ローレン・イロアス
( 今回は 、登場しません 。
アクシア・クローネ
( 今回は 、登場しません 。
~
叶
葛葉
配信が終わり、ソファーにもたれ掛かりほっと一息をついてたとき。
“ 新人さんがデビューする ” と、マネージャーから当然メールが飛び込んできた。
つい先日オーディションもあったし、デビューする事は知っては居たが、折角メールをくれた訳で仕方がないから、どんな子ですか?、と適当に変換で出てきそうな、返事を送る。
すぐに既読が付くと、見覚えのある写真とその少年の名前だろう、ローレン・イロアスという文字が同時に送付られている。
その写真をタップすると、以前居酒屋で見掛けた、女々しくて綺麗な顔をした、赤髪のあの青年が写っていた。
『 この子、、ローレンっていうんだ。 』
ローレンという少年は外国の方なのだろうか。だから居酒屋でも、あのように人と話せていたのか。と思うと納得が行いく。
マネージャーは、話を途切らす事はなくどんどん話しは進んでいく。
マネージャーが連絡してきた目的は新人がデビューすることを伝えるためではなく、明日は新人さん達が事務所に挨拶に来るらしいので僕も来ないか、という事らしい。
こんな機会は滅多にないだろうし、ローレンという子にも一度ちゃんと話す場が欲しかったから丁度いいとと思ったので、行きます、とだけ伝え返事も待たずにスマホを閉じる。
そして僕は眠りについた。
翌日、ピピ、と部屋に響き渡るアラームの音で目を覚ます。
12月の冷たい空気に、冷え込んだ部屋。とてもではないけれど、ベッドから出る気持ちにはなれない。
しかし、今日は事務所に挨拶をしに行かなければならない重たい身体を、よいしょっと、起こして、モコモコとした毛布にくるまったまま、のそのそと足を引摺りながらリビングへ向かう。
リビングへ着くと、キッチンへコーヒーを飲もうとペットボトルに入った天然水をヤカンへと注いで、カチカチとお湯を沸かす。
お湯が沸騰する間に昨日きた洋服やタオルを洗おうと洗濯機を回す。
丁度お湯が沸騰した音が聞こえた。コップにお湯と牛乳を、4:1の対立で注いで行く。
猫舌ですぐに飲めない為、冷ましている間に今日事務所に着ていく服を選びに自室へ向かい、クローゼットを開く。
今日のコーデは、
白色のタートルネックのニット、黒色のラフな感じをしたダメージジーンズ、茶色のブーツ、黒いコート、黒に近い色をしたグレーのマフラーを、手に取る。
数個の銀色をした指輪と、同色のネックレス。普段は相棒の葛葉が、香水が嫌いな為付けられないが今回は僕1人な為、Diorの香水を選ぶ。そのあとは洗面台に行って、寝相でボサボサになった髪の毛を濡らして、ドライヤーをかける。最近気になって買った新しいヘアオイルを付けて前髪はヘアアイロンでセットして、後ろ髪はゴムでクセが着かないように軽く結わく。
準備を終えたあと、冷ましていたコーヒーを口に運ぶ。暖房も効きき始め部屋が先程より生活しやすくるぼとに暖かくなってきた。
『 なにか、差し入れとかいるかな… 』
家を出るまで30分の余裕があり、テレビで自身の配信の切り抜きを観ていた時にハッと、思いつきいた。事務所に流石に手ぶらで挨拶に行くのは失礼かな、と思ったので家を早めに出て差し入れを買いに行くことにした。
先程選んだ、コートとマフラーを身に付けてから、Diorの香水を髪の毛、手首に少し付ける。それから、トートバッグにハンカチと財布、その他諸々を詰め込む。戸締まりをしたことを確認してから玄関に鍵をかけて、ショッピングセンターへ向かうことにした。
僕の家は、意外と駅近にあり交通機関も整っている。平日の朝9時は丁度通勤、通学で電車が混んでいる時間帯で、駅に向かって歩く社会人と学生が多くいた。
その中で満員の電車に乗るのには抵抗があったからタクシーの停留所も空いていたこともあり、タクシーで向かうことになった。
『 ここに、向かってください。 』
タクシーの運転手にスマホの画面を見せて行き先を伝えると、後部座席の扉がゆっくりと開く、タクシーに乗り込むと同時に葛葉から電話が掛かってきた。運転手に電話をしてもいいか、と承諾を得てから葛葉の電話に出た。
『 もしもし、葛葉?どうしたの? 』
『 あ、叶?今どこにいんの? 』
『 今は、タクシーでショッピングセンターに向かってるよ 』
『 あね?俺事務所に向かってンだけど 』
『 あ、葛葉も?僕あの差し入れを買いにいってて 』
『 うわ、お前偉ッ!! 』
『 もし先ついたなら、ラインしてよ。そしたら僕も急いでいくからさ 』
『 あいよ、じゃな。 』
『 うん、あとでね 』
その言葉を後にして葛葉との電話を切る。ショッピングセンターまでおよそ車で30分ほど、そろそろ着く時間だろう。外を眺めると大きな建物が見えてきた。目的地のショッピングセンターだ。少し混んで渋滞してきた為、ここで降りますと、途中で降りることにした。運賃の3000程をスマホで払ってタクシーを降りる。そのから徒歩でショッピングセンターへ向かう。
ショッピングセンターに入ると、まだ朝にも関わらずたくさんの人が行き交っていた。差し入れと言えばゼリーや小分けお菓子だろう、だがここのショッピングセンターの一階には僕の大好きなケーキ屋さんが備わっている。そこは人気店でもあるため早く来ないとものすごい行列に並ぶことになるし、最悪並んだのに売り切れてしまう事もある。
僕のおすすめは、カスタードの味が強く、とろっとろのプリンほろ苦いカラメルが美味しいカスタードプリンと、しゅわしゅわとした生地に、甘さが控えめな生クリームのシュークリーム、しっとりと柔いく、半分にすると中からとろりとチョコレートが溢れてくるフォンダンショコラが甘いのが苦手な僕でも安易に食べれてしまうほど魅力的だ。その分1つの値段は450円~650円と高めだがそれだけのお金を払って食べるだけの価値がある。
意気揚々と、店舗に向かうと先程ショッピングセンターが開いたにも関わらず既に店の前には10名ほどの列ができていた。列の最後尾に並びレジの順番を待つ。早めに来て良かったと、心の中でホッと、ため息をつく。
嬉しいことに、列は順調に進んでいく、そしてとうとう自分の番が回ってきた。僕が頼んだのは、
カスタードプリン、シュークリーム、フォンダンショコラ、各々15個ずつと、紅茶の茶葉を注文した。たくさん買ってしまったため会計は合計で一万円を容易く超えた。会計を済ませてレジの店員から大きな紙袋を3つ受け取るとすぐに事務所へ移動する。
事務所までタクシーで向かい、1時間程で事務所へとついた。マネージャーに連絡をして、案内された部屋へと足を運ぶ。
部屋の扉を開けると、そこには新人であろう観たことのない子達が椅子に座っていたが、僕が扉を開け、パッチリと目が合うと勢い良く立ち上がり元気な挨拶をされた。すこしびっくりしたが、明るいなっと微笑ましく思い、ふふ、と笑いかける。
『 これ、差し入れだから皆で食べてね 』
『 えぇ、いんですか?!ありがとうございます! 』
赤髪できゅるきゅるとして愛らしい見た目をした女の子、外国人の様に綺麗で整った顔をし畏まった緑のスーツを羽織っている男性、博士のような服装をして胸元に不思議な生物を抱えている不思議なオーラがある男性、またローレンという少年同様女々しい顔立ちをしていて笑った顔も好印象だ。この子達は皆エデンという所から来たらしい。
部屋中を見渡してもあのローレンという少年は見当たらない。今日は来てないのかなと、踵返そうと、したとき後ろから声を掛けられた。
『 あの~、すみません。 』
『 ぁ、いた!! 』
『 え、、、俺何かしました? 』
ついローレンに出会った瞬間大きな声が出てしまい、すぐに口を塞ぐ。そのせいで楽屋もシーンと、何があったのかと戸惑っていた。自分のせいで乱れた空気をどうにか変えようと、質問を問いかける。
『 ローレンくん、、? 』
『 ぁ、ローレンです。 』
『 僕は叶です。宜しくね 』
『 え!?叶さん?! 』
最初は僕だと気づかなかったんだろう。眼鏡とマスクを付けてた事もあり、葛葉の様に毎日一緒にいたり、しないとわからないだろう。もしかしたらエデンの子達も僕のことをスタッフだと思ってたかも知れない、
ローレンとLINEを交換したかったが、1人とだけ交換は、対応の差も出てしまう事もあり皆とラインを交換することになった。
新人にも挨拶を終えて、家に帰る途中タクシーの中で着信音がなった。ローレンからのLINEだった。
トークを開くと、僕のLINEスタンプが送られて来ていた。微笑ましく思いながらも、ローレンに返事を送る。また今度ご飯でも一緒にどうすぐに、返事は帰ってきた。いいんですか!!とすごく明るく元気な返事か帰ってきた。
そうして、何度かラインでの会話を交わして、明後日ローレンとご飯に行くことに決まった。
※ ご本人様には関係ありません。
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