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プールの滑り台の上にいる。

いまかはまさに滑ろうと下を見下ろす。

あるはずのプールの水面が見えない。

不思議に思うことも無く一気に滑っていく。


ジャバーん!



そこで目が覚めたさゆり。

どうやら夢を見ていたようで、眠い目をこすりながら違和感に気づく。


(あっ!えっ!!)

(おねしょ…してる……?)


飛び込んだのはプールではなかった。


(やだ、うそだ、うそでしょ…)


布おむつの濡れた感触が肌にまとわりつく。


(なんで・おねしょなんて……)


恐る恐る布団をめくると中からアンモニア臭がただよう。


♪ピロビン♪ピロリン♪♪


タイミングがいいか悪いか分からないがスマホのアラームが鳴る。


おねしょのことが気になり起きる気になれない。


(プールの夢見ておねしょするなんて……)


起きるか迷う。

しかし起きないわけにもいかない。


恐る恐る布団をめくりオムツの方に視線をやる。


(え……………)


オムツから漏れたおねしょが布団にも地図を作っていた。


(やだ…オムツしてたのに……)


泣きそうになる気持ちを抑えていたとき、母が部屋に入ってきた。

なかなか起きないさゆりを起こしにきたのだった。


(はやくおき……)

(おねしょしたの!?)

(布団まで濡らして!)

(寝る前におしっこしなさいって言ったでしょ!)

(昨夜トイレ行かないまま寝たから心配してたのよ)


たたみかける。


(今日は健康診断なんでしょ!)

(オムツ替える前にシーツ外してベランダに布団干しなさい)


恥ずかしい気持ちを抑え、シーツを外すと敷布団にもおねしょの後がハッキリと作られていて更に恥ずかしくなる。


ベランダに布団を干すさゆり。


おねしょのシミが周りの住民に見られるのかと思うとヒヤヒヤせずにはいられない。



朝ごはんや歯磨きなどを済ませると


(オムツ替えてあげるからこっち来なさい)


リビングの床の上にセットされたオムツの前で母が呼んでいる。


(布オムツよ!おねしょの日は布おむつって言ってたでしょ)


健康診断のことを知らない母はおねしょのバツとしてさゆりに布おむつをあてようとしていたのだった。


(ママ布おむつはいや!)


そんな抵抗も虚しくモコモコの新しい布おむつをあてていった。

枚数こそ寝る時よりは少ないが布おむつは紙おむつよりも膨らみが大きく不安も大きくなる。


今日は病院に直接行くことになっている。


診察があるのて着替えやすい服装で、


と、貰った紙にはかいてあったがオムツを当てているさゆりにはスカートをはく選択しか残っていなかった、


普段着ている洋服に着替える。

いつも以上にスカートが膨らんでいる気がするがそんなことも言っていられない。



病院に向かう。





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