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❤️side
__ずっと、好きやってん。
くしゃって笑う顔も、
優しく発せられる唯一無二の声も。
バレんようにってずっと避けてきた。
俺はM!LKの曽野舜太であり、相手はメンバーだから、
そうやって自分の気持ちに蓋をしてきた。
もし、話すことが出来なくなったら、
もし、隣に立つことさえも出来なくなったらって
考えるだけで怖かったんよ。
失いたくなかった。
今まで築き上げてきたこの関係を一瞬でぶち壊すような気がして。
だから、言わんやった。
俺は隣にいるだけで十分や、って
そう自分に言い聞かせた。
気持ちを押し殺してただ笑い続けて。
__の幸せをずっと願っとったから、
だから、
__例えメンバーであろうと許せなかった。
楽屋__。
初めは単なる小さな違和感にすぎなかった。
💙「あれ、」
💛「あら、めずらしっ」
撮影終わりの楽屋。
ムシムシとする暑い部屋の中で次の送迎車を待っていた。
嬉しいことに俺たちは今引っ張りだこで。
テレビをつければ、メンバーを見ない日なんて少なくなった。
そんな忙しい中でみんなは全力で力を尽くし、仕事と向き合っていた、今日という日。
💛「これは完全に寝てるな」
💙「あちゃー、最近忙しそうやったもんな〜」
スマホ片手に視線を目の前に向ければ、頭をがくんと下げた柔が座っとった。
規則正しい寝息を聞けば、眠っているんだとすぐに分かる。
💙「寝かせとく??」
💛「だな。次の移動まで時間あるだろうし。」
脱力しきった身体に、頬を伝って落ちる汗。
それが美しく鮮明に見える。
……やっぱ、…すき、…やな、
すらっとした指先に長い綺麗なまつ毛。
その一つ一つの仕草や行動に幾度となく、ときめいては胸を締め付けられる。
俺にとってこのポジションは守り続けないかん。
“相棒”と言う切っても切れない…恋人とは程遠い関係を。
そう考えては頭の片隅に思考を投げ捨てる。
これ以上考えていたら気が狂いそうで。
自分の中で何かが動き出してしまうかもしれない。
……柔には笑っててほしいねん、
黒くモヤモヤした気持ちを深呼吸して取り替える。
こんな醜い感情がバレれば、きっと嫌われるだけでは済まされない。
気持ちをリセットするためにも俺はスマホを見て気を紛らわせようとする。
スマホから流れる映像は一個も入ってこないが。
こうでもしないと、目の前にいる柔を傷つけかねない。
……俺ってほんと最低やな、
相手はメンバーやのに。
ずっと一緒に夢を追いかけて戦ってきた大切な仲間やのに。
でも、柔からしてみれば、俺は何でもないんやろ?
それが一番苦しい。
❤️「…………っ、」
あーぁ、完全に思考がそっちにいっとる。
せっかく、片隅に投げやったのに。
……苦しい。
周りのメンバーにバレないように歯を食いしばるのが限界だった。
目の前の画面の内容は入ってこないし、音自体も遠のいていくし。
なんか、取り残されたみたいやな、…俺だけが。
ぎゅっと、ズボンを掴み続ける。
行き場を失ったこの感情がぐるぐると渦を巻いていく気がした。
……とりあえず、外でた方がええんかな。
気分転換、とまではいかないがこのままでは本当にまずい気がした。
スマホをポケットにしまい、逃げるように立ち上がろうとする。
もう考えないように…って、
その時だったと思う。
❤️「…………は、」
勇…ちゃん?、
動き出そうとした足が一瞬にして氷のように固まる。
目の前の状況に目が離せず、止まってしまう。
💛「勇斗?、」
🩷「……寒そうだから、」
💙「寒そう…って、佐野さんが動くの珍しいな」
まるで時間が止まってしまったかのように思考が停止する。
勇ちゃん、…こんな柔と距離近かったっけ、
自然と空いていた柔の隣を突然埋めた勇ちゃん。
その動きは本当に自然で。
そのために空いていたかのようだった。
座るなり、自分の持っていたジャケットを優しく柔の膝の上に掛ける。
💛「えー、やっさしっ。」
💙「別に今暑いから風邪なんて引かんのに」
それが危ないんだろ、とツッコミを入れて笑う勇ちゃんの姿に少しばかり違和感を感じた。
肩が触れ合うか触れ合わないかのこの距離感。
…なんか、おかしないか、
近いというかなんというか、…普通わざわざそこまでせんでもええんやないかな、
今さっきまで思考が悪い方向にいっていたからだろうか。
何故かこの”普通?”の行動が引っ掛かって仕方がなかった。
❤️「勇ちゃんは優しいなぁ、」
🩷「自分の中の…ただの善意だから。」
本当に?、そこまですることが?、
これは俺の考えすぎなんかな、
無数の考えが頭の中で暴れ回る。
大したことでは無いことなんて、周りを見ればわかる。
現に仁ちゃんや太ちゃんは視線をスマホにまた戻しているわけで。
これと言ってこの行動に何の違和感も興味も持っていないのだから。
俺も結局再び座り直すしかなかった。
何故かここを抜け出せば、良くないことが起こるような気がして。
でも、…まぁ、抜け出さなくても、
🤍「………ん、」
🩷「……ぇ、」
良くないことは起きるわけでさ。
反射的に出た言葉が溶けていく。
柔はこれまた美しい顔で隣にいた勇ちゃんの肩に頭を預ける。
それはまるで…付き合っている恋人みたいに。
💙「おわ、ラブラブやなぁ〜、」
💛「おい、場所選べよ。見苦しい。」
🩷「はぁ!?、み、見苦しいってなんだよ!?」
ひゅーひゅーと茶化す太ちゃんをひと叩きするが勇ちゃんの顔は満更でも無さそうやった。
どこか嬉しそうに見えるのは…俺だけ、よな
あんな考えしとったけん、そう見えるだけで、
みえる、だけ…で、。
もうそこからは上手く覚えてない。
送迎車が来て移動するまで当然ながら柔は起きんやった。
勇ちゃんに声をかけられ体を揺さぶられて。
そこでやっと目が開いた。
状況が理解できなくて顔を真っ赤に染める柔なんて見たくもなかったけど。
それを嬉しそうにどこか優しい目で見つめる勇ちゃんなんて、もっと見るに耐えなかった。
なんか、…嫌やな。
“気持ち悪い。”
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コメント
2件
やっぱ天才すぎます…🥹🥹 こういうの大好きですっ🫶🫶🫶💕💕 続き楽しみにしてます😊