〈 注意!! 〉
・これは完全妄想の物語となっております。
・御本人様とは一切関係がございません。
・キャラ崩壊にご注意ください。
戦い描写、少しグロめな表現を含んでいます
苦手な方は自衛をお願いいたします
※『視点主』「その他の人」〔”無線”〕です
今回限り敵組織の会話は《 》でいきます
[ヴァンダーマー視点]
日本から帰ってきて数週間、あれほど忙しかった日々が嘘だったように落ち着いた毎日を過ごしていた。
いつものように警察からチェイスで逃げ切って戻ってくると、ふと郵便ポストと目が合った。
そのまま中を見れば、薄い封筒がひとつ。
とりあえずアジトの中に持ち帰った。
「何か…禍々しくないですか、それ」
というキミトスと共に封を切る。
入っていたのは三つ折りの紙。文字は墨で書かれているのか、少し透けて見える。
その表紙には大きく“果たし状”と書かれていた。
『…なんだこれは?』
「何だろう…初めて見たなぁ」
「何らかの呪いだったりして、、?」
「うへぇ、やめてくれよ…」
皆寄ってたかって好きなように言っていた。
「まだ中があるようですし、一旦見てみませんか?」
ルーファスの提案にそうだなと返事をし、手紙を開いた。
なにやら難しい文字で沢山書いてあったが、内容をざっくりと説明するならば
・”花月”というギャング(日本だからヤクザか?)からの抗争依頼
・MOZUとの一対一希望
・決戦の日は11/05
といったところだろう。
『”花月”か…』
「ボス知ってるんですか?」
『あぁ…以前日本で散々世話になった輩だ』
それだけで皆察したようだ。
さっきとは打って変わって重く纏わりつくような空気が漂っている。
『…とにかく、私は状況を説明に行く。他は一旦任せたぞ』
急遽市長を交えたボス会議を開き、今の状況を説明した。
『……ということだ』
「そりゃまた…大変なことになったね、ヴァンさん」
「ホントにMOZUだけで大丈夫なの?」
『相手が指定している以上従うしかないしな…』
「取り敢えず…ありったけの武器とアーマーはお渡しします」
「助太刀には入れないだろうがなッ 街の未来もかかってるし応援してるよッ ナァ!」
「こちらもその日は白市民にも外出等禁止するよう伝えておく、頑張ってくれ」
『あぁ…助かるよ』
会議終了後、胃の痛みを騙しつつ頂いた武器と共にアジトへ戻る。
会議をしている間に救急隊と個人医、警察にまで話を通してくれたようで、 残っているのはその日に向けて準備をすることだけだった。
[ルーファス視点]
数週間後に他国の組織と抗争。
忙しかったからこそ時間が過ぎ去るのは一瞬で、抗争は明日に控えていた。
集合場所へ行くために、人影すらない静かな街を走り抜ける。
「、、誰もいないな」
『…そうですね、ダーマー様』
負ける訳にはいかない。
いつもの何倍もの緊張が体を駆け巡り、ハンドルを握る力が強くなる。
「確かに相手は強い奴らだが…安心しろ、私たちは絶対に負けない、、俺が絶対に負けさせない」
『、、今回は私たち全員います。皆頼れるものばかりです。…ひとりで背追い込まないでくださいね』
「勿論だ…まぁルーファス、お前も無茶はしすぎるなよ」
少しだけ、緊張が緩んだような気がした。
絶対に負けない。負けさせない。
そう心に誓い直し、車を飛ばした。
目的地には既に、どうやってこの街に来たのかわからないほど相当な数の敵組織が待機していた。
音で気づいたのか、中心にいた人物がこちらに顔を向ける。
《お久しぶりですね、ヴァンダーマーさん》
「あぁ…日本では、、世話になったなぁ」
(『あれが、、”花月”…何て迫力を…』)
(『人数もガタイも、、私たちなぞ比にならないほど…』)
《皆さんもうお揃いですね?》
《…ではそろそろ始めさせていただきます》
「あぁ、、、臨むところだ」
遂に抗争の幕があがった。
今回の勝利条件は相手のボスを倒すこと。
逆にこちらが全員倒されれば敗北となる。
文面で見れば、どう考えたって相手には平等ではない条件だ。
けどいざ目の前にすると…あれはハンデでも何でもなかったのだと、思い知らされた。
もちろん、地形把握などの観点からどう考えても私たちの方が有利な位置にいる。
そのはずなのに…
〔”ッ空港ひと足りません!!”〕
〔”レギオン周り今危険です!”〕
〔”カジノまずいッ…やられ、、、ピピピッ”〕
…無線から聞こえる仲間の声はどれも、、悲惨なものだった。
ッパァ..ン‼︎
気づけば私も後ろを取られていたようで。
相手の銃弾が頬を掠めた。
振り向き音が鳴った方を撃つも、当たってはいないようだ。
『ッくそ、、』
まだ銃を構えて狙いを定めていると、くつくつと笑い声が聞こえた。
その瞬間敵組織のボスが目の前に現れ、その構成員に周りを囲まれた。
《はぁ…残念ですねぇ、本当に…》
溜息をつきつつ、こちらに近づいてくる。
『…こんなおいぼれに何か用ですか?』
《いやぁ…言い忘れたことがありましてね》
《後から何かしら言われても面倒なので伝えに参りました》
何かがぞくりと背中を流れた。すごく嫌な予感がする。
《そちらが負けたら…ヴァンダーマーさんを日本に連れ帰らせていただきます》
意味がわからなかった。何を言っている?
最初からそれが目的で抗争を仕掛けてきたのか…?
『…、、聞いてませんが、そんなこと?』
心を落ち着かせてから言ったつもりだったが、想像以上に声は震えていた。
《えぇ、手紙に書き忘れてしまってね》
《あの方はそちらの組織にはふさわしくない、あれほど強いのに…》
日本で幾度も勧誘を行っていたそうだ。
まぁ毎回躱されたり、ばっさり捨てられたりしていたようだが…
そんなことよりも…まるでMOZUがもう負けたかのような口ぶりで話すのは許しがたい。
『勘違いされているようですが…まだ勝負はついていませんよ』
『まさか…そんな簡単に我らがボスを奪えるとでもお思いで?』
絶対に渡さない。奪わせもしない。
「よく言ってくれた友よ」
どこからともなくダーマー様の声が聞こえた。
気づけば少し奥にその姿が見えた。
《…何故だ!強い者は強い組織にいるべきだ、そうでしょう?!》
「馬鹿か、俺らより弱い組織になんていくかよ」
そう言い捨てた瞬間、ザッと周りをMOZUの面々が囲んだ。
皆包帯を巻いたりはしていたが、まだ戦える顔をしていた。
〈は、、?〉
「ゲームセット…どうだ?敗北の味は?」
ぎりりと歯軋りが聞こえた。
その瞬間、相手の銃口が私に向いた。
撃ち返そうとした時には既に、体が言うことを聞かなくなっていた。
抵抗も虚しく、頭から地面へ倒れ込む。
直後、仲間の怒号が聞こえた。
暗闇に染まる中、こちらへと走ってくるダーマー様が見えた。
その場は、誰かが敵組織に銃を放ったのを皮切りに、銃撃戦へと突入していた。
「おい、ルーファス!、、大丈夫か…?!」
泣きそうな顔でそう叫ぶダーマー様。
私のことはいいからと伝えたくても声が出ない。
「っぐ、、とにかくここは危ない、引くぞ」
そのまま横抱きされ、走り出した。
そのときには敵組織の構成員で立っているものはほとんどいなくなっていた。
私たちの周りにも随分と空間ができていた。
意識を手放す寸前、ダーマー様の動きが止まった。
と思うと上から何かが落ちてきた。
暖かい…なんだ…?
そう思い力を振り絞って顔を上げる前に見えてしまった。
ダーマー様を貫通している刀が。
もし私が抱えられていなかったら、、、
こんなことにはならなかった。
驚いた衝撃で私の傷口が開いたのだろう。
不甲斐ない自分自身を呪いながら、私は意識をなくした。
[ヴァンダーマー視点]
ルーファスが撃たれた。
俺が相手を煽るような発言をしたから。
目の前だった。守れたはずなのに。
気づけば大声で名前を呼び、彼を抱えていた。
その時にはもう何も見えていなかった。
飛び交う銃弾。
掠ろうがなんだろうが気にせず走る、、走る。
この激戦区から抜け出さなければ。
一刻も早くルーファスを安全な場所へ…!
その一心で走った。
もっと周りを警戒すべきだった。
急に胸元が燃えるように熱くなり、そこから感覚が失われていく。
確認するために下を向けば、苦しそうな顔をしているルーファスと目が合う。
後ろからキミトスの叫び声が聞こえる。
他の皆も口々に私の名前を叫ぶ。
痛い。熱い。何が起こった?
だがこんなところで止まっていられない。
俺の体などもうどうでもいい。
大切な人が助かるのならば、どうだって。
そこからの記憶は曖昧だ。
ルーファスを救急隊、、個人医だったか?
白衣を着た誰かに託した。
ルーファスは無事なのか?抗争はどうなった?
たくさんの不安と自責の念に駆られながら、俺も意識を失った。
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