を見る。ここで殺気を出しても無意味なのに楽は殺気を出し始めた。
楽が加耳、勢羽、虎丸ちゃん、朝倉と戦い初めて 数分。虎丸ちゃんと勢羽は重体。加耳と朝倉の2人で楽と戦ってる。朝倉は遠距離操作してる楽思考読み取ることができない。加耳の方は今まで受け身でやり過ごしてる。
「こいつの本体は別の場所にあるぞ朝倉」と加耳が言う。バレるとは思わなかったがまーバレても対象法が無い。
グチャと音と共に加耳が地面に倒れる。
「あっ、なんで腹抉っちゃうの!」
「そうですよ、彼もスカウトするはずだったのですから」
「別にいいじゃないっすか、こいつずっと受け身で入れても面白くないっすよ」
「面白い、面白くないの話じゃないよ」
「楽、もっといい人を見つけたと考えていいんだね?」
と有月が言う、それを聞いて楽は
「見つけたっすよもう」
と回答してまた戦い始めた。
今度は
ドスンと鈍い音がした。
「有月、今度は坂本太郎が出てきたよ〜」と私が言うと
「彼も参加していたのですね、なぜ名簿の時点で気づかなかったのですか? 」
「お前さぁ、日本に何億人の坂本太郎が居るか知ってるか?しかもこいつ太郎だけで登録してたんだぞ、流石の私でも数億人情報は把握してないよ」
数秒後
ザザザザと砂嵐の音がした。
「あっ、楽お前もしかして壊した?!」
「坂本の攻撃食らったら壊れた」と坂本のせいにする。
「ま、いいや」
「ボス2人居たっすよ、使えそうな奴」
「では京にここまで連れて来てもらいましょ」
「誰かさ、ジュース3つ買って来てくれない?」
「私が買って来ますよ味は? 」
「グレープ2つとコーラ1つで」
「鹿島さん俺も」
「仕方ない方々ですね、有月さんは何か飲まれますか? 」
「大丈夫」
鹿島さんが飲み物買う為に外に出て行った。
その数分後ヘリが到着した。
「どこだよここ」
そう言うのは勢羽真冬。楽が見込んだ子だ。
私より年下だが私よりは強い。そんな勢羽に近づき京が
「突然連れて行かれた知らない場所、周りには知らない人たち。彼らはどうやってここから脱出するのか?!」
そう急にビデオを回しながら喋る。彼は映画を撮るのが趣味。それはどんな状況でも必ず撮る
それが自分が死ぬかもしれないって瞬間でも撮ってるイカれた人だ
「死ね、」そう勢羽は一言だけ京に言う
「でけぇ口叩くのも今のうちだぞぉ」そう言うのはリーバ。声が四六時中枯れていてる男。
「うるせ、モブの声が入るだろ」その一言が癪に触ったらしくリーバは京を蹴る。巻き込まれないように私は数歩後ろに下がる。
「もういいかい?」有月がそう言うと2人は距離を取って睨み合ってる。
「兄ちゃんぶつなら僕をぶってよ。
僕がみんなの前で酷い拷問を受けてる所を
カナグリさんが撮れば丸く収まると思うんだ」
そう言う彼はクラブ。マゾだ。正直苦手彼のことは苦手。リーバのこと兄ちゃんと呼んでるが2人が本物の兄弟かは1ミリも興味無い。
私は鹿島に買ってもらったジュースを渡す為に2人に近づく。
ジュースを渡すが飲む気配がない
「毒とか入れてないよ」私がそう言っても信じきれてない。目で“毒味しろよ”と言いたげそうにこちらを見てる。だから私が持ってるジュースを2人の前で飲んだ。
「ほら、毒入ってないでしょ。あっもしかして苦手な味だった?それはごめん」
「毒入ってないなら飲む」と言って勢羽が飲み始めた。それにつられて虎丸ちゃんも飲む。
「ちょっとは落ち着いたでしょ?」
私がそう二人に問いかけると2人は頷いた後に
「あんたも誘拐されたんか?」と聞いてくる
「いや、あーどうだろ最初は誘拐かも?」と曖昧な答えに対して虎丸ちゃんが
「最初はってなに? 」と聞く。
どうせ2人も仲間になるんだしと考えあったことを喋った。それを聞いていた勢羽がオーダーの話に食いついた。それはもちろん知っていた
2人がここに来る前に大体のことは調べてる。
勢羽真冬、14歳。年の離れた兄が1人
母は幼い頃亡くなった。そこから父は2人を
オーダーにする為殺し屋にさせた。兄の勢羽夏生は武器作りを得意としてる。そんな兄の武器を勢羽真冬は好んで使用してる。それと異常なほどの潔癖症。
虎丸 子供の頃に坂本太郎に助けてもらったのがきっかけで殺し屋になった。戦闘技術は申し分無いが経験が足りていない。足りていない経験を力でカバーしている。
私が喋り終わりと有月が
「君たち2人にはここで死ぬか、仲間になるか
2つの選択がある」と問いかける。
数秒の沈黙の後先に口を開いたのは虎丸ちゃんだった
「仲間になるよ」と有月に言った。
勢羽はまだ黙ってる。また数秒の沈黙。
「俺はオーダーになる為に殺し屋になったんだ!クソ兄貴もクソ親父の期待に応える為に今JCCに居るんだぞ!!」と叫んだ。
その一言で場の空気が冷たくなる。ここに居る連中は全員オーダーの敵。そんな中オーダーになりたいなんって叫んだ勢羽は全員を敵に回した。
「死を選ぶのですか?」
と鹿島が聞く。それには答えなかった。
そんな勢羽に有月が近づく。殺気を出しながら
その殺気に押され勢羽はその場から動くことが出来なかった。有月は勢羽の耳元で
“君の兄も父も殺すことができるよ。正しい選択を選んで”と言って離れた。
その言葉に勢羽は泣きだした。さっきまで威勢がよかった人が今ではワンワン子供見たいに泣いてる。まっ実際子供か、と思いながら勢羽に近づきティッシュを渡す。それを受け取って勢羽は涙を拭いて少し落ち着いた。
「さぁ君の答えは?」と有月が再度問いかける
「仲間になるよ…」と小さく勢羽が答えた。
私は何故か無意識に勢羽の頭を撫でてしまった
「あっごめん、無意識だった」私がそう言うと勢羽は別に気にしてないと言ってので撫で続けた。
「仲間になるんだし自己紹介するね、私は月好きに呼んで。で、あっちにゲームをしてる人が君たちを殺しかけた犯人の楽」
「言い方悪ぃぞ〜」と奥から楽が反論する
「別に間違えてないじゃーん、あそこに居る目に包帯巻いてるのはリーバ。その近くに居る眉毛が文字のやつはクラブ。手にカメラを持ってるのが君たちを攫った京。鹿の被り物してるのが鹿島で、全身白の白い髪の人が
有月、ここのボス。」
「偏った自己紹介ですね。それとこの被り物は鹿では無くトナカイです。間違わない出ください」
「どー見ても鹿じゃん。名前にも鹿が入ってんじゃん!」と軽い口論になってしまった。
「俺らは仕事があるからここまでだぁ”」と言ってリーバとクラブが出て行った。
「私も昨日の続きがありますのでここで失礼します。」鹿島が出ていく。
残ったのは有月、楽 、勢羽、虎丸ちゃんと私の5人。
「虎丸ちゃんは坂本太郎が好きなの?」と
私が聞く。
「もう担降りしたよ」
「担降り、笑 なんで?」
「太った姿を受け入れられなかったから」
「プハッ笑 何その理由、ちょーウケる笑笑」
と想定もしていなかった回答に笑ってしまった
しばらく虎丸ちゃんと談笑していると勢羽が近づき
「なーあんたクソ兄貴のこと知ってるんか?」と聞いてくる。
「あー君のこと調べるついでに調べたよ」と私が言うとふーんと言って隣に座った。
おそらく楽と有月が怖いから1番まともな私の近くに来たかったんだろうと勝手に考えていた
「勢羽はここ汚いけど耐えられるん?」
「無理。」と直球に言ってきた。それが面白くまたツボってしまった。
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