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コメント
28件
初コメ失礼します。さっき見つけて一気に読まさせていただきました! 感情の表現とか言葉の使い方とかが全部綺麗で、尊敬しかないです! これからも応援してます!
初コメ失礼します!だいぶ前から見させていただいているのですが、マジでこむさんの書き方うますぎて作品によって1人でポロポロ泣いてます。これからも投稿待ってます!
めちゃくちゃ好きです!! こむさんの書く描写がすごい綺麗でほんとに尊敬です😭✨ 続き楽しみにしてます…!!
僕ら5人は黒いスーツを身に纏っていた。
それは誰かを守るために着ていた鎧ではないし
誰かへ信頼を示す正装でもない。
それは、世界へ弔いを捧げるための礼服だった。
胸元を締めるネクタイだけを、それぞれ違う色にして。
僕は赤。
ぼんさんは紫。
おんりーは黄色。
おらふくんは水色。
MENはピンク。
まるで昔のように、それぞれを表す色を。
4人の胸ポケットには、一輪のまだ咲いていない蕾が添えられている。
静かな部屋に、五人だけが立っていて。
誰も笑わない。
誰も迷わない。
その沈黙を破ったのは、おんりーだった。
ゆっくりと僕の前へ歩み寄る。
そして静かに片膝をつく。
その姿はまるで、王へ忠誠を誓う騎士のようだった。
おんりーは僕を見上げ、穏やかに微笑む。
あの日と同じ笑顔。
優しくて温かい表情。
だけど、その瞳の奥には、今もなお深い闇が沈んでいる。
おんりーは何も言わず、僕の右手をそっと取った。
傷だらけの僕の手。
今になっては汚い手に見えて仕方ない。
世界を守るために振るい続けた、この手を。
人を守ったつもりだったのに、人に嫌われた僕の手を。
丁寧に持ち上げる。
優しく、僕を肯定するように。
そして。
静かに、手の甲へ口づけを落とした。
触れるか触れないかほどの、短い誓い。
それにどういう気持ちが込められているのかは、おんりーしか知らないだろう。
祝福が、あるいは忠誠か。
その、瞬間だった。
おんりーの胸ポケットに差していた蕾が、小さく震える。
淡い光を纏いながら、ゆっくりと花びらが溢れるように開く。。
鮮やかな黄色。
けれど、その花言葉は希望ではなく。
過去に縛られた想いと、胸に秘めた痛みを映すような復讐の黄色い花だった。
おんりーは静かに立ち上がり、僕の隣へ戻る。
何も言わない。
言葉など、もう必要ないかのように。
続いて、ぼんさんが前へ出る。
「……こういうの、柄じゃねぇんだけどな。」
頭を掻きながら、小さく苦笑する。
それでもその足取りに迷いはない。
僕の手を取り、静かに頭を下げる。
一瞬だけ目を閉じ。
短く口づけを落とす。
すると、紫色の蕾が音もなく花開いた。
静かな部屋に、一輪の紫が咲く。
消失や悲しみを連想させる深い紫色。
ぼんさんは肩をすくめながら元の位置へ戻った。
「ま、ここまで来たらみんな仲間だ。」
その言葉に、誰も返事はしなかった。
だって、思っていることは同じなのだから。
次に、おらふくん。
いつもの慈愛に満ちた笑顔を浮かべながら歩いてくる。
「えへへ。」
少しだけ照れたように笑う。
けれど、癒し手のおらふくんの笑顔の奥には、誰にも癒せない傷が残っていた。
僕の手を優しく包み込む。
昔、子どもたちの頭を撫でていたその手で。
そして静かに口づける。
水色の蕾が、澄んだ光を放ちながら咲いた。
謝罪と慈しみの優しい水色を輝かせた
まるで涙を閉じ込めたように、美しい花だった。
最後に、MEN。
「なんか儀式っぽくてかっけぇな」
明るく笑っている。
傷ついてないように見える顔。
でも、その笑顔が無理をしていることを、ここにいる四人は言われずとも気づいていた。
「じゃ、俺も。」
軽い調子で僕の前へ立ち、手を取る。
なのに一瞬だけ真剣な表情になって。
静かに誓いを刻む。
その途端、胸元の蕾は鮮やかなピンク色の花を咲かせた。
深い、深い後悔の淡いピンク色を纏わせて。
これで、4人の花が咲いた。
ただし、僕だけは。
最初から胸元に、赤い花が咲いていた。
蕾ではない。
とうに開ききった一輪。
血のように赤く。
燃えるように鮮やかな花。
もう二度と蕾には戻らない残酷なほどに綺麗な花。
それは、僕が最初にこの道へ踏み出した証。
おんりーの手を取った時点で、英雄の僕はもう死んでいた。
おんりーはわからない。
僕が手を取った時点ではまだ堕ちていなかったのか。
それとも党に英雄として死んでいたのか。
五人は静かに顔を見合わせる。
黒いスーツ。
色違いのネクタイ。
胸元に咲く、それぞれの花。
かつて世界を救った英雄たちは。
今では誰一人として英雄の顔をしていなかった。
悲しそうに。
苦しそうに。
悔しそうに。
それでも、その瞳だけは揺るがない。
今日もまた。
世界は僕らを「悪」と呼ぶ。
ならば、その名を受け入れよう。
偽の英雄として。
ある日のこと。
涼しい空気が満ちた夜であった。
「ドズルさん。」
静かな部屋に、おんりーの声が響いて。
僕は振り返った。
そこには、いつもと何も変わらない彼がいた。
ふわりとした柔らかい髪に
黒縁の眼鏡の奥から覗く優しい目。
穏やかな笑顔。
誰が見ても安心するような、温かい笑み。
「敵襲です」
「…え?」
まるで「お茶が入りましたよ」とでも言うような軽さで告げられた。
その口元は、笑っている。
僕は、その笑顔から目を離せなかった。
…なんで。
なんで、笑ってるの?
世界に裏切られて。
国に捨てられて。
誰よりも国を愛していた君が。
誰よりも人を信じていたと言われている君が。
どうして、そんな風に笑えるの。
「おんりー、大丈夫?」
つい、口から出た言葉。
あの手を取った時、君はまだ壊れていないように見えた。
敵襲がくるのは5人全員が予想していたことだ。
けれど君は悲しい顔をするのかと思っていた。
それでも変わらない笑顔。
その笑顔は優しくて、
ずっと同じ。
何も変わっていないように見える。
「えぇ、大丈夫です。」
何に対しての答えなのか。
まず僕の問いが何に対してなのか。
全部わかんないけど。
そのままおんりーは続ける。
「そんな顔しないでください。俺、実はすごい人なんですよ?」
きっと僕は誰の目から見ても悲しい顔をしていたのだろう。
すごい人、って。
愛国者の君は、何をしてこんなに慕われる人なの?
僕は、おんりーのこと。
思っているより全然知らない。
ずっと笑顔でなにも変わらない君。
だけど本当は違うって。
僕はそれは知っている。
あの日から、おんりーは一度も本当の意味で笑っていないってこと。
口元は笑う。
声も柔らかい。
人にも優しい。
だけど目は苦しそうだ。
あの瞳の奥には、底の見えない泥のような感情が沈んでいる。
それでもおんりーは、笑うんだ。
まるで、自分が苦しんでることを誰にも悟らせないように。
「数は?」
僕が尋ねると、おんりーは目を閉じて数えた後。
「ざっと三百人くらいです。」
にこり。
「みーんな、俺らを討伐しに来たみたいです」
その言い方も。
その笑顔も。
あまりにも全部がいつも通りすぎて。
ぼんさんは椅子から立ち上がり、大きくため息をつく。
「さすがに来たか…俺らは世間一般では裏切り者だしな」
おらふくんは少しだけ困ったように眉を下げる。
「話し合いは……無理そうだね。」
「だろうなぁ。」
MENは肩を回しながら笑う。
「ま、殺される前に返り討ちってことで!」
誰も驚かない。
誰も焦らない。
英雄であったときから、敵はいた。
こういう日常に、もう慣れてしまった。
僕はゆっくりと剣を手に取る。
その時。
視界の端で、おんりーが窓の外を見つめていた。
遠くから聞こえる怒号。
「偽英雄を討て!」
「世界の敵を殺せ!」
そんな叫びを聞きながら。
彼は、静かに微笑んでいた。
その横顔は、不思議なくらい穏やかで。
悲しそうでも。
苦しそうでもなく。
ただ、優しかった。
だからこそ。
胸が痛んだ。
…おんりー。
君は、本当は今でも人を憎みきれていないんじゃないかな。
それでも笑うのは。
誰かを安心させるために身につけた癖だからなのか。
それとも。
泣き方を、忘れてしまったからなのか。
僕には分からない。
分からないまま。
「行こう。」
その一言だけを告げる。
おんりーはいつも通り、小さく頷いた。
「はい、ドズルさん。」
その笑顔だけが。
あの日から、一度も変わらないままだった。
第二話でした!!!
誤字脱字あるかもです!!
あったら教えてください
考察要素めちゃ少ないっす
なんならまだない!!!ごめんん!!
それでも、楽しんでいただければ幸いです
よければ、ハート、コメント
よろしくお願いします!!!
それでは、また