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yukino
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#生徒会
桜瑠璃(3代目)高浮上
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以下の文を読んでから先に進んでください。
・無断転載、拡散、コピペは全て禁止です
・似てる誰かかと思って読んでください
・全ての方に関係ございません
・この界隈はnmmnだということをしっかり自覚してください
・nmmnのルールなどを確認してから読んでください
多いと思いますが、界隈を守るためにも必要なことです。それらを守ってお楽しみください。
🍌🍆
生徒×教師
それでもいい方はどうぞ
・ ・ ・
「ねぇ先生。仮交際、しませんか?」
「カリコウサイ?急になに…?」
「正式な交際が怖いなら、仮から始めるんですよ。先生が、俺の覚悟を信じられるようになるまでのお試し期間です。」
突然そんなことを提案する俺に、先生は素っ頓狂な声を上げて困惑を隠せていないが、無視して話を続ける。
「教師から生徒に手を出すのがダメなら、生徒から教師に手を出したらいいんですよ。」
「話が見えないんだけど、なんだその屁理屈!?」
「屁理屈でもなんでもいいんです。それより先生と俺は早くデートに行きたいです。」
「はぁ!?で、デート!?」
さっきまで泣いていたせいで目尻を赤くして、キャンキャン騒いでる先生を見るとなんだか面白くて、必然的に笑いが込み上げてくる。
「先生が仮交際を認めてくれないんだったら、俺が今ここで先生にキスして大声で叫びますよ?『ぼん先生に襲われましたー』って。」
「おまっ…それ脅迫だぞ!?」
青ざめてワタワタしてる先生に、俺はとびっきりの笑みを向けた。
「笑顔こわっ…ほんとに優等生かよ…」
「俺が優等生なわけないじゃん。好きな人を手に入れるためなら、何でもする悪い生徒ですよ。」
・ ・ ・
「で、一段落したところでアレなんですけど、仮交際の返事、ちゃんと言葉で聞きたいです。」
そういや曖昧なまま話が進んでいたと思い出し、先生に改まった顔で話を持ちかける。
何となくで聞いたつもり。返事はわかってるから。
「……ばか。今までの話の流れでわかんなかったのかよ。」
「分かりません。先生の口から、はっきり言って欲しいです。」
素直じゃない先生。
生徒の目の前で泣いて本心ぶちまけたんだから、もう全部開き直ったらいいのに。
…なんてことを言ったら、怒られて返事が変わってしまうので心の中で留めておいた。今は待つだけ。
「仮だぞ!?変なことしたら終わるからな!?」
ふん!とそっぽを向いて、ぶっきらぼうに放たれた言葉は、先生なりのイエスだった。
胸の奥が一瞬で、熱い歓喜へと変わっていく。
勝利を確信し、先生との距離をさらに詰めようとした、その時だった。
カツン、カツンと廊下から足音が聞こえてくる。
先程まであんなことがあったため、机が傾いたり、先生のネクタイや襟が乱れている。
あくまで放課後の勉強なので、万が一あんなことがあったとバレてしまったら大問題だ。
青ざめた先生とふたりで、大慌てで机や服の乱れを整えた。
直後、ドアをガラリと開けられて、そろそろ施錠の時間なので帰ってくださいと言われてしまった。
ふと壁時計を見ると、もう6時近くだった。
いくら6月とはいえ、日は沈みかけていた。
研究室を出て窓を見ると、空が真っ赤に染められており、地平線の近くでは赤と青が混ざりあって、綺麗なグラデーションを作っていた。
ふたりで、誰もいない静かな廊下を歩く。
そうしていつものように校門まで見送ってもらう。
…はずだった。
少し先を歩いていた先生が、急にピタリと立ち止まり、後ろに振り返ると俺に話しかけた。
「ね、おんりー。」
「なんですか?」
「俺の車で帰る?もう暗いしさ。」
「えっ」
「何そのバカっぽい声」
唐突にぶち込まれる爆弾に、目の前でくすくすと笑う先生の声なんて、耳に入らない。
まさか、先程まで教師と生徒の関係や、世間体を気にしていた先生が、車に乗せてやるなんて!?
仮交際を始めた瞬間から、些か積極的になりすぎではないだろうか。
ぶわっと顔が熱くなるのが自分でも分かり、鼓動が早くなる。
「そんなんで顔赤くなっちゃうの?」
無言で顔が赤くなっていく俺を、キョトンとしながら目をぱちくりさせた後、可愛いとこあんじゃーんと先生は楽しそうに呟きながら、俺の肩をバシバシと叩く。
肩の痛さも気にならないぐらいに、車内という逃げ場のない密室での2人きり…というシチュエーションに、俺はあんなことやこんなことの妄想に脳が支配されていた。
・ ・ ・
「ごめん、ちょっとタバコくさいかも…」
おんりーを車に乗せてやると言ったはいいが、休み時間などで車内でタバコを吸うせいで、今まで気にしていなかった匂いなどを気にしてしまう。
未成年には良くないかな…と思って心配していたが、こいつはそんなの気にしないとばかりに、俺の車内を好奇の目でジロジロと見ている。
「…見てて面白いのなんてある?」
「いや、特にないんですけど、なんかぼん先生っぽいなぁーって。」
「なんだそれ」
おんりーの変な回答に笑いが漏れ出てしまう。
1時間弱にして、まさか仮だが付き合うことになるなんて、夢にも思っていなかった。
年下…しかも生徒の前で泣いて、なんだか吹っ切れてしまった。
本当にあいつは、1度狙ったら逃がさないハンターだ。油断した隙に、いつの間にか自分の身が喰いちぎられて、そのままあいつのものにされてしまう。
チビで可愛い顔してるくせに、独占欲と野望だけは凄まじい。
前に、心の半分ぐらいつかみ取られているなんて思っていたけど、半分だけじゃなくて全部いつの間にか掴み取られていたんだ。
そんなことを思い耽りながら車を運転する。
フロントガラスの向こう、流れていくキラキラと光った街灯や街並みが綺麗で、所謂ドライブデートってもんを想像してしまい、俺も末期だなと思う。
車内に流れる、そんな物静かな時間。
「先生…俺たち、仮でも一応交際してるじゃないですか。」
「まあ…そうだけど」
「やっぱり、キスとかします?」
「っは!?」
突拍子もや悪びれもなく言うおんりーに、いやいやしねぇよ?と突っ込む。いくら交際とはいえ未成年とキスはまずい。流石におんりーも無理だとわかっているのか、そうですか…と呆気なく食い下がった。
「じゃあ手を繋ぐのはどうですか?」
「お前さっきの話聞いてた?」
「当たり前じゃないですか」
「じゃあより一層ヤバいよ」
「いいから教えてくださいよ。手を繋ぐのはいいんですか?」
今ここで答えないと、また前のように脅迫されそうだ。しかし手を繋ぐとかいう微妙なライン。
手を繋ぐ…普通のことなんだが、立場が立場なだけで、判断が難しい。
うーんとしばらく悩んだ末、いいよ…と言った。
「やった」
新しいおもちゃを買ってもらった子供のように、おんりーが喜ぶ姿を見て、手を繋ぐだけでこんな喜ぶなんて、キスなんてしたらどうなるんだろう。とぼんやり考える。先生左手貸してくださいと言われ、ちょうど赤信号だったので、左手を出すと指を絡め取られてギュッと握られる。
言わば恋人繋ぎと言うものである。嬉しそうに、何度も何度と手を握るおんりーを見て、まあいいかとなってしまった。
「ぼん先生…お願いがあるんですよ。」
「さっきの話の流れからして嫌な予感しかしないけど聞いてやるよ」
車がまた信号に止まった時。おんりーは窓の外を見ながら話しかけてきた。
「俺、体育祭のリレーのアンカーになって、プレッシャーで押しつぶされそうなんですよ。みんなから、スピードスターって持て囃されたけど、なんだか期待通りに走れる気がしなくて。期待しないでよって思ってたんです。でも、先生だけには期待して欲しいんです。」
ぽつりぽつりと漏らす思い詰まった声に、あいつも色々背負うもんがあるんだと知る。そういえば、おんりーがアンカーに決まった日、おんりーの質問に、逃げるように曖昧に返した覚えがあった。
「先生が期待しちゃっていいの?」
「かっこいいところを見せたいんです。だから、もし俺がリレーで1位をとったら、その…キス、しませんか?」
窓の外からの光に照らされた瞳で、上目遣いに可愛い皮を被ってオネダリされる。こういう時にだけ、年下を出すのはズルいし卑怯だと思う。
キスはさっきも言ったが、未成年相手なので絶対良くない。しかし、部活や活動としてのモチベーション向上と思えば、いいよと言うのがいいんだろう。
…そして、早く仮の関係から進展させたいと思っている、俺のためにも。
「しっかたねぇなぁ!いいよ!好きなだけキスしやがれ!」
「ほんと?」
「男に二言は無い!だけど、1位取れなかったらキスはお預けだからな?いい!?」
「任せてください。先生が俺を見てくれるなら、俺はいくらでも早く走れます。」
信号が青になり、アクセルを踏んで車は動き出す。
アンカーに決まった日よりも、生き生きとした顔をしたおんりーは、嬉しそうに笑っていた。
…俺は、このとんでもない肉食獣に火をつけちまったかもしれない。
しかし、バックミラーに写る自分の顔は、柄にもなく頬が緩んでいるのを、はっきりと写し出していた。
・ ・ ・
「ほれ、着いたぞ。」
「ありがとうございます。」
おんりーの家の近くにある、大きな公園の駐車場で降ろしてやる。
「明日も元気でこいよなー」
「当たり前じゃないですか。先生に会うため。」
「っ…お前なぁ」
サラリと気恥しいセリフを言うおんりーに、こいつこんなキャラだったけと思いつつ、ハンドルを握る手に力がこもり、顔が火照っていくのが自分でもわかって悔しい。
「あ、そうだ。LINE交換しましょ」
そんな俺を見てくすりと笑ったあと、スマホを取りだしてきて画面をこちらに向けてくる。
教師と生徒が私的にLINEなんて交換していいのか?と一瞬頭によぎったが、LINE交換どころか、仮交際なんていう一線を超えた関係になっているので、もう今更か。と潔く開き直り、QRコードを出して交換に応じた。
「先生のアイコン、ナスの写真なの?」
「ナス好きだからさ」
「ふーん…」
「…なんだよその、いい情報を知れたみたいな反応は…」
「ふふっ、別になんでもないですよ。もっと変なのかと思ってたんで。」
おんりーのアイコンを見てみると、どうやら飼い猫の写真であり、見ててとても癒された。
あいつが俺のナス好きを知ると同時に、俺もあいつは猫派な情報を手に入れた。
どこで使うかは分からない。
「そんじゃ、気を付けて帰りなよ?」
「先生もね。明日、学校で」
お互いに軽く手を振って、おんりーが夜の闇へと消えていくのを見送る。
1人になった車内は急に静まり返り、一日の疲れがドッと押し寄せてきた。
今日はなんだかものすごく疲れた。主に心が。
ジェットコースターに乗せられているようだった。
しかし、良い日でもあったと思ってしまう。
ハンドルを握って車を走らせながら、心の中で密かに9月の体育祭を待ち望んでいる自分がいた。
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