突然の告白に快斗は飲んでいたお茶を吹き出す。
「うえっ!ゲホッゲホッ……きゅ、急にどうした?白馬に疑われてるってのは確かだけどよ…」
「残念ながらもう証拠は揃ってんだよ。」
「だーかーら!違うって言ってんだろ!」
とぼけ続ける快斗に対して、新一は自らが集めた情報をつらつらと述べる。
「黒羽快斗、17歳。マジックを得意としていて憧れの人物は東洋の魔術師と言われた父。その父、黒羽盗一は世界的なマジシャンだが、裏の顔は怪盗キッド。母は黒羽千影でファントムレディ。そうだろ?」
ここまで知られていたらもう認めるほかないのだろうが、証拠を提示されていない限り認めるわけにはいかない。
「オメー、どこでその情報を…っつーか証拠はあんのかよ?」
「家で見つけたんだよ。怪盗1412について詳しく書かれたファイルをな。そこにはオメーの父が怪盗キッドだということも詳しく載ってたぜ。」
(まあ実際にはちょっと違うんだけどな。)
家に怪盗1412についてまとめられたファイルはあるが、実際にはもっと複雑な背景があるのだ。
「だから?仮に俺の親父が怪盗キッドだったとして、オレが怪盗キッドだという証拠は?」
まあ名探偵は証拠がなきゃオレを詰めねーよな、と心の内で己を嘲笑しながら相手に問う。
「あ?オメーの今の雰囲気、目つき、どうみても怪盗キッドじゃねえかよ。それで隠せてたと思ってんのか?」
と、新一はあからさまだろと呆れたように話す。
「はは、流石めいたんてーだな。それで?オレを捕まえよーってか?」
先ほどとは一転、無邪気な快斗の瞳は、キザな悪党の、闇が潜んだ、全てを見透かすようなものへと変わっていた。
「ちげーよ。今日のビッグジュエル、船の構造、警察の人数、配置、オメーが持ってる情報を全部よこせ。」
新一は、そんな快斗の気配にも物怖じせず答えると、快斗はいくらなんでも直球すぎるだろーがと目を丸くする。
「敵にやすやすと教えるやつがどこにいんだよ!」
「ここまで言ってもまだ分かんねえのかよ!?俺が協力するっつってんだよ!」
快斗を真っ直ぐと見据える目に怯みながらも、それを悟られないよう平静を装う。
「…は!?めいたんてーが?心配してんのかなんだか知らねーけど、オメーに手伝ってもらうほどオレは弱くねえよ!」
実際、IQ400の頭脳を持ち合わせる黒羽快斗、もとい怪盗キッドは寺井以外、ましてや自分を追う側の人間に盗みを手伝われる謂れはないのだ。
「残念だが今回の仕事にはオメーが思う以上に弊害がある。白馬やビッグジュエルを狙う組織、警察だよ」
「おーっと、組織は厄介だな。っつーか白馬と警察はなんの害にもならねえだろーが。」
新一とは違い、白馬や警察は怪盗キッドの逃走経路まで把握できたことはない。
自分の脅威となるというのには理由があるのだろう。
「白馬は快斗を怪盗キッドだとずっと疑ってるだろ?今回、犯行予告時はオメーの元を離れねえって豪語してんだよ。もちろんそれだけじゃなく、警察もオメーに疑いをかけてる。下手したら捕まるぞ。」
「お、おい!疑いをかけられてるっつーのはどーいうことだよ!?」
続く
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コメント
5件
情報を集めてるとはいえ、快斗の雰囲気がキッドと同じで確信したっていうのがやっぱり凄いな、って思う💭 快斗も急に「知ってる情報を教えろ」なんて言われたら捕まるって思うよね……でも、結果はどうであれビッグジュエルを狙う組織や警察、白馬から守るために今回は手助けするわけだから快斗は正体がバレないように、新一は最悪の状態を起こさないように頑張って欲しい!!!
今回も神回過ぎました… 警察が快斗君への疑い… 楽しみです!頑張って下さい!