今夜は、当店のマスコット的キャラでもある天馬が、
あなたを、エスコートします。
※小悪魔系愛され男子 × 翻弄され女子 シチュ
「ねぇ、天馬? 天馬はどうして、私に声をかけてくれたの?」
尋ねると、天馬は丸くつぶらな瞳でじっと私を見返して、
「そんなの、当たり前じゃない?」
そうあっさりと口にした。
「当たり前って、どうして…?」即答をされて、一方の私はただ疑問だけがつのる。
「君だから、声をかけたんだよ。当然でしょ?」
ひそめた甘ったるい声音で、耳元近くに告げられ、
「でも、それじゃあ理由になってない……」
無意識に赤くなった耳をつい手で押さえた。
「理由なんて、必要なの?」
言いながら、私の唇に指の一本を押しあてて、
「僕には、君が必要だっただけ…」
口元にふっと愛らしい笑みを浮かべる彼に、そんな風にも言われたら、それ以上は何も聞けなくなってしまう……。
ここに来るのはもう何度目かになるのに、いつも天馬にははぐらかされてばかりだった──。
「たまには、天馬の本心が、聞きたいのに……」
「僕の本心? そんなの聞いてどうするの?」
興味が削がれたかのような顔つきで、ふいっとそっぽが向かれて、
「……だっていつだって、天馬には、もてあそばれてるみたいで……」
どうしよう……もしかして、怒らせちゃったのかなと、ふと不安になる。
「ふぅーん…だから?」
と、天馬が私をちらりと横目に見て、
「だから、僕が君のこと、本当は好きじゃないって思ってたの?」
そう尋ねてきて、まるで一瞬で心の奥が見透かされでもしようなストレートな問いかけに、「えっ…」と、思わず口ごもった。
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