修一は、ずっと胸に秘めていた気持ちをついに伝える決意を固めていた。今日、学校の昼休み、彼はついにその瞬間を迎えることになった。クラスメイトたちが集まっている中、修一は三咲を前にして、みんなが見守る中で告白しようと決めた。
「三咲、ちょっといいか?」修一は少し緊張しながらも、目の前の三咲に声をかけた。
三咲は驚いた顔をして振り向いた。「え、何?」
修一は深呼吸をしてから、堂々と告白の言葉を口にした。「実はずっと言いたかったことがあるんだ。三咲、俺、お前のことが好きだ。ずっと前から気持ちを抑えてきたけど、もう我慢できない。本気でお前と一緒にいたいんだ。」
その言葉に、周囲のクラスメイトたちは息を呑んだ。修一の告白に対する期待が、空気を張り詰めさせていた。しかし、三咲の反応は予想外だった。
「ごめんなさい。」三咲は冷静に、しかし力強く答えた。「私は…あなたのこと、友達としては大切に思ってる。でも、あなたが望んでいるような関係は、私には無理だと思う。」
修一はその言葉を聞いた瞬間、顔色が変わった。「そ、そんな…」
三咲は顔を伏せ、少し黙ってから、改めて修一を見た。「私、まだ智也のことが好きなんだ。」その言葉は、修一にとって最も痛い現実を突きつけるものだった。
周囲のクラスメイトたちは、三咲の告白の拒絶に驚きと哀しみの表情を浮かべた。しかし、三咲にとってそれが真実だった。彼女は今も、心の中で智也への思いを断ち切れずにいた。それがどれだけ苦しいことか、誰も理解してくれないかもしれない。しかし、三咲はそれを隠すことはできなかった。
修一はしばらく黙った後、深いため息をついた。「分かった…。でも、三咲、俺はお前のことを諦めないよ。時間がかかるかもしれないけど、俺はお前に好きって思ってもらえるように、頑張り続けるから。」
三咲はそれを聞いても、ただ静かに頷いた。「ありがとう。でも、私の気持ちは変わらない。」彼女は最後にそう言って、修一に背を向けた。
修一は、三咲の背中が遠ざかっていくのを見つめるしかなかった。彼の心の中で、言いようのない痛みが広がっていた。しかし、それと同時に、彼は決して諦めるわけにはいかないという強い意志を抱えていた。
一方、三咲はその場を離れた後、胸の中で溢れる複雑な感情を抱えていた。智也への想いをまだ捨てられない自分が、何かに縛られているような気がした。修一に対する感謝と申し訳なさが入り混じった気持ちが、彼女の胸を締め付けていた。
三咲はその後、どこかで自分の心の整理をしなければならないと思いながら、いつものように学校の帰り道を歩いていた。しかし、その道の先に、智也との未来がどれだけ遠いのか、ますますわからなくなっていた。