シルベストル伯爵様の部隊が、日付が変わってから夜が明けるまでの間には王都に到着されるとのことで、わたしは隊服を着替えないまま寝台でうとうとと体を休めていた。
まだ指輪印章の力は使いこなせていないけれど、その場にいればわたしにだってできることがあるはずだ。
そう思いながら浅い眠りに落ちかけたそのとき――王宮の正門付近から、馬のひずめの音や、人びとが言葉を言い交わすどよめきが遠くに聞こえてきた。伯爵様の部隊が帰ってきたのかもしれない。
わたしは飛び起きて窓辺に寄り、暗闇の広がる中央広場に目を凝らすと、遠目に見える正門から歩兵や騎兵といったたくさんの兵団の人びとが帰還する陰が見てとれた。
軍勢の持つたいまつがかがり火のように揺らめき、蔓草をリース状に描いたセラフィナ王国の紋章のある軍旗がいくつかはためいている。
――来た……!
わたしが踵を返して部屋を飛び出そうとしたそのとき、誰かが************************
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