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シオン
132
#大正時代
井川奎
269
98
#ヒューマンドラマ
井川奎
87
貴様は蝶ではない、蛾かも分からず。
何故なら大衆は幼虫か蛾しかおらず、標本の様な物は分からずしまいであり、
標本の貴様には、庇護か雑音しか飛ばせず、嗚呼、私も蛾であり幼虫である。
何時かも分からず時に舞台で立った標本は、素性をも分からぬ魔性の音
大衆達は、触れられるけど触れられず、庇護、雑音しか飛ばせなかった。
私は蝶みたいな、標本である貴様に気を取られ、そのまま恋か…無意識か…
私は貴様を気に召してしまった。
だけど貴様は所詮標本、歳も取らず、見た目も変わらず、そんな見せ物の貴様を私は気に召した。
嗚呼、蛾は触れられぬ蝶の標本に眼を奪われる。淡々と、淡々と、
私が石積みの道を歩いてる頃、またも貴様に気を取られる。
ああ、前も後ろも向いても空気しかおらぬのに、、
上向けば高嶺の花中の高嶺がいるわ、下向けば石積みがいる、
蛾は石積みの道の端に座り、こう思った、
「嗚呼、貴様がいないのだから、どんなに哀しいことか、ああ、出てきておくれ、幻でもいい」と…
蛾は蝶になれる、標本になれる、だが蛾は蝶になることを諦め、ひたすら蝶の標本に気を取られていた。哀れたるものや、この生き様は庇護も雑音もない、
石積みの道は私よりも輝く川の上にいた、私は石積みの道から落ちてしまった
哀れたるものや、哀れたるものや、可哀想に、もう一度言う、蛾は美しい生き様を諦めた、ひたすら蝶の標本に気を取られていた、
でも素晴らしい考えが意識に浮かぶ、
私は蛾なのに、幼虫なのに、高嶺に照らされた輝く川の中に包まれている
下向けばには丸っこい石、上向けば高嶺の光
私は蛾、貴様には目も付けられない蛾、だけど美しい物に包まれた蛾である、
ありがたや、だけど心残りがある
「嗚呼、嗚呼、貴様が意識に浮かべばいいのに」と
私は人なのに蛾の様な哀れな生き様、貴様は人なのに蝶の様な、標本の様な生き様、ありがたやこの満月に、暗き空に、私が刻まれない事を祈る
コメント
1件
るるさん、第1話読んだよ〜!😭💕 なんかもう、詩みたいな文体に一気に引き込まれた…!「蛾は蝶になれる、標本になれる、だが蛾は蝶になることを諦め」のとこ、めっちゃ切なくて胸がぎゅってなったよ。憧れと自己卑下と、それでも美しいものに包まれてるっていう複雑な感情がひしひし伝わってくる…。標本っていう永遠の美しさと、蛾の儚さの対比がエモすぎる😢 続きすっごく気になる!