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続きが楽しみです!
『君、一人かい?』
ある中年男性が一人の少年に声を掛けた
「おじさん、誰?」
『私は森鴎外 お医者さんだよ』
瞬間少年は故人の様な血の気の引いた顔色になった
そして少年は呟いた
「闇医者なんかに声掛けられるなんてね」
夏の虫が騒々しく鳴く
6月の初夏のことだった
「もう疲れた~ッ!」
ある店前のベンチで座り込んでいた少年が叫ぶ
「ラムネ買えたまでは良かったんだけど…
こんなに疲れるなんて思ってなかったッ!」
少年の意見に同調するかの様に蝉が鳴く
「もう此処から家まで歩くの嫌だ!
森さんもそうでしょ?」
森さんと呼ばれた中年男性が項垂れた様に少年の隣で腰掛けている
森「そうだね…正直此の歳になると長距離は…」
だらだらと額から流れる水滴が光の反射で輝いた
「あっ!そうだ森さん!タクシー使おうよ!」
少年は閃いた様に言った
森「乱歩君、料金が掛かる事は少し…」
乱歩「熱中症で倒れるより良いでしょ!」
少年の、其の陽気な声が街中で妙に甲高く響いた
タクシー内
森「今月ギリギリなのに…」
トホホと泣き真似の様な表情を浮かべる
乱歩「森さんは文句が多いなぁ
僕は森さんの事を思って言ったのに、」
僕がムスッと不機嫌そうに言うと森さんはぽかんと
惚けた顔をした
森「そう不機嫌そうにしないでよ
乱歩君は笑顔の方が可愛いんだから」
森さんは僕の口角を上げながらそう言った
乱歩「…森さんのショタコン」
森「何で!?」
瞬間タクシー内に笑いの渦がさっと通りすぎた
乱歩『森さん、ありがと』
森「素直で宜しいね」
乱歩「五月蝿い、もう言わない」
森「ふふ、ツンデレかな?」
乱歩「違うし!」
僕はわざとらしく頬を膨らませた
「着きました」
森「嗚呼…此処まで有難う、其れでは」
乱歩「森さ~ん、次いつ出掛ける?」
森「そうだね、また来週辺りで出掛けようか」
乱歩「やった!楽しみ~!」
元気な声が奇妙な程淀む様に宙を舞った
「すいません、赤レンガ倉庫迄お願いしても…
ッ…ぅ、うわあぁぁぁ!?」
先程まで乱歩達が乗っていたタクシー内は
酷く赤黒く血生臭い悪臭が漂っていた
原因は運転手の死体
『死体』
其れはどの様な場合であっても存在が奇妙に誇張 されて見えるものだ
外傷は首元をナイフの様な刃物で掻き切っており 一見すれば大した傷では無い程だった
其の一部始終を見ていた少年がまた一人
「あはは…ッ此れは愉しくなりそうだ」
と新しい玩具を見つけたかの様に言った
ポートマフィア基地
乱歩「たーのもー!」
静寂を纏った施設内に元気な声は奇怪に漂った
森「乱歩君、少し静かに」
乱歩「はーい」
大人しく返事をした瞬間誰かの声がした
「待ってましたよ!森医者…?」
森「此れは此れは、待たせてしまいましたか?」
「いえ、個人的に楽しみにしていただけですから」
森「そうですか」
乱歩「君、其処等辺の怪物とは違うね」
其奴眼は奥底から黒く荒んだ泥沼を連想させた
普通のだったら此の様な腹の奥から分からない奴はいない、詰まり…
“犯罪者“
流石マフィアだと言わんばかりの雰囲気だ
「怪物…ですか
其れは貴方の方だと思いますがね」
乱歩『…僕が怪物だって?』
森「お喋りは此処位にして早く首領の所へ案内を」
「判りました、では参りましょうか」
『首領の所へ』
続_
後書き
皆様こんばんは!
如何だったでしょうか
合縁奇縁!(あいえんきえん)
此れは只森さんと乱歩さんの絡みをね
見たかったという欲望に溢れた作品で御座います
今から太 & 乱の出会いと続くので、
最終的には🔞増えて来ると思います
身構えておいて下さい
という事で此処まで見て下さった方々!
有難う御座いました!
次回もまた御逢いしましょう!
ばいちゃぶだい!