少女漫画などロマンチックなものは現実には居ない。
そう思い込んでいた。
あの男と出会うまでは____
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「 なーなー! 」
「 何、?音量下げてくんない? 」
「 つんっめた!!! 」
「 で、何の話? 」
「 恋愛漫画の話だけど〜っ♡ 」
と、ウキウキしてる友達。
「 この男カッコイイよねぇ!?♡ 」
「 そうだね 」
「 …本当に恋愛漫画興味無いよね 」
「 そりゃあ現実に無いもの。
見てもなんも思わないわ 」
「 それが楽しいっつーの!! 」
と、頬を膨らませ拗ね気味な彼女。
少女漫画オタクのお世話は大変だ。
「 んね、香澄。 」
「 なぁに? オタクよ。 」
「 少女漫画のようなロマンチックが
現実にもあったらどうする? 」
「 有り得ない。起こる訳ないじゃん。 」
「 ふーん。1ミリも信じない? 」
「 信じない信じない。 」
「 えー…困ったなぁー…。 」
こっちの方が 「 困ったなぁ 」 だわ。
少女漫画について何度も何度も聞かされてるこっちの身にもなれ。って言いたいくらい。
そんな彼女と話してる間に予鈴が鳴る。
「 あ、移動だ。 行こう。 」
「 うん。 」
移動中でも少女漫画オタクである彼女の語りは止まらず…
1度でも目を逸らすと、もう一度語られる。
なので前を向けず…
眼鏡をかけている黒髪の男の子とぶつかってしまった。
「 あっ、すみません…。 」
ぶつかったせいで私の持ってた教科書やノートがばらまいていた。
「 すみませんでした! 」
彼は、ササッと私の落ちた物を整え渡してくれた。
「 ありがとうございます!
前を向いてなくて…すみませんでした。 」
「 いえいえ、こちらこそもちゃんと見てなくて…。 」
ぶつかったのは前を向いてなかった私が悪いのに謝られた。
なんか罪悪感があったような気がした。
「 今の人…!まさか…!!
メガネを外したらめちゃくちゃイケメン系だったり…!? 」
「 そんな訳ないでしょ。 」
流石少女漫画オタク。
妄想って怖いな…。
チャイムが鳴り、休憩に入った。
御手洗いへ行ったら
今朝移動中にぶつかった彼がいた。
無意識に彼を見つめていると目が合った。
「 あ…朝の時の… 大丈夫でした? 」
「 あっはい…大丈夫です!
あの時はすみませんでした。 」
「 大丈夫ですよ笑 」
と微笑む彼。
「 あ、あの…何組ですか? 」
「 ん? 3組だよ。 」
私のクラスの隣だ…。
「 君は? 」
「 2組です。 」
「 おお、隣だね。 」
「 ですね…笑 」
「 …名前はなんて言うの? 」
「 萩原 奏斗。 」
「 いい名前だね。 」
「 ありがとう笑 君は? 」
「 春風 香澄。 」
「 爽やかな名前だね! 」
「 よく言われます笑 」
気まずそうな雰囲気で困る。
早く予鈴来てくれ。
と思い始めたら本当に予鈴が鳴った。
「 あ!予鈴…! 」
「 あぁっ!本当だ!ごめんね!
僕が話しかけたせいで…っ! 」
「 大丈夫だよ!笑 」
「 あのっ…同じ歳だし…
け、敬語無しで…いいですか? 」
「 いいよ!寧ろそうしてほしい。 」
「 わっ、分かったっ!
じ、じゃあ… ま、またね?笑 」
彼の 「 またね 」 に何故か ドキッとした。
「 う…うん!またね! 」
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春 風 香 澄 - は る か ぜ か す み
🚺
萩 原 奏 斗 - は ぎ は ら か な と
🚹
【 少 女 漫 画 の よ う な 恋 を し た 話 】
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は ぁ が ち す き