テラーノベル
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手渡された紙片は、大正時代を思わせるような質の粗い羊皮紙だった。
そこには、黄泉國さんの几帳面な文字で「赤字」が書き入れられた古い地図の断片と、もう一つのメッセージが遺されていた。
『二番目の頁、『装丁家』の完了を確認。助手くん、寒さで喉をやられていませんか。ネギを首に巻いて札幌ラーメンを食べると治りますよ』
「、、、最後まで人のことを馬鹿にしやがって」
思わず口元がほころぶ。相変わらずの謎ボケだが、その言葉の裏にある「温かさ」が、冷え切った身体にじんと染み渡るようだった。
装丁家――彼女は抱えていた革の本をパタンと閉じ、安らかな表情で僕を見つめていた。
「これで、私が預かっていた尊の『初稿』の記憶はあなたに託されたわ。、、、その紙片に書かれた赤字を見てごらんなさい」
言われた通り、地図に引かれた赤線を指でなぞる。
そこには、札幌からさらに南西へ向かう長いラインと、一つの奇妙な印が刻まれていた。
「次の目的地は、、、『霧の港町、沈まぬ錨』、三番目の編集者が待つ場所よ」
「沈まぬ錨、、、」
僕が呟くと、手の中のルービックキューブがまたしてもカチリと音を立てて回転した。
今度は「青」と「緑」の面が不規則に混ざり合い、静かな港の情景を提示するように鈍い光を放つ。
「行きなさい、執筆者くん」
装丁家は優しく背中を押すように微笑んだ。
「あなたが尊のボケを『ツッコミ』で払い除けたように、残りの編集者たちの記憶も書き換えていってあげて。私たちはあまりにも長く、この世界の悲しい未練を抱え込みすぎたのだから」
「はい。ありがとうございました」
僕は装丁家に深く一礼し、屋上を後にした。
朝日に照らされる札幌駅へ向かう道中、僕はポケットの中のルービックキューブと、新しく手に入れた紙片を強く握りしめた。
十一人の編集者を巡る旅。
黄泉國尊という男の正体、そして彼を本当のハッピーエンドへと導くための物語は、まだ始まったばかりだ。
早くもロイロからコピペし修正したやつ!
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