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ゴジラ   ~Stage Series~

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ゴジラ ~Stage Series~

7 - 第4話 「ゴジラ NeverEnd Stage ~縫い合わさる道~」

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74

2022年04月12日

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三里たちが海の彼方へ消えるのを洞窟の中から見ていたモスラは、自身の使い物にならなくなった釜と翼を見る。ジリジリと痛む傷を見遣ったモスラは祭壇の上へ登る。そこには卵があった。モスラはその卵を包み込むように座り、瞳を閉じた、目覚めることの無い眠りの為に ━━━━━━ 。







2084年 ━━━ 海の中を何隻もの潜水艦が進む。。ここは大浜の海奥深く。潜水艦は地面に向かって光を照らす。そこには、今や骨と化したギドラの姿。

「ギドラ、発見しました。」

「素晴らしい、回収しろ。」

「了解。」

潜水艦のモニターからギドラの骨を見たアルバートは笑った。

「一つも残すな。全て、地下に運べ。」

「了解。」

そうしてギドラの骨は大浜から姿を消した。

ギドラの骨はある地下へと運ばれ、機械の骨組として使われた。バチバチと火花が散り、次々と機具が取り付けられる。



2089年 3月25日 ━━━ 孤島の洞窟、祭壇の上の卵が動いた。

「未来、もうすぐで新しいモスラが生まれるわ。」

「はい、姉様。」

過去と未来は手をあわせ、卵がかえるのを待つ。すると、卵にヒビが入る。

「……あっ。」

「…えっ。」

二人は驚いた。なんと、卵から二匹のモスラが生まれて来たのだ。しかし、片方は普通の幼虫なのだが、もう片方は黒く、赤い瞳。幼虫にしては硬い甲殻に覆われており、所々に赤黄色の目のような模様がある。そしてなんと言っても、頭に付いた黄色の大きな角。

「まさか、こんな事が、。」

「ええ、。先代のモスラを受け継いだ姿ですね。」

二匹が動く。一匹が黒い方に近付こうとすると、黒い幼虫は角から電気をバチバチと鳴らし威嚇した。双子が様子がおかしい事に気付いた。黒い幼虫は洞窟の外へ歩みを進めた。

「『バトラ』?どうしたの?」

バトラと呼ばれる幼虫は双子の言葉を無視し海に向かった。モスラの幼虫が「きゅうぅ?」とバトラに呼びかける。しかし、バトラはそのまま海の中へ消えて行った。



海の底で、ゴジラは眠る。しかし、何かの気配に目を開け、気配のする方向を向く。そこには、角をバチバチと鳴らし威嚇する、バトラの姿。ゴジラも牙を剥き出しにし威嚇する。ゴジラは地面を脚で蹴り、バトラに飛びかかった。バトラに噛み付こうとしたが、バトラの皮膚が頑丈過ぎる為、噛み砕く事が出来なかった。すると、バトラが角を光らせ、ゴジラに電流を放った。素早く攻撃を避け、バトラの頭上に上がる。バトラが上を向いた瞬間、ゴジラは手でバトラの頭を掴み地面に押し付けた。地面にめり込んだ事に気付き、バトラがゴジラを鋭く睨む。ゴジラはバトラを見遣ってから、双子らが居るであろう、孤島へ向かった。

孤島に上がると双子とモスラの幼虫がゴジラを待っていた。

「『ゴジラ、待っていました。』」

『”きゅうぅあぁ?”』

『”ぐるるる、、”』

ゴジラが屈み、モスラの幼虫を見つめる。幼虫はゴジラに近付き、ゴジラの鼻先を自分の脚でつついた。

「ゴジラ?先程はきっと、バトラと戦った事でしょう。」

その言葉にゴジラは頷く。幼虫はまだ、ゴジラをよじ登ったりして遊んでいるが、不意に幼虫が落ちそうになるとゴジラは両手で支えてくれる。

「…バトラは今、どうしているのでしょうか?」

その言葉にゴジラの目が少し泳いだ。

「『………えっ?!し、沈めたっ、、?!』」

「………と、とりあえず、ゴジラ。今また、怪獣が利用されようとしています。大浜の沖合にあるギドラの気配が消えていました。。」

『利用』と言う言葉に強く反応したゴジラは自身の身をもっと屈めさせ、双子の話に聞き入る。モスラの幼虫も双子の話を真剣に聞いている様子だった。一通りの話が終わると、ゴジラは立ち上がり、双子や幼虫に向けペコッと頭を下げた。そして海に戻って行く。

「保護団体の方々に似てるわね。」

「ええ、微笑ましいわ。」

双子は笑い、幼虫の頭を撫でた。

ゴジラは大浜の沖合に向かっていたが、やはりギドラの骨は跡形も無くなっていた。当たりを捜索しながらゴジラは地上に上陸する。ゴジラが大浜から上陸した事はニュースとなり、三里たちも会社のニュースで見たのかどうした、どうしたと外へ出る。ゴジラは三里に近付き、鼻を鳴らした。

「…どうしたん、ギャラクシア?」

すると、双子が三里らの目の前に現れた。

「『皆さんっ、これから注意して居て下さい。大浜の海の底にあったはずのギドラの骨が何者かによって、奪われてしまいました!』」

「はっ?! マジでっ?!! 気を付けないかんな、。」

「…………三里さん、、ギドラって、結構前にゴジラが倒した怪獣じゃないですか?」

「そそ。まあ、骨を取った奴は大体、予想はついてんのよ。なんちゅう連中かは、知らんけど。」

「誰かは分からないんですか?!」

「あぁえっと、、多分、。君ら、13年前の事知ってる?」

「『はい、。』」

「うん。その時に核爆弾が使われたのも知ってる?」

「知ってます。」「知らんかった、、。」

「えっとまあ、その核爆弾を撃った奴らが居てそいつらやないかなってなってる。」

「………それって、やばくないっ?!」

「…まあ、何かに利用する事は確かやな、。」

「骨をどうやって、」

『ぐるるるっ、、。』

三里たちとゴジラが真剣に話し合ってるのをしのぶと遥輝は口を開け見ている。

「…………バカデカい怪獣と人間が真剣に会話してるのって新鮮だよね、。」

「……うん、。」

その日は一旦各自戻る事になった。

四人は職場に戻るも、しのぶはまだ、何か気になっている様子だった。 ━━━━━ 昼

「……先輩?あのギャラクシア君って、なんであんな見た目なんですか?」

「おん?…うーん、なんでやろ。あの子、小さい頃にうちの会社に来たから、、。」

「そうなんですかっ?!」

「うん、詳細は分かってないがよ、。」

「なるほど、。」

「ただね、あの子はゴジラの子だってのは分かってるんよ!」

「えっ?!そうなんですかっ?! ……似てないですね、。」

「……うん、うちも思ったw」

「でも、似てるところも多いように思えますよね、。」

「うんっ、そうながよ!!特に目がね!例え、どんな形で産まれようとも、血の繋がった家族だからね。出来れば、マグロ君にギャラクシア君、見せてあげたかったなぁ、、。」

「……会えなかったんですよね、、。」

「うん、マグロ君は息子を見る前に死んじゃったから、、。」

心の中で惨いなと思い、しのぶは顔を顰める。しのぶは涼にお礼をし、仕事に戻った。

その夜、海の底に身体半分が埋まった状態のバトラが赤黒く光り出す。孤島でもまた、モスラの幼虫が蛹になろうとしていた。

2日後 午前 3時12分 ━━━ ゴジラは陸地に上陸。向かうは広島、ゴジラは広島市の原爆ドームを通り、街中に入る。ゴジラを囲むように飛ぶヘリ。避難所には多くの人で立ち混んでいた。警察や軍人が懸命に市民の誘導や指示をしている。街中に入ったゴジラはまだ、逃げきれていない住民に近付き手の平に入れ、ビルの屋上に乗せた。徐々に天候が悪化していき、ゴジラは曇った空を睨み付けた。そこに三里らが到着する。

「ギャラクシアっ!!!! こっちっ!!!!」

ゴジラはその声に反応し、一つのビルに近付いた。そこには三里、マイク、しのぶ、遥輝が居た。

「ギャラクシアっ!この悪天候はここだけやけんっ!! 広島にギドラの骨があるのは確かやでっ!!!!」

「ギャラクシアさんっ!!昔の資料とかを参考に調べた結果、この悪天候は普通じゃおかしいですっ!!きっと、怪獣が巻き起こしたものだと考えれますっ!!!!」

三里と遥輝は大風が吹き荒れる中、ギャラクシアに状況を説明する。しかし等々、雨が降り始め風も激しさを増す。



海の奥深く、化石のように黒くなったバトラの身体に亀裂が走る。亀裂からは赤い光が漏れ、バキバキと立てながら大きな羽根が、そして成虫となったバトラが姿を現した。殻を破り、海の外へ飛び出す。孤島の洞窟でも、成虫となったモスラが蛹から抜け出した。

きゅうぅあぁああぁぁああぁぁっ!!!!!!

兄弟を呼ぶモスラ、その声はバトラには届かない。しかし、バトラが向かう場所はモスラには分かっていた、━━『広島』。モスラは雨が降る空へ飛んで行った。



段々、雨が強くなり、市民の避難も終わる。司令塔はレーダーに映る巨大な物体に気を付けるよう三里らや軍に呼びかけた。その時、

ごおおぉぉぉおぉぉおおぉんっ!!!!!!

真っ黒な雲の中からけたたましい咆哮が聞こえた。ゴジラが空を睨む。

「……ギャラクシア、気を付けろ、、。」

すると、雲から光が差す。二つ、赤い光と黄色い光。雲を割って来たのは羽根を羽ばたかせ降りて来るモスラとバトラの姿。

「……綺麗、。だけど、なんで二匹も居るの?」

「…モスラ?」

今までモスラを一匹ずつしか見た事がないからか、皆が同じ反応をした。

「なんだ、あの、モスラ?は、。」

「あれはモスラではなく、『バトラ』です。」

「『バトラ?』」

すると、バトラはゴジラに向かって行く。ゴジラの胸部に体当たりし、直ぐ離れる。そして角に電気を為、ゴジラに放った。ゴジラに直撃した電流は爆発し、ゴジラが体勢を崩す。しかしまた、バトラが放った電流を素早く避けバトラに熱線を放とうとして、背びれを青白く発光させた。しかしゴジラのまえにモスラが立ちはだかり、熱線を阻止する。ゴジラは熱線を溜めるのを止めモスラから距離をとる。バトラはこの間にも、ゴジラに攻撃を加える。

「ちょっ、『ルビー』はなんで、ギャラクシアを攻撃すんのっ?!!」

「モスラは敵になったんですかっ?!!」

「『味方ですっ!!!!』」

「でもっ、、!」

「『バトラは破壊の守り神として、崇められていました。その名の通り対象を破壊する事で人間を守ります。』」

「…やっば、、。」

「でも、ギャラクシアは何もしてないんやけど?とばっちりじゃね、?」

疑問を持った三里は双子に問いかけた。すると、双子は俯いて、

「『…きっと、兄妹を失うのが怖いのだと思います。ゴジラが戦えばきっとモスラも戦う事になる。だから、戦いの元凶となっているゴジラを消す事によってモスラを戦いから避けさせたいのだと思います、、。』」

その言葉に三里たちは黙ってしまった。

「………妹さん?想いなんですね、。」

しのぶが口を開いた。双子は小さく頷いた。ビルの向こうではまだ、バトラがゴジラを攻撃している。モスラは必死にそれを止めていた。

「バトラとモスラは、まだ子供です。産まれて直ぐに、蛹になりました。あの子なりの考えがあれなのだと思います、、。」

皆はゴジラたちの戦いを見つめた。

バトラは自身の瞳に光を凝縮させ、赤い光線をゴジラに食らわした。威力が高いせいでゴジラが後ずさる。

「…っ?!ギャラクシアっ?!!」

ゴジラに攻撃させないよう、モスラがバトラを掴み、ゴジラから離そうとした。

『”ごおぉおぉぉぉんっ!”』

『”きゅうあぁぁあぁっ!”』

バトラはモスラと揉み合いながら言い合い始めた。

「…どうしたらいいんだろか、、。」

すると、地鳴りが起こる。地面が揺れ三里たちは地に手をつく。

「なになになにっ?!!!」

「おわっ?!」

「しっ!なんか居るっ!!! ほらっ、地面にっ!!!!」

「『…えっ?』」

ゴジラやバトラ、モスラも地面を見遣った。バトラがバチバチと電流を鳴らした。地面から怪獣が顔を出す。その姿に三里やマイクは見覚えがあった。特徴的な三首に大きな翼。

「…………はっ?」

しかし、その見た目は異様だった。元々黄金の姿が銀色の鋼に身を包んでいる。まるでロボットのような見た目。所々に黄色のラインが走っており、地面を這い出でる際プシューッと言う音と共に煙が出ている。ゴジラがとバトラはロボットとなったギドラを睨み付けた。ゴジラはグルルッと喉を鳴らし威嚇する。


こおぉぉおぉぉおぉおおぉぉんっ!!!!!!!


ギドラが咆哮する。しかし前に聞いた時より周りに響き、メカメカしい声にしのぶや遥輝が耳を塞いだ。

「…っ?! うるっさっ?!!」

「鼓膜が死ぬっ!!?」


ごおぉおおぉぉおぉおぉおおぉぉんっ!!!!!!!!


ゴジラは雄叫びを上げギドラに突進する。ギドラもゴジラに突っ込む。二匹がぶつかった衝撃波が周りにもヒシヒシと伝わった。

「ギャラクシアっ、頑張れっ!!!!」

司令塔でも、古世谷が軍に指示を送る。

「攻撃を許可するつ!! ゴジラを援護し、ギドラを撃退するんだっ!!!!」

「了解っ!」

雨降る中、軍のヘリや戦闘機が空を駆け巡り、それにバトラとモスラも参戦した。

バトラは瞳に溜めた光線をギドラやゴジラに放ち、モスラに呼びかけていた。モスラもギドラに体当たりをし、バトラに応える。ビルから降り、ゴジラたちから距離をとった三里たちは、

「………バトラはやっぱり、モスラに戦って欲しくないんだろうな、。」

「………。」

しのぶは黙って怪獣たちの戦いを見つめる。

「……しのぶちゃん、大丈夫?無理せんちいいがで?」

「あっ、だ、大丈夫ですっ!!考え事してただけなんでっ、!!」

雷が落ちる。しかも青色の雷。それは意思を持っているかのように、ゴジラやバトラ、モスラや軍に襲いかかった。

「クソっ!! 一旦。奴から離れろっ!!!!」

「了解っ!!」

ギドラは三つの首に電力を溜め、空を旋回するバトラに放った。その光線はバトラに直撃し、バトラが空から落ちる。

「『バトラっ!!?』」

きゅうぅあぁぁああぁぁあぁあぁぁっ?!!!!!

ギドラはもう一度、バトラに攻撃を加えようとする。そこにゴジラが立ちはだかった。ゴジラは地面に向け勢い良く火を吹き、ギドラは素早く飛び退いた、落ちてくるバトラを両手で支える。そしてビルにそっと置いた。バトラと目が合う、ゴジラはギドラに向き直った。二匹が睨み合う。

「……ギャラクシア、、イカズチ、、。」

すると、ギドラが空へ飛びゴジラの肩を脚で掴んだ。宙に浮かせ地面に叩きつける。しかし、ゴジラがギドラの脚を掴み、とてつもない握力で握り潰した(しかも、片手)。

「…えっ、やば、、。」

「ギャラクシア君、吉田〇保里さんにでも憧れてるんかな、、。」

そしてギドラの真ん中の首にドストレートなパンチが入る。それからギドラに向け、熱線を吐き追い打ちをかけた。

「………容赦なっ、。ギャラクシア君が殺意の波動に目覚めちゃったよ、、。」

「…うちのせいかな、。」

「…ほおぉぉ?」

「ごめんて、、。確かね、うちが過去さん、未来さんとこに行った時、ゴジラも来ててさ、せっかくだからと思って、うちの大好きなドラマ見せたから、、その影響?かな、、。まあ、分からんけど、、。」

「……ギャラクシア君に何、見せたの?」

「半沢〇樹。」

「ふっるっ?!!そして、マニアックだなっ!!!!」

「やられたらやり返す、倍返しだ。」キリッ

「黙らっしゃい。」

どおぉおぉぉぉおおぉぉおぉぉんっ!!!!!!!!

向こうで爆発音がする。しのぶが苦笑いしながら遥輝に話し掛けた。

「…あの二人って、いつもあんなんながやろか、、?」

「…多分、そうやろ、、。」

どどどどどおぉおぉぉっ!!!!!!

また、轟音が鳴り響き、四人が耳を塞ぐ。ギドラがゴジラにミサイルを飛ばしていた。モスラがギドラの尻尾わ掴み、離そうとする。

「…いやっ、お前がミサイル撃つんかいっ!!」

軍の戦闘機もギドラにミサイルを飛ばす。しかし、ギドラの攻撃は緩まない。ギドラがゴジラに向け、光線を吐く。

「ギャラクシアっ!!!!」

ゴジラが咄嗟に防御態勢になった時、バトラがゴジラと光線の間に割って入り、ゴジラの代わりに攻撃を食らった。バトラはそのままビルとビルの間に落ちて行った。モスラが急いでバトラの元に向かう。

その瞬間、ギドラの身体が光りバチバチと雷が走る。その光景を三里とマイクは見覚えがあった。この後に起きる事それは、

「っ?!皆っ、逃げてぇぇえぇぇっ!!!!!!」

三里やマイクはしのぶや遥輝を引っ張りギドラから離れる。その瞬間、ギドラの身体から何本もの雷の柱が伸びた。青い雷の柱は無差別に辺りを巻き込んで行く。ゴジラはバトラとモスラの前へ立ち、盾となった。



ギドラの暴れっぷりをモニターから見ていたアルバートや武装集団。

「このギドラの力も凄まじいが、まだまだだ。我らの兵器には敵わないな。」

「はい。」

アルバートはゴジラを見る。そしてモスラ、バトラ、人間と全てを見遣った後

「これは面白くなりそうだ。…この地球ももう直ぐ、我々のものになる。」

「はい、もう時期です、。」

アルバートは笑みを浮かべ、そう話した。



ギドラの攻撃が止み、ゴジラがバトラたちを見遣り、ギドラと向き合う。ギドラがまた三つの首に電力を溜め始めたのを見てゴジラも背びれを発光させる。途端に二匹の熱線と光線が衝突した。その衝撃波が周りにも伝わる。ゴジラとギドラが戦っているのを見遣り三里らは、バトラとモスラの元へ向かった。

「ルビー、エンジェル大丈夫か?!」

「ルビー?!エンジェル?!いつ付けたんっ、その名前っ?!」

「まあまあ、。」

『”きゅうぅあぁぁあぁ、。”』

『”……ごおぉぉおおぉぉん、、。”』

「『三里さん!無事で何よりです!!』」

「うんっ!二人こそ無事で良かったわっ!!それで、ルビーとエンジェルは大丈夫?」

「『はい。…バトラもゴジラを認めてくれました。』」

「おっ?!良かったぁ〜!一時はどうなるかと思ったよ、、。」

「私もです、、。」

「ルビー!ギャラクシアを助けてやってくれない?きっと、あんたらなら大丈夫やけん。」

バトラとモスラは三里の言葉に頷く。

「『皆さん、離れましょう。バトラとモスラが飛び立ちます。』」

「『了解!』」

ギドラにミサイルを撃つヘリ、ギドラに火炎放射を吐くゴジラ。すると、ビルとビルの間からバトラとモスラが飛びギドラに突っ込む。バトラは素早い動きでギドラの左の首を自身の釜で掴んだ。そして、バトラはギドラの首を掴んだまま回転しねじ切った。

こぉぉぉぉおぉおぉおおぉおんっ!!!!!!

ギドラが奇声をあげる。そこにモスラが体当たりした。追い打ちに軍の戦闘機がミサイルを集中砲火する。

「…おうふ、凄い、、!」

「ギャラクシアっ!!!!」

ごおぉぉおおぉぉぉおぉおぉぉんっ!!!!!!

三里の掛け声に応え、ゴジラがギドラに突っ込む。ギドラに噛み付いたゴジラの背びれが青色に光った。

「…あれは、?」

「ギャラクシア君がギドラから力を吸収してるんだっ!!!頑張れっ!!!!」

ゴジラたちの戦いが終盤を迎える。

「撃て撃てっ!!!!ギドラ撃退は、もうすぐだっ!!」

軍の弾道ミサイルが、ギドラに次々と撃ち込まれた。しかし、ギドラもやられてばかりではない。ギドラの翼の先端から雷が周りに飛び散る。バトラやモスラが空高くに、飛ぶ。軍もその場を離れた。そこでゴジラが大きく息を吸い込み雄叫びを上げた。


きいぃ”ぃぃい”ぃぃい”ぃいいぃぃんっ!!!!!!!!!


途端に、金属音のような音が周りに響き渡り、三里らは耳を塞いだ。

「う”わあ”あ”ぁぁあ”あぁぁっ!!!!!うるっさっ!!!!」

「やばいっ!!!鼓膜が、死ぬっ!!!!!!!!」

これの咆哮にギドラの身体からプスプスと煙が立ち、火花が散った。機会に故障が出たようだ。



「………………うるさっ、、。」

「…………んふっ、。」

「なんだ?」

「いえ、何も。」

その咆哮はアルバートのモニターにまで聞こえていた。音を聞き取る為のヘッドホンをしていたアルバートには、直で響く。



ギドラの弱った隙を狙ってモスラが羽根をばたつかせる。すると、モスラの羽根から黄色の鱗粉がギドラに向かって落ちて行く。そこにすかさずバトラが角に溜めた電気を放った。

「ナイスよっ!!エンジェル、ルビーっ!!!!」

三里と遥輝がガッツポーズをとった。そしてギドラがモスラに向け勢い良く光線を吐く。モスラにもう少しで光線が当たる直前、バトラがモスラに体当たりしなんとか逃れた。しかしギドラの光線が、バトラの羽根に掠ってしまい、バランスがとるのが難しくなった。

「ルビーっ?!休めっ!危ないっ!!!!」

ゴジラがバトラの身体を持ち少し遠くのビルに乗せた。ギドラは空を飛びモスラと空中戦を繰り広げている。そこへゴジラが熱線を吐き、ギドラを撃ち落とす。ギドラはバキッと鈍い音をたて、地面に衝突した。ゴジラの背びれが青白く光る。そのゴジラの肩にモスラがとまり、モスラも青白く光り出す。その光景に三里とマイクは息を飲んだ。バトラもビルの上に乗りその光景を凝視する。ギドラがピシューと音をたて、立ち上がる。その時、ゴジラが片脚を上げ勢い良く地面に叩き付けた。すると途端に衝撃波が波打つ。周りに広がりゴジラの元へ帰って来る。そしてゴジラは口を開け、熱線を吐いた。三里はその光景に目を見開いた。

「………マグロっ、、?!」

そう、ギャラクシアとゴジラの姿が重なって見えた、あの時と同じモスラと共に初めて戦ったあの立ち姿と。三里とマイクはやはり、親子同士似てるなぁと再実感する。

ゴジラの熱線はギドラの胸部に直撃し、ギドラがまたしても、奇声を上げた。ゴジラの熱線は止まる事なく、空を仰いだ。ギドラはバチバチと火花を散らし地面に倒れた。ゴジラは肩の力を抜き、モスラとバトラもビルの上へとまる。

「3匹共、よう頑張ったなぁ!!お疲れ様っ!!!!」

モスラが羽根を上下にパタパタと揺らし応えた。その動作に涼としのぶが「可愛い、、。」と呟く。

「……初めて怪獣の戦いを生で見た感想はいかがですかね?」

「『もう、いいです。』」

しのぶと遥輝はキッパリいい退けた。

「そりゃ、そうだわな!でもまぁ、こいゆう事が今からも続くかもやけんね。心引き締めて行きよ。」

「『はい。』」

今はもうスクラップのようになったギドラがプスプスと煙を上げる。皆は歓喜の声を上げ撃退を喜び合う。広島に再び平穏が齎された、と思われていた。バトラがビクリと身体を跳ねさせ、ギドラを凝視する。バトラは気付いた、ギドラの中に何かが組み込まれていると。

ギドラの体内には緊急用のタイマー式爆弾が設置されている。そのタイマーは着々と、ゼロに近付いていた。

「『バトラ?どうしたのです?』」

すると、バトラはビルから飛び立ちギドラを掴む。そのまま、空へ上昇して行った。

「……ルビーっ、待ってっ?!!!危ないっ!!!!!!」

三里はギドラの異変に気付き、バトラを離そうと叫んだ。それにゴジラとモスラも気付く。

『”ごおぉおぉおぉおおぉぉおぉんっ!!!!!!“』

『”きゅぅあぁああぁぁっ!!!!!!!!“』


ごおぉぉおおぉぉおぉおぉぉぉんっ!!!!!!!!


ゴジラがギドラの尻尾を掴もうとするが、バトラが一気に上へ飛び上がり捕まえる事が出来なかった。バトラはそのまま空高くに向かう。ギドラのタイマーはもう5秒を切った。


4……3……2……1………


「『バトラっ!!!!!!』」

皆が叫んだその瞬間、ギドラに組み込まれた爆弾が爆発した、とてつもない轟音と共に。バトラは吹き飛び、跡形も無く消し飛んだ。赤く光る粒となり散っていく。

「…………。」

「………………ルビー、、。」

広島市内が赤い光に包まれていく中、モスラとゴジラは静かに空を見上げていた。そしてゴジラが自分の来た方向へ動き出す。一度三里たちの方を見た。悲しそうな悔しそうな目をして三里たちを見る。

「………ギャラクシア、お疲れ様。もう、、帰りな。」

ゴジラは海の方向に進んで行く。

「……バトラは妹の為にここまで頑張ったのです。我々も次に繋げなければ成りません、、。」

双子はそう言うとモスラに向き直り、

「『…モスラ、?我々も帰りましょう、。私たちの在るべき場所へ、、。』」

モスラは飛び、バトラが消滅した場所で回転すると、広島から飛び去って行った。

「……エンジェルゥウゥゥッ!!!!ありがとおぉおぉぉおぉっ!!!!!!!!」


きゅぅうぅあぁぁあぁあぁぁあぁぁっ!!!!!!!!


空の彼方へ消えて行くモスラを見て三里は呟く。

「………ごめんね、モスラ、ありがとう、。」

涼は三里の呟きに「はい、。」と頷き、海を見る。

(……ギャラクシア君は、これからも誰かの意思を継いで行くんだろうな、、。私たちは、何もしてあげられない、きっと、辛いんだろうに、、。)

広島に平穏が齎された。




























END

ゴジラ ~Stage Series~

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