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魔王城からの帰り道。
夕焼けに染まる草原を、二人で歩いていた。
「……終わったな」
『ああ』
ローレンは剣を肩に担いで、息を吐く。
『長かった』
「お前が無茶するからだろ」
『くっさんも同じだ』
「俺は頭使ってる」
『囮役、誰だったと思う』
「……お前」
沈黙。
風が草を揺らす音だけがする。
『……なぁ』
「何」
『魔王倒したら』
『何するつもりだった』
「金もらって、寝る」
『現実的だな』
「お前は?」
『……特に考えてなかった』
「は?」
『ずっと戦ってたし』
『次、何すればいいか分からん』
「……」
葛葉は立ち止まる。
「じゃあ」
『何』
「俺と来い」
『……は?』
「次の依頼まで、適当に旅しようぜ」
『傭兵誘う勇者いるか』
「いるだろ、ここに」
ローレンは少し困った顔をする。
『……危ないぞ、俺』
「今さら?」
『守れる保証ない』
「俺が守る」
『……即答だな』
「迷う理由ある?」
ローレンは視線を落とす。
『……くっさん』
「ん」
『俺』
『戦う以外、何もない』
「じゃあ」
「これから作れ」
『……簡単に言う』
「簡単だろ」
ローレンは小さく笑う。
『……旅、嫌いじゃない』
「だろ」
『……くっさんとなら』
「はい決まり」
再び歩き出す二人。
城は、もう遠くに小さく見えるだけだった。
『……なぁ』
「何」
『次の町』
『酒あるかな』
「お前そればっか」
『祝杯だ』
「魔王倒した祝い?」
『生きてる祝い』
「……悪くねぇな」
空は、ゆっくり夜に変わっていく。
剣も魔法もいらない時間。
二人の旅は、これから始まる。