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『残りの0.1歩だけ___。』

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『残りの0.1歩だけ___。』

16 - 第2話 離れても隣にいるから

♥

2,025

2025年03月17日

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tg視点




卒業式の翌日。

俺はベッドの上でスマホを握りしめながら、ぽつんと独り言をこぼした。

tg 先輩、何してるのかなぁ……

昨日まではすぐ隣にいたのに、今日はもういない。

先輩は卒業して、これから新しい生活が始まる。俺はまだ在校生だけど、なんとなく取り残された気分だった。

tg むぅ…

胸の奥がじわっと寂しくなる。付き合ってるのに、こんなに会えない時間があるなんて、ちょっと想像してなかった。

tg 先輩、俺のこと忘れたりしないよねぇ…

ぽつりと呟いたそのとき、スマホがぶるっと震えた。

tg え?

画面を見ると、そこにはお馴染みの名前が表示されていた。

『ぷりっつ』

tg ~~~ッッ⁉︎

急いでロックを解除すると、先輩からのメッセージが目に飛び込んできた。

――ちぐ、今何してる?

tg ッッ⁉︎

指が震える。すぐに返信したいのに、何て返せばいいのかわからなくて、ただ画面を見つめることしかできなかった。

すると、またスマホが震えた。

――電話するで?

tg えぇ!? ま、待ってください!

でも、その間にもう着信が鳴る。

慌てて布団をかぶりながら、震える指で通話ボタンを押した。

tg せ、先輩?

pr『おう』

tg ど、どうしたんですか?

pr『んーちぐの声聞きたくなってん』

tg ッッ⁉︎

心臓がドキンと跳ねる。

tg『昨日さ、めっちゃ寂しそうな顔しとったやろ? 俺のこと、忘れられたら困るからなぁ』

tg そんなの、忘れるわけないじゃないですか…

pr『そかそか、じゃあ俺も安心や』

くしゃっと笑う声が聞こえて、俺は無意識にスマホをぎゅっと握りしめる。

tg 先輩、俺、やっぱり寂しいです……

pr『うん、知っとる。』

tg んぅ…

pr『だから、こうして電話しとるんやろ?』

tg 先輩、ずるい…

pr『へへ、ちぐが可愛いからしゃーない』

tg か、可愛くないです!//

pr『はいはい、じゃあ今度の週末、デートするか?』

tg え…

pr『ちぐ、俺に会いたいやろ?』

tg ッッ⁉︎

図星を突かれて、顔が一気に熱くなる。

tg そ、ッ そんなの…

pr『会いたないん?』

tg 会いたい……です…

小さな声でそう答えると、先輩が嬉しそうに笑ったのがわかった。

pr『よろしいwほんなら週末な』

tg はい//

先輩の声を聞いて、さっきまでの寂しさがふわっと溶けていく。

たとえ離れてても、先輩は変わらず俺のことを想ってくれてる。

tg 先輩、大好き//

pr『おう、俺もや』

俺の胸に、あたたかい幸せがじんわり広がっていった。




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