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「いい、司くん…?」
「ああ、来てくれ…」
オレは目をぎゅっと閉じて待つ。いかん、緊張で顔に力が入っているな。そう分かっていても顔の力を緩めることができない。舞台上でもこの緊張を感じたことが全くない…。そんなことを考えて数秒たったが触れてくるはずの類が何もしてこない。おかしいと思って目を開けると類はさっき見た時と同じ場所で肩を跳ねさせて、少し考えるような素振りをみせたあとオレの口に触れるだけの短いキスをしてきた。
「今日は、その、ここまでにしようか」
「は、はぁああああ!!??」
その日以降そういう雰囲気にはならなくなり、なりそうになっても類が逃げるように席をはずしてしまう。ああもうどうすればいいんだ…。言わなくてもわかると思うが、オレはあの男にめちゃくちゃ抱かれたい。後ろも開発済みだ。なんなら前だけでは絶頂まで達することができなくなってしまった。オレはこんなに準備して浮かれているのに何故あいつは手を出してこないのだろうか…?うーんと考えていると隣から声がした。
「司くんが悩み事なんて珍しいねぇ。どうしたんだい?僕で良かったら話してみてくれないかい?」
お前が抱いてくれないことで悩んでいるんだが…早く手を出してこい
「バカ類…」
「え、僕!?君に何かしたかな…??」
「なんでもない」
むぅとふくれて顔を机に伏せた。司くーん…?と困惑した類が声をかけてくる。こういうところとか可愛くて好きだな。思わず笑ってしまいそうになる。すると類が隣の席の椅子を引きずってきて座ったあとにオレの頭を撫でてくれた。類は撫でるのがとても上手い。このまま眠ってしまいそうだ……。
「すぅ…」
「おや、寝てしまったのかい?ふふ、じゃあ僕も少し眠ろうかな…」
そうしてオレと類は教室で眠った。