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その夜、ジルベクトはひとり、鍛錬場で大剣を振るっていた。
服を脱いだ上半身は見事な筋肉が盛り上がり、飛び散る汗が月光に煌めいている。
ジルベクトの脳裏には、ミハエルと戦ったヴァンの勇姿が焼き付いていた。
桁違いの威圧感を放つミハエルと対峙して、好戦的に目を光らせて果敢に攻め込んでいたヴァン。
ジルベクトとさほど体格差はないのに、ヴァンの強靱でしなやかな肉体は、機敏かつ大胆な動きを見せ、思わず目を瞠った。
色がなくともなんと鮮やかに、見る者を惹きつけるのか。
いつもルクレシアの陰にいた彼は、主人を凌駕する強さを秘めていた。
ジルベクトも過酷な修業をして団長に任命されるほどの強さを手に入れたはずなのに、彼はいつもミハエルの覇気に射竦められ、ルクレシアとの戦いにも勝てなかった。
ヴァンとの手合わせに、当＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
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