元々別に楽しいキャラじゃなかった。
このアイドル事務所に入ったのも本気じゃなかったし。
ダンスも歌も、大好きってわけじゃない。
母親が遊び半分で出した履歴書がたまたま審査に通っただけ。
この事務所に入って1ヶ月。
歌もダンスも安定してきたため今日から相方探しが始まる事になった。
俺以外に18人。俺を入れて19人。この中にはモデル活動などで世間的に人気な奴もいる。
俺はフードを深く被って目元が見えないようにしている。
他のメンバーが楽しそうにしている所を遠目で眺める。
ぼーっとしていたら後ろから声をかけられた。
「なぁ、お前あっち行かへんの?」
その顔はあまりテレビを見ない俺でもわかる。シャオロンだ。
「別に、お前も行ってへんやん」
そういうとシャオロンはうっすら笑って
「俺はお前と組みたいねん。お前、なまえは?」
って言った。正気かコイツ。
「ゾムや」
俺はマジかって顔をしていたのかシャオロンが少し嘲笑ったような顔をして
「その顔ブッサイクやで、大勢の前ではやめとけよ。ww」
は?こんな性格なんコイツ。
「で、俺と組んでくれるん?」
少し考えたが多分コイツ以外に俺と組んでくれる奴はいない。
そう判断して「ええで」の3文字を送った。
するといつもより輝いている笑顔で「よしゃ!名前何にする?」
って返してきた。それは今じゃないだろ。
「明日、各自でいい案決めてこようぜ」
と提案した。簡単に了承してくれた。
今日は一旦解散という事で今日の会議は終了に至った。
家に帰って相方が決まったことを発表。それがシャオロンだ、と言ったら母親は泣き崩れて喜んだ。
飯がすごく豪華になった。
うまかったがすごく重かった。
久しぶりにはしゃいでしまった気がした。
早めに自分の部屋に入ってグループ名の案を決める。
母親の趣味の花言葉を使って創るか。
協力。ええやんこれ!ランタナの花?
Lantana the Rain
あ、レインは皆を晴させたいって意味。
これ、いいかも。
よし、今日は寝よう。
また明日シャオロンと話し合おう。
コメント
2件
設定からもう好きです! フォロー失礼致します!m(*_ _)m
おもっ...おもれぇ!?!?