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俺は紗栄子をセルシオのリアフェンダーに押しつけ右手を紗栄子の腰に回した。これがゼロ距離態勢だ。

「お前、やった事あるのかよ」

「。。。何を?」

俺の右腕がゆっくりと上昇し紗栄子の胸の下まで上がっていった。紗栄子は目を逸らし頬を染める。キャミソール越しに伝わる、紗栄子の柔らかい肌、緊張してるのか、体が熱ってやがる。

「真ちゃんちょっとタイム!」

(ガッチャン)

愛車セルシオのトランクがゆっくり開いた。。。

「真ちゃん。。。何これ?どう言うこと」

俺は左に頭を傾けて、紗栄子の視線の先をみた。セルシオのトランクの中女性がシート側に顔を向けて横たわっている。手足はガムテープで縛られて衣類には所々血痕らしき跡があり。全く動かず生きている感じがしない。

「きゃあーっ」紗栄子も遺体と悟ったのか急に悲鳴をあげる。

俺は慌ててトランクを閉めて、周囲を見渡す。少し離れた海岸に人は見えるが、悲鳴には気づいてないようだ。

「真ちゃん、今の人死んでたよ。。。」

なんなんだ、この死体は。。あのノースリーブのニットに見覚えが。。。「凛」が着ていたニットに似ている、いや間違いない。あの遺体は凛だ。

髪が乱れていて顔は確認できなかったが髪の色といい、何よりも昨晩一緒にいたんだ。誰がこんな事を、、、まさか俺が凛を、、、

ベロベロに酔っていたから覚えてねぇ。

「真ちゃんどう言うこと?何か知ってるの?」

「いや何がなんだかわかんねぇ。。」

紗栄子はスマホを取り出した。

「警察に連絡する」

「ちょっと待て、警察は。今の状況だと俺らが疑われちまう」

「じゃあどうするのよ」

さっきまでのエロいムードも何処かに飛ばされ、最悪なムードが押し寄せてきた。

俺はセルシオのドライバー席に座り状況の整理をする。

紗栄子が脱力した表情で隣の席に座った。

「信じろ、俺はやってないし、誰だかもわからねぇ。」

「じゃあ誰が何のためにこの車のトランクに遺体を載せたのよ」

「。。。だから今それを考えてんだよ」

俺はセルシオのエンジンをかけ、とりあえず海辺を後にする。

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