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ナオトたちは一旦、一箇所に集まると情報を整理し始めた。

『イエローズ』の件は解決。『ニイナ』の件も解決。薬の材料も手に入った。(『イエローズ』の種子)

残りは十一月の誕生石である『ゴールデンサファイアント』と『ハトパーズ』と『ウシトリン』の件だけである。


「えーっと、勢いで連れてきちゃったけど、お前らはここに住んでるのか?」


俺がそう言うと『ハトパーズ』が。


「ああ、その通りだ。だが、現時刻をもってお前の体内に入るつもりだ」


「へえ、そうなのか……って、今なんて言った?」


「お前の体の中に入ると言ったのだが、聞こえなかったか?」


「ち、ちょっと待て! そんな軽いノリで決めてもいいのか? もう少し話し合っても……」


「あなたのことを放っておけないから、仕方なくよ」


「よお! よお! お前の役に立たせてくれよ! マイブラザー!!」


『ウシトリン』と『ゴールデンサファイアント』も思いは同じようだ。(そのアリは『ウシトリン』の頭の上に乗っている)


「おいおい、本当にいいのか? 俺の体の中には『アメシスト』と『エメライオン』がいるんだぞ?」


「それは都合がいいな。誕生石を複数使用できる者など先代の誕生石使い以来だ」


「『ハトパーズ』……お前」


「さあ、ナオト。そろそろ答えを聞かせてくれないか? 十一月の誕生石である我らを取り込むのかどうかを」


「そ、そんなこと急に言われても俺は……」


その時、『イエローズ』が彼を後ろから抱きしめた。


「ついでに私もお前の中に入りたいのだが、構わないか?」


「な、何言ってんだよ。お前はまだ生きられるんだろう? せっかく人の姿になれたのに俺のせいでお前が自由になれないなんて俺は……」


「私はお前と共に余生を過ごしたいんだ。ダメか?」


「……な、何なんだよ! お前ら! そんなに俺と一緒にいたいのか!?」


十一月の誕生石たちはコクリと頷《うなず》き、『イエローズ』は「……ああ」と言った。


「……どうして俺のところに、こんなに集まってくるんだよ。大勢いたんじゃ、俺がゆっくりできないじゃないか」


「それがお前の運命だ。諦めろ」


「運命……か。『|ローズ《おまえ》』に食われかけたのもその運命のせいだっていうのか?」


「ああ」


「俺がここに来ることもか?」


「ああ」


「俺が十一月の誕生石たちと出会うのもか?」


「ああ」


「……実感が湧《わ》かねえよ」


「今はそれでいいさ。だが、お前が私たちをどうするのかは今決めろ。でないと後々、後悔するぞ?」


「…………」


「ナオト、逃げるのはよくないぞ」


「……………………」


「ナオト、いい加減に答え……」


「あー! 分かったよ! お前ら全員、俺の中に入りたきゃ勝手に入れよ! ただし、クレームは一切受け付けないからな! 覚えとけよ!!」


十一月の誕生石と『イエローズ』は。


『……ありがとう、ナオト』


ただそれだけを言って、ナオトの体の中に入った。(ナオトの胸骨付近から金色の光となって体内に侵入した)



「……さ、さあて、用も済んだことだし、そろそろ帰るか!」


ナオトが泣きそうになっていたのをみんなは知っていたが、あえてそれは言わずに彼の指示に従うことにした。

だが、その時、彼らの前に立ち塞《ふさ》がった者がいた。それは……。


「昨日の大会ぶりだな。少年」


その声を聞いたナオトは一瞬、怒りの感情が体外へ出そうになったが、ぐっと堪えながら、こう言った。


「ミノリに顔面を何度も殴られてぐしゃぐしゃになってたはずのあんたが俺に何の用だ?」


「ふん、あの程度の攻撃など、我が師の回復魔法にかかれば、このとおりよ」


「ついでにその偉そうな髭《ひげ》を剃《そ》ってもらえばよかったんじゃねえか? なあ、おっさん」


「少年よ、あまり大人をバカにするものではないぞ?」


「あっ、そう。んじゃあ、今からあんたに新しい力を見せてやるよ」


「ほほう、それは楽しみだな」


「驚くなよ。この力は今日初めて使うし、さっき手に入れたばっかりだからな」


「それはますます楽しみだな。では早速見せてもらおうか。新しい力とやらを……」


彼の言葉を聞いたナオトは、この男に手加減をする必要はないと改めて思った。

それと同時に昨日の大会では引き分けになったが、今度こそモンスターチルドレンを化け物呼ばわりしたこの男を倒すと心に誓った。


「俺に会いに来たことを後悔させてやる! 覚悟はいいよな? オメガ・レジェンド!!」


「……来い、少年。そして、私を楽しませろ!」


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」


ナオトの周囲に金色の光の玉がふわふわと漂い始めたかと思うと、彼が叫んだ瞬間、一気に彼の体に集合し、彼の力となった。


「これが俺の新しい力。『|大罪の力を封印する鎖《トリニティバインドチェイン》……|十一月の誕生石の形態《トリプルゴールデン・モード》』だ!」


彼が纏《まと》った金色の鎧には金色の翼が背中に生えており、全体的に牛の体のような頑丈さが感じられた。

頭にはV字の触覚(?)のようなものが生えている。(目は黄緑。十本の金色の鎖はひし形のダイヤモンドのような先端だけ腰のあたりから出ている)

これが『ハトパーズ』と『ウシトリン』と『ゴールデンサファイアント』の三つを合体させたナオトの新しい力である……。


「行くぞ『オメガ・レジェンド』。魔力と体力は充分か!」


ナオトは彼を倒すことができるのだろうか。

それにしても、なぜ『オメガ・レジェンド』はナオトのところへやってきたのであろうか……。

※ナオトのその鎧は『|射手座《サ○タリアス》の|黄金聖衣《ゴールドク○ス》』のようだったが、ナオトの鎧は全身を覆っているため少しそれとは違う。

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