テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
⚠️ absk
ab side
突然雨が降り出した。
天気予報は晴れだったのに、急に。
まるで何かの間違いみたいに。
裏口で立ち止まっていると、後ろから声がした。
🩷「あれ、abちゃんまだ帰らないの?」
びっくりして振り返ると、ピンク髪の君がいた。
いつも通りの顔で、当たり前のように話しかけてくる。
それが少しだけ変だった。
🩷「話したいことあるんだけど、いま大丈夫?」
その一言で、全部わかった気がした。
理由なんか聞かなくても、
なんとなく、終わるんだなって。
🩷「俺たち別れよっか 」
やっぱり。
雨の音が強くなってく。
まるでタイミングを合わせたみたいに。
💚「なんで?」
そう聞けたのは自分でも意外だった。
🩷「なんだろ、うまく言えないけど」
君は困った顔をして
「気持ちのすれ違いってやつ?笑」と笑って言った。
その曖昧さがいちばん痛かった。
skm side
嫌いになったわけじゃない。
喧嘩したわけでもない。
ただ、終わる。
そんなの、お互いに納得してるわけじゃないのに。
本当は言いたいことがたくさんあった。
まだ好きだよとか話し合おうとか
でもどれも言えなかった。
今更言っても、変わらない気がしたから。
abちゃんは俺のことをもう好きじゃないから。
💚「…そっか 」
abちゃんから出てきた言葉はそれだけだった。
少し間が空いてからわかった、と言われた。
その言葉で全部終わったんだなって実感した。
ab side
外に出ると、雨はまだ降っていた。
傘をさしても、足元は濡れていく。
通り雨みたいに、すぐ止むはずなのに
なんでこんなに冷たく感じるんだろう。
もし、魔法が使えたなら。
この時間を止めて
ちゃんと全部ぶつけられたのかな。
でも、そんなものはないから
ないってわかってるから。
ポケットのスマホを開く。
君とのトークは、 まだ一番上にあった。
消そうと思えば消せるのに
指が動かない。
「そんなにいい恋じゃなかったじゃん」
小さく呟いてみる。
なのに、楽しかったことばっかり浮かんでくる。
笑った顔とか、
どうでもいい会話とか。
忘れたいのに、忘れたくない。
⸻
雨はいつの間にか止んでいた。
空は少しだけ明るくなっている。
なのに、心の中だけまだ降り続いているみたいだった。
魔法が使えないから / とけた電球
通り雨 / SHISHAMO