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アイマスク
1,194
#イラスト
/あずき/
3,551
冬奈
5,273
「ぅ、う…、」
トラゾーを保健室のベッドに下ろして布団をかける。
涙の跡がくっきり残って真っ赤に腫れる目元。
きつく縛られ鬱血して痛々しい跡の残る手首。
打ちつけられたせいで所々に内出血や小さな擦り傷もある。
「……」
それも許せないけど、何より許せないのはトラゾーに触れたことだ。
「クロノアさん」
「…うん?」
「顔、めちゃくちゃ怖いことになってますよ」
「そう?しにがみくんもだいぶだけど」
可愛らしいと言われるしにがみくんの顔は全くの無だ。
スティーブ先生だっていつもの人懐っこそうな表情は消え失せている。
ぴくとさんも優しいなんてもの存在しないかのような顔をしている。
「トラゾー、」
どれだけ俺たちが囲い込んでいても、隙を見つけてこうしてトラゾーのことを傷付ける人間が存在している。
「こんなになるまで助けに行けなくてごめんね…」
あんなに泣くトラゾーを見たくなかった。
傷付けないって心に決めていたのに。
俺たちの名前を泣き叫びながら呼ぶトラゾーを見つけた時、あいつを殺してやりたくなった。
トラゾーの周りを最近ちょろちょろしてることは認識していたけど、何かをする気配は全くなくて俺たちにとっての無害なその他大勢の1人だと思い込んでしまっていた。
まさかあんなことをしてくるとは思いもしなかったけど。
ただ、調べれば調べるほどとんでもない奴ということが分かって。
「……」
唇を噛み締めでもしたのかトラゾーの口の端は切れて血が滲んでいた。
「……俺もあっちにいればよかったな」
「ダメです。トラゾーさんが起きた時にクロノアさんがいなきゃ、この人パニックになってまた”あの時”みたいになりますよ」
「……、そうだね」
俺に縋り付いてしがみつきながら泣くトラゾーをもう二度と見ないようにってあの時誓ったのに。
「…ごめんね、ぺいんとくんから大まかに話は聞いたけどしにがみくんの言う通りだよ。クロノアくんはトラゾーくんの傍にいてあげて」
「そうだよ、これはノアさんにしかできないことなんだから。悔しいけどね」
スティーブ先生とぴくとさんが柔らかく笑った。
どうやら俺も心配をかけているようだ。
「…すみません、結構内心、取り乱してるみたいで…トラゾーなんかに比べればなんてことないのに、」
「そんなことないですよ。クロノアさんとぺいんとさんは誰よりもトラゾーさんの苦しみを知ってるし、2人の思いも僕は知ってます。だからそうなるのは当たり前ですよ」
「しにがみくん…」
トラゾーは小さい頃から優しくて正義感が強くてお人好しで、困ってる人は放っておかないし、見放すこともしない。
騙されやすくて信じることしかしない、人を疑うことが嫌いな子だった。
聡いからこそ、その人の為に何通りもいろいろなことを考えて最善を尽くす。
なのに変に抜けて天然なところがあるから親しみやすく誰とでも仲良くなれて好かれる子だったのだ。
今と、何一つ変わらない。
「ごめんね、トラゾー…」
小学生の頃、俺たちはいつも一緒で、いつものように遊んでいた。
あの時も同じで。
小学生の遊びなんて決まったものでかくれんぼとか鬼ごっことか。
そんな遊びをしていた。
そして、あの日。
鬼になっていた俺はぺいんともしにがみくんも早々と見つけて、あとはトラゾーだけとなった。
なかなか見つからないねとか話しながら呑気にトラゾーを探していたのだ。
そして、ふと俺たちの名前を呼ぶトラゾーの声が聞こえてきた。
初めは見つけて欲しくて呼んでるのかと思っていたけど、段々と違うものだと子供ながらにも察してしにがみくんに大人を呼ぶように言ってぺいんとと声のする方へ急いだ。
倉庫みたいな場所から叫ぶような声がして錆びた扉を2人で開けた。
そして、そこには………、
「ッッ…!」
思い出したくない。
でも一生忘れることはないだろう出来事。
トラゾーはあの日のことを覚えていない。
記憶からごっそり消し去ってしまったのだ、自分の心を守る為に。
「クロノアくん大丈夫?顔色悪いよ…」
「大丈夫です…俺は、全然…」
トラゾーの名誉と尊厳の為にも言うが、”それ”は未遂だった。
しにがみくんが呼んだ大人たちの手でそいつらは捕まったし。
けど子供にとっては耐え難いことで、人前で泣くなんてことをしない、いつも笑っているトラゾーの表情は抜け落ちボロボロと静かに泣いていて。
あんなにさっきまで叫んでいたのに、声を出すことを忘れたかのように静かに。
そして、糸が切れた人形みたいに倒れ込んだトラゾーを俺とぺいんとは忘れることはできないだろう。
だからこそ他人なんかにトラゾーを触れさせないと決めた。
どんなに手を汚そうと、そうやってきた。
歳を重ねるにつれて知恵も人脈も増えて、俺たちもトラゾーを守る術も増やしていった。
「ノアさん」
「…はい?」
「ノアさんやぺいんとさんばっかが背負う必要はないよ。その為にも俺らはいるんだし、ね?」
「……、ありがとう、ございます」
トラゾーに酷いことをしようとしていたあいつらに近くにあった角材を振りかぶったことも覚えてる。
子供のしたことで、友達を守る為の正当防衛だと大人たちには言われ俺たちは許された。
けど、あの時の俺には明確な殺意があったのだ。
守りたい助けたいという思いも強かったけど、トラゾーに触る人間が許せなかったから。
殺してやる、そう思った。
俺たちのトラゾーに他人が触れることが許せず、至って冷静に角材を手に取った俺はそいつが1番痛みを感じる場所に向かって力の限りそれを振り落としたのだから。
何度も何度も。
許しを乞うそいつを許せるわけがなくて。
喋れなくなるまで何回も。
ぺいんとはぺいんとで、もう1人に同じように鉄パイプを振り落としていたけど。
俺より容赦ないことしてたのは、ぺいんとがトラゾーと一番心の距離が近かったからこそだと思う。
「……、…」
「、ぅ、ん、ん…?」
ゆっくりと目を開けて瞬きをするトラゾーの顔を覗き込む。
「トラゾー、?」
「くろのあさん?…あれ、?お、れ…………っ、!ぁ、…あ…っ、…」
起き上がって自分を掻き抱き震え出すトラゾーを抱き締める。
「トラゾー、ここには俺たちしかいないよ。トラゾーを傷付けるような人間はいない。大丈夫、大丈夫だから」
は、は、と短い呼吸をし過呼吸になりそうになるトラゾーの背中を優しく撫でた。
「俺の声、聞こえる?俺のこと分かる?」
「き、こえ、ます、くろのあさん、で、す…」
「うん、そうだよ。…ほら、こっちの人たちも分かる?」
俺の肩に埋めていた顔を上げて、みんなの方を見る。
「し、にがみさ、んと、すてぃー、ぶ、せんせ、いと、ぴ、く、とさん、です」
「そうですよ僕です。トラゾーさんの可愛い可愛いしにがみです」
「よかった。兄貴の名前呼ばれたらどうしようかと思っちゃった」
「俺名前呼ばれないかと思ったし。よかったぁ…認知されてて」
「っ、ふ、ふ…認知、って…ぴくと、さんっ…て、やっぱ、面白い、ですね…」
へにゃりと眉を下げながら笑うトラゾーの目元からぽろりと涙が落ちた。
安心して落ちた安堵の涙が。
「トラゾー」
「、は、はい…?」
「よかった」
ぎゅうとまた抱き締めたら背中に手を回して肩に顔を埋めたトラゾーが泣きながら頷いた。
「、っ、ぅ…たす、けて…くれ、て…ありが、とう…ご、ざいま…す…ッ」
「ううん、遅くなってごめんね。もう絶対にトラゾーが傷付くことがないようにするから」
背中に回る手が俺の制服を握る。
「俺たちがトラゾーのこと、ずっと守るから」
「う、ん…うん、ッ…」
もう誰の目にも触れさせないように、誰の手にも届かないように。
トラゾーが傷付かないように、俺たちだけが、きみのことを守るから。
──────────────
また泣いたのか赤みの増した目元のトラゾーはクロノアさんに背負われながらスヤスヤと寝ていた。
「終わった?」
「勿論。きっちりとな」
「ならよかった」
ぐちつぼの帽子はトラゾーには少し大きいのかずれている。
それが黒髪も相まってあどけなさを余計に増長させていた。
「二度と表には出て来ないだろうよ」
「ぐちつぼさん何したんですか。凶悪ヅラが更に凶悪化してますけど」
「え〜⁇そりゃあ…?」
あいつはもうトラゾーの前に姿を見せることはない。
そう心身に植え付けたから。
「リアム先生、顔が鬼みたいになってますよ」
「えリアムさんの鬼はいつものことじゃ…?」
「スティーブ…?しにがみ…?」
「「はっ!すみません!!」」
いや、しにがみやスティーブ先生の言う通りではあるけど、とばっちりはごめんだから黙っとく。
「クロノアくん大丈夫?代わろうか?」
「ステイサム先生ありがとうございます。でも大丈夫です、これは俺がしなきゃダメなことなんで」
クロノアさんと目が合い、小さく頷く。
「ステイサム先生大丈夫です。クロノアさん最近鍛えてるからこれでも力持ちなんですよ」
「これでもは余計だよ…」
裏門を出る頃には外は真っ暗で。
でも向かう場所は決まっていた。
「…どういうふうにしたの」
「身も心もボコボコにして帰しました」
「誰にも見られてない?」
「そんなヘマしたことないですよ。それにいつものようにちゃんと自分の足で帰ってもらったんで」
「いつもありがと」
「いえいえ、逆の時もありますし。クロノアさんみたいにまだ立ち回れませんけど」
そんなことないよと笑うクロノアさんはトラゾーを背負いなおす。
「それで決めたんすか、クロノアさん」
「うん、もうこれ以上は無理かな」
「だそうです」
「分かった。手続きの方は俺たちに任せてくれ」
「トラゾーさん、嫌がるかな」
「んなわけねぇだろ。トラゾーは俺らのことしか信用してない。俺らの言葉を疑わない」
「だよなぁ。杞憂だったわ悪ぃ」
ぐちつぼがケラケラ笑った。
「トラが待っててくれる家に帰れるとか最高すぎん?「おかえりなさい」って出迎えてくれんだぜ?」
キモい顔しながら笑うらっだぁにみんなして引いた。
いやマジでキモいわ。
「お前まさかエプロンとか言わないよな」
「え?ダメ⁇」
トラゾーにはシンプルなエプロンが似合うだろうけど、らっだぁの思い描く姿が多分それとは違う。
「1番変態じゃねぇか」
「は?ムッツリはぴくとさんだろ」
「うわ飛び火きたんだけど」
「いや、その通りでは?」
「あれ?これもしかして味方いない感じ?」
俺の味方はトラゾーさんだけかよ…とぴくとさんが嘆いていた。
「乗ってくれ」
遠隔キーで車を開けたリアム先生と、その隣に停まるステイサム先生の車にそれぞれ誘導される。
ステイサム先生の車は大きく6人くらいが乗れるからクロノアさんとトラゾーはそっちに乗った。
1番後ろの座席にクロノアさんと横になるトラゾー。
その前に俺としにがみ。
助手席にスティーブ先生。
リアム先生の方にぐちつぼとらっだぁとぴくとさん。
幾分か安心したような顔をして寝てるトラゾーに安堵した。
絶対に泣かせないと決めたのに、俺とクロノアさんとで固く誓い合ったのに。
守ることができなかった。
あの日のことを、もし思い出してしまったらトラゾーは壊れてしまう。
そうならないようにしていたのに。
「(…あいつ、やっぱ殺しとけばよかった)」
窓に映る顔はトラゾーには絶対に見せられないものだ。
子供の時とはもう違う。
そんなことをしてトラゾーを悲しませるのは本望じゃない。
ただあの時のガキだった俺は確実にあいつらを殺そうとしていた。
今でも鉄パイプを握り締めていた感覚も、ぶん殴った感触も覚えている。
死んでしまっても構わないと何度も振り下ろしたのは記憶に深く刻まれている。
だって、トラゾーのことを傷付けて泣かせた。
他人である人間が触ったことが許せなかったから。
『友達を助けようと必死だったんだよね』『大丈夫だよ、君たちは全然悪くないんだから』と大人たちには言われた。
その時の俺が思ったことは、”何を当たり前のことを言ってるんだこのバカたちは”、だった。
悪いのはトラゾーを傷付けたあいつらで俺らは悪くない。
だから血塗れになって泡を吹いて失禁して痙攣して息絶えそうになってるあいつらを見てもざまぁみろとしか思わなかった。
そのまま死んで二度とトラゾーに近付けなくなればいい、そう思った。
ああいう大人が諦めが悪いのは分かってるから、またトラゾーに危害を加えてしまう前に釘を刺す為にもボコボコにした。
子供のやることだから許されるし、子供がすることだからこそ加減がない。
「…ガキが残酷ってのはホントだな」
ずっと変わらない。
俺はあの日のままだ。
俺の呟きに首を傾げたしにがみに、へらりと笑う。
「しにがみ、俺ちょっと疲れたから着いたら教えてくれね?」
「分かりました。その時の起こしますね」
「ん、よろしく」
後ろで眠るトラゾーを見てそれを無表情で見るクロノアさんを見て、俺は目を閉じた。
『やだ、!やめてよッ』
これは、俺?
『い、やッ!やだぁあ…っ!』
あれは、誰だ?
『たす、けて、っ…』
こんなこと知らない。
でも、心が覚えて、い、る。
これ、は、
──────────………、
「トラゾー…ッ!」
「っ、は、ぁ…!!」
クロノアさんの焦った声に浮上した意識が一気に覚醒する。
心臓が早鐘を打って痛い。
ぎゅっとその部分の服を掴んで、憔悴し息が浅くなる。
「は…、ッ、ふ…、ぁ…ひっ、」
過呼吸になりそうな俺を起こして、抱き締めて背中を撫でるクロノアさんにしがみついた。
助けを求めるように縋り付いて。
「お、れ…ッ、おれ、あ、ぁ…っ」
血の気がどんどん引いていく。
指先から冷えていって、今自分がどこにいるのかどういう状態なのかが分からなくなっていく。
そうだ。
俺は”あれ”を知ってる。
「トラゾーっ、トラゾー…ッ」
「くろ、のぁ、さっ…おれ、お、れ…ッ」
言葉が出ない。
口が全く回らなくて、俺俺しか言えない。
自分の名前も分からなくなるくらい混乱していた。
「ぁ…ゃ、だ、ッ…」
あの気持ち悪い感覚も感触も、知っている。
知らないはずなのに、覚えている。
苦しくて息の仕方がわからなくなって、視界が眩む。
もうこのまま意識を失ってしまって、目覚めなければいいと思えるくらいつらい。
「く、ぉ…の、あ、…さ、ん、…、っんぅ!?」
目の前にはぼやけてるけどクロノアさんの綺麗な翡翠色があって。
息苦しさが物理的に苦しくなる。
「(あれ、俺、クロノアさんに、)」
びくりと肩が跳ねた俺の口の中にクロノアさんの舌が入ってきた。
「ふ…っンん、!?」
知らない感覚にぎゅっとクロノアさんの制服を掴む。
でも全然不快には感じなくて、荒波のように乱れていた心が徐々に落ち着いて凪いでいく。
「ふぁ、ッ」
「、は………落ち着いた?」
濡れた口元を拭われてクロノアさんが首を傾げた。
俺は俺で、なんで自分なんかにキスをしたのかと目で訴える。
クロノアさんはいつもの優しくて柔らかい笑みを浮かべて俺のほっぺを両手で包んだ。
「トラゾーのことが好きだからだよ」
「好き…?…俺も、クロノアさん、好きですよ…?」
「俺の好きはトラゾーにこういうことをしたいって意味の好きなんだよ」
ワイシャツの下に着ているTシャツの中に入ってくるクロノアさんの手。
それにびくりと身体が跳ねる。
「ひゃ、ッ!」
「…みんな、トラゾーのこと好きなんだ」
「みん、な…?」
「そう。……トラゾーは嫌?俺たちのこと嫌い?こういうのも無理?」
肌を直接撫でられる擽ったさに、掴んだままの制服を握った。
「ふぁ…っ」
「俺にこう触られるの気持ち悪い?」
眉を下げながら俺に聞くクロノアさんの肩に顔を埋めて首を横に振る。
嫌なわけない、気持ち悪いわけない。
あんな奴と一緒にするのも烏滸がましい。
「いや、じゃないです…そ、の…もっと、触って、欲しい…」
俺のお腹を撫でるクロノアさんの手を掴んで胸元まで持っていく。
早鐘を打っていた心臓が安心して普通に拍動していた。
「お、俺…おかしい、ですか…?」
「……おかしくないよ、…安心する?」
「ん、ひゃ、…ぁッ」
撫でる手が、意味を持って俺に触れる。
冷えていた身体に体温が戻っていくような感じがした。
冷えていた指先にも血が通って熱を帯びていく。
「クロノアさん…、俺…」
もっと触って欲しい。
俺を、俺だけを見ていて欲しい。
「好き、です、みんなのことも、クロノアさんも、」
恥ずかしいけど、俺のほうからクロノアさんに触れるだけのキスをした。
慣れてないし、こんなことをするのも他人にはあり得ない。
「んン!」
後頭部に回るクロノアさんの大きな手と胸元を撫でる手がそのまま背中に回る。
「ふ、ッぁ、ぅ!」
自分の声じゃない、甘ったるい声が出て口が開く。
クロノアさんが少しだけ口を離して、掠れた低い甘い声で俺に言った。
「トラゾー、舌出して?」
「、?、」
べ、と舌を僅かに出すとそれを食べるんじゃないかって感じでクロノアさんに舌を絡められた。
「はぅン…ッ!」
気持ちいい。
溶け合ってるみたいで。
「ひゃ、ぁ、んっ」
「……きもちいい?」
「き、もちぃで、す…も、っと、…」
やなことを消し去ってしまうほど、頭がふわふわする。
「かわい、…ね、トラゾー」
「はい…?」
「ここにずっと一緒にいよ?」
「こ、こに?…クロノアさんたち、と…?」
優しく笑ったクロノアさんが頷いて俺を抱き締めた。
触れた肌からクロノアさんの心臓がトクトクと脈を打ってるのが分かるくらい密着する。
「いや?」
「や、じゃない、…みんなと、いたい、です…」
「そっか。よかった」
ワイシャツが脱がされて、背中のほうのTシャツをたくし上げられる。
「ぁ…っ、ゃ…」
俺の肩に顎を乗せて耳に吹き込むようにしてクロノアさんが囁いた。
「トラゾーのハジメテ、俺にくれる?」
「んッ、ぁ、ン…!」
「それともぺいんとのほうがいい?他のみんな?」
「ひゃんっ!」
耳朶を甘噛みされてクロノアさんの低い声が鼓膜を震わせる。
びくりと腰が跳ねて、お腹がじんじんしてきた。
「俺、クロ、ノアさん、とぺいん、とが、いい…はじ、めては、2人、がいい…で、す…」
恥ずかしくて声が小さくなって聞こえたのか不安になる。
「……ふッ、トラゾーやらしいね」
「んぁっ⁈」
尾骨を押されて身体が大きく跳ねた。
お腹の奥が熱くなってきて、更に疼く。
「ん、分かった」
スマホを取り出して操作したクロノアさんに身を預けたままにしていた。
心音に安心して眠たくなってくる。
「寝ちゃダメだよ。ちゃんと起きてないと」
「ひ、ゃ!、ン…ぅ、っ」
「トラゾーほら、」
「ぁっ…あ、ん、ン…ッ!」
「…可愛いね、俺に触られるの好き?」
「は、ぃ…、すき、で、す…」
横腹を撫でてお腹を押してきたクロノアさんの手が気持ちよくて目を細める。
「ん…ふ、ッぁ…!」
「クロノアさ……おー…トラゾーめっちゃ気持ちよさそうな顔してんじゃん」
「ぺ、ぃん、と…、ッ」
後ろに座ったぺいんとが俺のお腹を両手で包むようにして撫でてきた。
「ん、ン…」
「トラゾーいいって」
「マジすか?」
「みんなといたいって言ってくれたよ」
「…そっか。…なぁ、トラゾー」
「ひゃぅッ」
上がってくるぺいんとの手とクロノアさんの手が面白くもない俺の胸を触ってくる。
「俺らのこと好き?」
「…、好き、す、きだよ…ッ」
「ホントに俺らでいいのか?」
「ぺい、ん、と、たち、じゃなきゃ、やだ、」
ぺいんとたちとずっとここにいられるなら、俺はその方がいい。
「ひゃぁ、ッ!ま、む、胸っ、も、むな、って、ば、ッ」
「なんで?トラゾーのおっぱい揉みてぇじゃん」
「お、っぱいじゃ、な、ぁンん…ッ!」
「トラゾーのおっぱい柔らかいのに弾力あって揉み応えあるね」
クロノアさんの口からそんな単語が出てくるなんて思わなくて固まる。
「あッ!ゃ、やっ!そ、こ、摘んじゃ…んぅ♡!」
「乳首弄られて感じるとか可愛すぎだろ」
「可愛い色と形してるしね」
「ゃ、ぁんっ♡♡」
すりすりと先っぽを撫でられて、お腹みたいにじんじんと疼いてくる。
ツン、と勃ち上がる俺の乳首を違う動きで弄られて、クロノアさんの制服を握り締めた。
「だ、め、っで、す♡お、れ、おんなの、こじゃ、ないの、に…♡♡ち、くびで、きもち、ょ、く、なっちゃ、ぅ…っ♡!」
「なれよ。お前が気持ちよくなってくれたら俺らも嬉しいし」
「ひゃんン♡♡!!」
ぺいんとに先っぽを摘まれてカリカリと引っ掻かれる。
「うん、俺たちトラゾーのハジメテ貰うんだからちゃんと気持ちよくさせたいんだよ」
「ふぁあっ♡♡!」
クロノアさんには先っぽを潰されクリクリと捏ね回される。
「「可愛い…♡」」
「ッッ〰︎〰︎〰︎♡♡♡!!!」
2人の聞いたことのないような甘い声に疼いていたお腹が重くなってびくりと身体が跳ねた。
「…あれ?トラゾー今俺たちの声でイッちゃったの?」
「ぁッ…////♡♡ち、ちが、♡その、…わ、っ!」
ぺいんとにスラックスも下着も脱がされて、2人に前を見られる。
自分の射精したモノで濡れるソコを見られて恥ずかしくなってたくしあげられているTシャツを下ろして隠そうとした。
「ゃだ、見ないで…ッ♡」
でもクロノアさんに手を掴まれてTシャツを下ろすのを阻まれた。
凝視する2人に恥ずかしくて首を振る。
「み、ちゃ、やだ、ぁ…っ♡♡」
「いや見るに決まってんだろ」
「俺たち嬉しいよ?こんなに感じてくれてるんだって」
「は、ぅ、ンッ♡♡」
ぺいんとの太ももに寄り掛からされるように倒されて、脚を開かれ後ろを見られる。
白濁が後ろに伝って流れじゅわりと染み込んでいった。
「やぁッ♡♡!う、しろ♡へ、へん…っ♡!!」
「慣らさなくても挿れれそ」
「ヒクヒクさせてトラゾーえっちだな♡」
そのまま膝裏を後ろから持たれて肩につくくらい持ち上げられて開かされる。
「や、っ♡!く、ろのあ、さん、みちゃ、だめ、ぇ♡♡!!」
「だーめ♡」
クロノアさんの長くて綺麗な指がソコを撫でて、中指がつぷん♡と入ってしまった。
「ひゃぁあんっ♡♡♡!!」
指が入っただけでイッてしまってクロノアさんの綺麗な顔に自分の精液がかかる。
「ぁ、うぅ♡♡ごめ、ん、なさ、ッ♡♡♡」
顔にかかってしまった俺の。
口の端に垂れたそれをクロノアさんが舐めたかと思ったら、にこりと笑ってナカを指で掻き回すようにして弄ってきた。
「んく、ぅうンッッ♡♡♡ぁ、やぁっ♡♡ひ、ぃんン♡!!」
ごりゅっ♡とナカのなにかを押されて瞬間に持ち上げられて開かされた脚がピンッ♡と伸びる。
きゅぅう♡♡とクロノアさんの指を締め付けてイッたような感覚になった。
精液出てなくて、でも自分のモノは勃ったままぷるぷると震えている。
「ッ、〜〜♡、?っ…〰︎〰︎♡♡⁇」
「トラゾー、クロノアさんの中指だけでメスイキしたんかよ♡可愛いやつめ♡♡」
「ナカすごいうねってる♡俺の指気に入っちゃった♡?」
薬指も簡単に入ってしまって後ろを指2本で拡げられる。
くぱっ♡と後ろが拓いてナカに空気が当たりびくっと腰が跳ねた。
「やっ♡♡だめッ♡♡ひろ、げちゃ、ゃぁッ♡♡!!」
「トラゾーのナカすごいピンク色で可愛いよ♡早く俺たちの欲しいってヒクヒクしてる♡♡」
ナカのなにかをクロノアさんが指を増やしながら弄ってくる。
「んぁあっ♡♡ら、め!らめぇっ♡♡!へ、ん、になっちゃっ♡ぉ、お、れじゃ、なくな、り、ゅぅ…ッ♡♡♡!!」
「「なれよ♡♡」」
「ふぁぁあぁんッッ♡♡♡!!」
ぺいんとの言うメスイキじゃない深い絶頂感と共にぷしゃぁあ♡♡と水っぽいモノを吹き出した。
「ははっ♡潮吹きできちゃった♡あとでみんなにいっぱいさせてもらって、見てもらおうね♡♡」
「ゃぁっ♡♡!はず、かしぃ、で、す♡」
何度もナカを潰されるように弄られて潮吹き?をさせられる。
攣るくらい伸びたつま先も、持ち上げられる膝裏もガクガクと震えてきた。
「そろそろいいかな」
ずるっ♡とクロノアさんので指が抜かれて、俺の体液でぬらぬらと濡れている。
「すごいねトラゾーのナカこんな濡れて糸引いてるよ♡?」
「トロットロなカオじゃん♡♡」
「や、ッ♡ば、かっ♡♡言う、なよぉ…、♡!」
べちんッ♡♡とヒクついてる俺の後ろに熱くて硬いモノが当たる。
「ぇ、♡な、ん、で、すか、っ♡⁈お、れの、と、ちが、ぅ…ッ♡♡」
クロノアさんのは俺のと違って大きくて硬く反り勃っていた。
ずりずりと擦られてひくん、と後ろが切なく疼く。
「トラゾーのナカ俺のでいっぱいにしてもいい?」
ずりゅ♡と先端を擦り付けられて、触られてもないのに後ろが挿れてほしいとビクビクしていた。
「奥、たくさん突いてあげるよ♡」
「♡、♡♡!」
「俺もトラゾーのナカ入りたいから挿れてもいいよな♡?」
顔の横にぺいんとの勃ったのがいつの間にかあってほっぺに擦り付けられる。
「「トラゾーのハジメテ貰うから♡♡」」
膝裏をぺいんとが持ち上げたまま、クロノアさんが俺の身体を持ち上げた。
2人に挟まれて後ろにぺいんととクロノアさんのが充てがわれる。
「あ♡♡!」
ずぷんっ♡♡♡!!と狭い俺のナカに2人のおっきなモノが埋め込まれる。
苦しさとか圧迫感よりも快楽と多幸感で頭がいっぱいになっていく。
「─────〰︎〰︎〰︎〰︎ッッ♡♡♡♡♡!!!」
「「トラゾーありがと♡♡」」
「は、ぅ、う、んっ♡♡♡」
ぢゅぷっ♡♡とナカが抉り上げられて背筋が伸びて仰け反った。
喉仏をクロノアさんに噛まれて、項をぺいんとに噛まれる。
「っ、〰︎〰︎♡゛♡!〜~、〜♡!!」
噛んだ痕を吸われて舐められてクロノアさんたちが律動を始める。
「ふゃ、ぁ、あぁんっ♡♡!」
「トラゾーは次、誰とえっちしたい?いっぱい気持ちよくしてくれるよ?」
「みんな外で待ってるぜ?トラゾーのこと可愛がりたいって」
「あっ♡♡ぁ、あ、んッ♡!んんぅ〜〜っっ♡♡!!」
びくんっと身体が跳ねてメスイキをした。
止まりも終わりもしない絶頂感中にイッてバカになりそうなくらい気持ちがいい。
「ぴくとさんとか、スティーブ先生とか優しい顔してトラゾーのことめちゃくちゃ抱きたいって顔してたし」
「ひゃ、♡んぁ♡♡!ふ、っくぅうんっ♡♡♡」
ナカがもっともっとと疼いてきゅっと締めたら、クロノアさんとぺいんとのが大きく跳ねて熱いモノが広がっていく。
じわぁ♡とお腹のナカがあったかくなって、クロノアさんの胸についていた手を無意識にお腹に持っていって撫でていた。
「あったかい…♡♡」
「「っっ♡♡♡!!」」
「ひぅゔッ♡♡!!?ぉ、っき、くな、っ♡⁈」
射精したのに全然萎えてない2人の怒張は大きさを増す。
驚いてクロノアさんの腕にしがみついたけど、それが逆効果だったのかまたびくっと跳ねて大きくなっていく。
「…どうしようぺいんと、ちょっとまだ他の人には譲ってあげられねーや」
「…クロノアさん、同感っす。俺もまだ譲りたくねぇです」
「やんッ♡だめ、っ♡♡!も、ぉ♡やぁっ♡!」
密着されて、ぐぽっ♡♡と奥のダメな場所にクロノアさんのとぺいんとのが入ってきた。
見開いた目から涙が落ちて、開いた口からは飲み込めない涎が垂れる。
「お゛っ゛♡♡♡!!?」
「あーでもしにがみくらいは呼んでやりますか?」
「んーそうだね。トラゾーのことしにがみくんも心配してたし」
「し、に、がみさ、ん♡♡?」
「トラゾーはやだ?」
「ゃ、じゃ♡な、ぃ…っ♡♡」
俺のことを心配そうに見ていたしにがみさんの顔を思い出す。
みんなに心配をかけてしまったことがどうしようもなく申し訳なくて。
「俺、みん、なに、触って、ほし…ッ♡♡」
「「…あー、マジで」」
「「クソ可愛いすぎるわ、トラゾー」」
「ひ、ッ♡ゃぁ、っんン♡♡!」
ぴくとさんのが奥まで挿入ってきて、ナカを突き上げられる。
「ぴく、っさ、ぁッ♡♡!!」
「なーに♡?」
「お、ぉく、っ♡♡も、っと、♡」
「トラゾーさんかわいーね♡たくさん突いてあげるよ♡」
ずんっ♡!と奥を叩きつけられるように突かれて身体が仰け反った。
「トラゾーくん口開けて♡」
「ん、ぁッゔ♡♡!!」
スティーブ先生の大きなのが喉奥まで入ってきて苦しさに目を見開くけど嬉しいから頑張って咥える。
「トラゾーさんのおっぱいすごい可愛いですね♡」
「ふン゛んっ♡♡♡!」
しにがみさんの手で揉まれつつ乳首を摘まれながら捏ねられる。
「トラゾーくんのココ、だらしない汁が垂れてるよ」
「んぐぅうっっ♡♡!!」
潮も精液も出し尽くしたのに、トロトロした蜜を垂らす先端をステイサム先生の太い指でグリグリと抉られた。
気持ちいいところ全部を好きな人たちに触ってもらってメスイキばっかりする。
「ふ、ぅっ゛ッ〰︎〰︎〰︎♡♡♡!!!!」
身体の外も中もみんなの精液でいっぱいで。
嬉しくて興奮もしてる俺がいた。
「精液ぶっかけられて目ぇハートになってんじゃん♡」
「ら、だ、しゃ…ッ♡♡」
「トラゾーさんの身体真っ赤になってるし♡髪黒いから赤も白も目立つなー♡♡」
「ぐち、さ、っ♡♡」
「誰が誰のか分からんな♡」
精子も、噛み痕も、鬱血痕も、手の跡も。
俺の身体にはみんなのモノだという印がつけられている。
「ココも、もう俺らしか受け入れられねぇ身体になったもんなッ♡♡!」
「ッ♡!らだ、さ、んのッ♡♡おっき、ぃの、♡ぉく、き、たぁ…っ♡♡」
「俺のも、なっ♡♡」
「ぃき、な、り゛♡♡ぐち、さ、の、ぉぉき、しゅ、ぎ、る、ぅ…っ♡♡♡!」
「褒められちゃった♡♡調子のっちゃいそ♡」
ぐちゅぐちゅっ♡♡とらっだぁさんとぐちつぼさんので奥を乱暴に突き上げられて。
喘ぐ口の中にはリアム先生のが喉の奥まで入ってきて、ぐぽぐぽっ♡と出し入れされる。
「(えっちなことされてるのみんなに見られてる♡♡お腹のナカきゅんきゅんしてるのバレる…♡!)」
あの誰かも分からないあいつが触ってきたことを思い出すだけで嫌悪感と吐き気と寒気がしていたけど、すぐにみんなの愛撫やえっちなことをされたので霧散した。
「トラゾーが余計なこと考えられないよう、しっかり俺たちでお前のことを可愛がって愛してやる」
険しいけどいつも涼しい顔をしたリアム先生の顔は紅潮して眉を顰めた色気のある顔に変わっている。
他のみんなも見たことない、多分”雄”と言われるカオをしていた。
涙でぼやける視界の中で、俺のはしたない姿を見るクロノアさんもぺいんともしにがみさんもぴくとさんもスティーブ先生もステイサム先生も。
俺にえっちなことしてるらっだぁさんもぐちつぼさんもリアム先生も。
俺のことを好きだって全身で伝えてくれている。
だから俺はそれを同じように返す。
ずっとここにみんなといられることが嬉しい。
他の人なんて要らない。
俺にはみんながいればいい。
好きって自覚させてくれた、俺のことを好きでいてくれたみんなとずっと一緒に。
「さよなら♡もう会うこともない名前も知らない人たち♡♡」
コメント
4件
あなた、天才ですね…!?いや、元からか 設定も内容も全部が好きなんですが!?毎回美味しいものありがとうございます!
大変遅くなりました…!!
ポン酢2さん、今回のエピソードも最高でした…!! トラゾーが過去のトラウマと重なるような目にあって、でもクロノアさんたちが全力で守ってくれるところ、もう胸がギュッとなりました😭💕 特にクロノアさんの「俺たちのトラゾー」っていう独占欲と優しさが混ざった感じに滾りました…!あと、後半の「ハジメテ」のシーン、エモすぎて頭沸騰した🔥🔥 みんなでトラゾーのことを愛してるのが伝わってきて、こんなに愛されるトラゾーが眩しいです…✨ 続きが待ちきれないです、ポン酢2さんありがとうございます🌸