テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ソロになったことで、彼のファンはさらに増えたけれど、もう私は彼と離れようとは思わなかった。
ただ、いつまでも彼のそばにいて、彼を感じていたくて、
それはきっと、カイトも同じだろうことは、わかっていたから、
離れる理由なんて、2人の間にはもう何もなかった。
──腕の中に眠るカイトの体の重みを感じて、たまらない慈しみが胸に迫る。
彼がいれば、もう何もいらないほどに、心から、彼を愛していた。
「……愛してるよ…カイト……」
寝ているだろうからと、ひっそりと小声で呟くと、
「……俺も」
起きていたのか寝たままなのか、ふとカイトが私に応えて、
思わずクスリと笑うと……、
「……俺も、愛してる……ミクル」
不意にその目が見開かれた。
「……起きてたの? もしかして……」
急に恥ずかしさが襲う私に、
「ううん…」と、首を振って、
「今起きた……ミクの声が、聞こえたから……」
私の首にゆるく腕を巻き付けて、カイトがふわりと顔をほころばせた……。
……その柔らかな笑顔に、引き寄せられるように、唇を重ねキスを交わした。
──彼と紡ぐ、この恋は、
まるで櫁のように、甘やかに、蕩《とろ》けるように、
離れがたく求め合うキスのままに、
これからもずっと、永遠に続いていくのに違いなかった──。
-END-