※超ハイスピードで今回は進みます。
※センシティブシーンあり。
勇斗「はっ、はぁっ、仁人っ!」
仁人「あ、きたきた。」
明るい土曜の昼間、駅前で待ち合わせた。
意外に質素な仁人の服に反して勇斗はいつもに増して気合いを入れた服。
仁人「じゃ、行こっか。」
勇斗「うん!行こ行こ〜。」
ガタンゴトン、ガッタンゴトン…
勇斗「人意外と少ねーな。」
仁人「そう?俺あんまり電車乗らないから分からないかも。」
勇斗「そっかー…あれ?仁人って一人称『俺』だっけ。」
仁人「いや、もう付き合ってるんだし一人称くらいは普通にした方が良いかなって。」
勇斗「へー。変なの。あ、見て〜。飛行機〜。」
お互いの話なんて聞きもせず、ただ電車に揺られる。
時間が一分、二分と進む度にどんどん窓の外は派手になっていく。
ビルが並び、人が行き交う。
東京みたいに都会ではないが、二人で居ると胸が高鳴る。
勇斗「仁人、次で降り…あれ、」
仁人が勇斗に肩を寄せ、すーすーと寝息を立てているではないか。
真っ白い肌と艷めく唇が勇斗の脳を巡る。
勇斗(今だったらキスしても…じゃなくて!何キモい事考えてんだ…。)
勇斗「じっ、仁人。起きて起きて。」
すると今まで寝ていなかったかのようにパチッと目を開けた。
仁人「なーんだ。そっちからキスでもしてくれば良かったのに(笑)」
勇斗「はっ、は?お前っ…起きてたのかよ!なっ、何考えてんだよ!」
仁人「そんな慌てる事じゃないでしょ。…もしかして本当にしようって考えてっ、んぐっ。」
仁人の口を力づくで押さえて言葉を遮った。
これ以上言われては困るみたいだ。
ポーン。
勇斗「チッ…ほら、早く降りろよ。」
仁人「ははっ(笑)はいはい。」
ザワザワと話し声や足音が鳴る街。
勇斗も恋人ごっこの為に仕方なく仁人と恋人繋ぎ。
自分の手汗が滲み出るのが分かってしまう。
仁人「男二人で恋人繋ぎとかなんかドキドキしない?」
勇斗「まっ、まあ、俺、仁人の事好きだからさ。そんなの気にしねーし…。」
パシャッ。
勇斗「え?」
仁人「ん?どうした?」
勇斗「いや…何も。ごめん。」
「こちらからお選び下さい。」
仁人「んー…。」
甘い香りのするクレープ屋が新しく出来ていた。
買い物を終わらせてそこに寄る。
街並みを見ながらクレープが食べられ、デートの休憩に良いかと思えた。
勇斗「俺、チョコバナナ。」
仁人「じゃあ僕オレオのやつで。」
「かしこまりました。お会計は1300円です。」
大体の客は外で食べているが、二人は店内でゆっくり食べる事にした。
ここで勇斗は格好をつける。
勇斗「あ、俺奢るわ。」
財布を取り出そうとした仁人を抑えて堂々と払った。
仁人「…ありがとう。」
ニマっと笑った顔が少しだけ勇斗の頬を赤くする。
仁人に対しては何も思わないのに、今だけ世界が小さく見えて二人だけしか居ないように感じた。
仁人「ん、美味しい。」
勇斗「こっちの一口食べる?」
仁人「うん。ありがと。」
口横にちょびっとクリームを付けて勇斗を見つめてくる。
何処かズルい様な、そんな事も無いような。
パシャッ。
勇斗「…ねぇ、やっぱりさっきから誰か俺らの事撮ってると思わない?」
仁人「何が?俺は分かんないんだけど。」
勇斗「そ、そう…。」
仁人「はっ、んんっ…勇斗…、きて…。」
勇斗「あっ…仁人…ごめんっ、中出すよ…。」
明後日の朝方二時、月の光だけが照る理科室で二人は事に及んでいた。
壁に仁人が手を着き、後ろから勇斗の吐息が聞こえる。
誰かが来るかもしれない、制服のままでもハラハラして楽しい。
ドクドクと腸を流れて届いた。
仁人「…勇斗。」
仁人が振り返り、仁人の華奢な手が勇斗のネクタイを外し、また勇斗に渡す。
仁人「これで目隠して…?」
勇斗「うん…じゃあ…。」
瞬く間に仁人の視界が真っ暗になり、またさっきと同じ体勢へ。
こんな事して良いのかと罪悪感が半分を占める。
仁人「あぅっ。はぁっ、あぁっ…だめ…。」
パシャッ。
パシャパシャッ。
仁人「えっ…何?」
勇斗「…一旦止めようか。」
ー三日後ー
勇斗「おはよー。」
勇斗が教室に入った瞬間、皆の冷たい視線が突き刺さる。
いつもなら迎えてくれるのにと不審がった。
「おっ、お前なぁ!ちょっと来い!」
「勇斗…お前ヤバいことなってんぞ…。」
友達三人に呼ばれ、駆けつけて行くと、皆は何かの紙を握り締めていた。
「お前、裏新聞に取り上げられてんぞ…。」
勇斗「えっ、どゆこと?」
「これだってこれ…。」
今週の裏新聞
【二年B組の王子系アイドル佐野勇斗 地味系男子吉田仁人との熱愛・体関係発覚】
先週土曜日、隣町の××町にて、二年B組の佐野勇斗と吉田仁人が恋人繋ぎでデートをしている所を発見。
二人はアウトレットやクレープ屋で二人の時間を楽しんでおり、どちらも普段では見ないような顔ばかりだった。
そして今週月曜の午前三時、理科室での性交を発見。
吉田仁人は佐野勇斗のネクタイで目隠しをしており、行為中には喘いでいた様だった。
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